夫婦仲はいつも機嫌よくありたいけれど…

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 言葉は“諸刃(もろは)の剣”。使い方次第で相手も自分も幸せになったり、不幸のどん底に陥ったりもします。夫婦は「思ったことをためないで相手に伝えるのが裏表のない、いい関係」…とはいうものの、相手をムッとさせたり、落ち込ませたりする場合もあるのが難しいところです。

 言葉の使い方を間違えると、プチげんかが勃発したり、夫が黙り込んで口を聞いてくれなくなったり、それが3年、5年とたまり込むと、仮面夫婦になったり、別居話が持ち上がったり、浮気したり、セックスレスになったり…。いやはや、夫婦生活を円満ラブラブで継続するのはなかなか大変なことです。

 今回は、思ったことを相手に伝えるときの「NGコミュニケーション」&「OKコミュニケーション」をお伝えしたいと思います。恋人・夫婦仲相談所の所長である私は、“神言葉”や“神対応”と名付けてアドバイスしています。

言いたいことを伝えるのはOK! しかしその「言葉使い」はNG

「妻」視点の事例です。あなたの家でも、こんな場面はありませんか。夫が連絡せずに遅く帰ってきた日のこと。

夫「ただいま」

妻「……」

夫「風呂入るわ」

妻「ていうか、何? 何で謝んないの? 連絡せずにこんな時間ってありえないよね。何様?」

夫「仕事でトラブって大変だったんだよ。疲れてるから風呂入るわ」

妻「は? 仕事でトラブったってLINEくらい送れるでしょう。1秒じゃない。いっつもそうよね」

夫「いつもってなんだよ。マジ、家でくらい安らぎたいわ…こんな疲れる家に帰るくらいならビジネスホテル泊まりたいし」

妻「は? こっちのセリフですけど」

 妻のイライラは、本当は夫への心配からきているものですが、これでは全く伝わらないどころか、最終的に夫にとって「自宅=会社より疲れる場所」になってしまいます。夫が「ただいま」と帰ってきた後の無言から、やり直しが必要です。

 理想のOKパターンはこちら。

夫「ただいま」

妻「おかえり。遅かったんだね」

夫「風呂入るわ」

(この時点で一呼吸入れる。いったん飲み込む。怒りより先に、自分が心配して待っていたという気持ちを伝える)

妻「うん。疲れてるんだね。連絡ないから心配したよ」

夫「仕事でトラブって大変だったんだよ。汗流したいから風呂入るわ」

妻「そうか。連絡なかったけど、一応ご飯作ったんだけど、お風呂上がりに食べる? 夜遅いからやめとく?」

夫「そうなんだ。ありがとう。連絡しないで心配かけてごめんね。何も食べられなくて腹減ってるから食べるよ。ほんと◯◯(妻の名前)が家にいてくれるから助かるよ。サンキュ」

妻「ありがとう。食べてくれるならよかった。じゃあ準備しておくね。ゆっくりお風呂入ってね」

 連絡もなく待っていた妻のやるせない気持ち。それはよーく分かります。言葉のやりとりで、最終的に夫婦が抱く気持ちは全く違う方向になります。NGパターンでは大げんかまっしぐらです。

“神言葉”で結果が変わる

 もう一つ、こちらも“あるある”です。妻の帰りが遅い日、家事をお願いしていたのに夫がやっていなかったとき。

妻「ねえ、『今日は洗う』って言ったよね。何で食器、洗ってないの? 私より早い帰宅なのに洗濯物も干しっぱなし。何してたの?」

夫「あ、ごめん。忘れてた…」

妻「忘れてたって何? 食べた後は食器洗うって当たり前じゃん。洗濯物だってベランダに干してるんだから見えてるし。ほんと、いっつもそう。だらしないし、家事分担で私の方が損してる」

夫「いっつもって何だよ。一昨日はやったし。ていうか、頼まれなくてもやってる。そっちこそ毎回小言。こんなちょっとしたことでそんなに怒るってマジ最悪」

妻「最悪ってこっちのセリフですけど。今度こんなんだったら離婚だから」

夫「ほんとくだらねえ。寝るわ」

 疲れて帰ってきたとき、夫がするはずの家事が終わっていないときのガッカリ感…とはいえ、これでは夫を脅して命令に従わせるのと同じです。最終的に、夫は家事をせずに寝てしまい、妻は何の得にもなりませんでした。大損です。

 理想のOKパターンはこちらです。

妻「あれ? お願いしていた食器洗いと洗濯物取り込み、まだやってない? もしかしてこれから?」

夫「あ、ごめん! 忘れてた」

妻「そかそか」

(ここで、“神心”を発揮してみる)

妻「じゃあ、一緒にやろう」

夫「俺の役割だから、やるやる。うっかりしてただけ」

妻「うっかり忘れること、あるって」

夫「ごめんね。今からやるね! ◯◯(妻の名前)は残業と満員電車で疲れてんだから、お風呂でも入って」

 妻は夫に、一言も「やって」と言っていないのに、夫は自ら「今からやる」と宣言し、妻をねぎらう言葉もかけてくれます。現象は同じでも、“神言葉”で結果が変わってきてしまうのです。

“神言葉”が自然と出てくるようになるには

 日々、一緒に暮らしていると、イラッとすることはお互いにたくさんあります。そこで感情のまま言葉を発するのではなく、自分は相手にどんなことをしてほしいのか、どうあってほしいのか、どう言えば相手がご機嫌に動いてくれるか、一呼吸置いてから発すると結果、自分もご機嫌になる流れになります。

“神言葉”は、最初は顔が引きつるでしょう。しかし、永遠に続く結婚生活をご機嫌にするために、チャレンジです。習慣化すると、全く苦ではなくなります。

 あまりに腹が立ち、「相手を徹底的に懲らしめてやりたい」と思うこともあるかもしれません。しかしそれを行った結果、自分にどんな未来があるのか――。多数の離婚カップルを見てきたので、離婚の源は全て「思いやりのない言葉と態度」と分かります。相手を傷つけようとして自らがもっと傷つく結果になった妻たち、夫たちを、私は多く見ています。

 ポイントは、自分なりの“神言葉”を探し、選び、創造すること。「イラ立ちとムカつきは相手のせいでなく、自分の未熟さから生まれる」と低姿勢になれば、“神言葉”が自然と出てくるようになります。

 相手からも“神言葉”が出てくるようになれば、夫婦安泰。今よりもっと夫を、妻を好きになれます。「ホントかよ」と斜め目線の人も、一度トライしてみてください。