新型も標準モデルとカスタムを用意

 軽自動車においてスーパーハイトワゴンというジャンルを生み出したダイハツタント

 2019年にデビューした4代目もコロナ渦の中、比較的好調で、ホンダN-BOXやスズキ・スペーシアとともに軽自動車の販売台数トップの座を争っている。

 タントは初代から標準モデルと派生型のタントカスタムを用意しているが、新型も両タイプをラインアップ。

 見た目の違い以外に、両車にどんな違いがあるのだろうか。

タントタントカスタムの違いを徹底解説

 4代目となる現行タントは、初代から3代目まで歴代モデルに設定していたタントカスタムも用意し2019年7月に発表した。

 先代のプラットフォームやパワーユニットを継続しつつも「フルモデルチェンジ」としてデビューするモデルが多い中、4代目はすべてを刷新。

 なかでも「DNGA」と呼ばれる新たなプラットフォームは全コンポーネントを全面刷新したことで、走行性能、安全性能、快適性能とクルマに求められる基本性能を大幅に向上している。

 いまやタントタントカスタムは2本柱としてシリーズをささえるが、見た目以外は違いが少ない。

 パワートレインや安全装備は両車ともに共通だ。

 先代同様、親しみやすさを前面に押し出したタントに対して、カスタムのテーマは「大人のカスタム」と先代より上質さを重視した見た目にこだわった。

 とくに先代からの変化が大きいのがカスタムだ。

 具体的には、歴代のカスタムが備えていた押出しの強さ、簡単に言えば存在感を重視しつつも外観はずっと洗練された雰囲気を実現している。

 カスタムのバンパーの四隅に配置されたガーニッシュは前後ともに同じテーマでデザインされているが、見た目を洗練させたいとのこだわりが見受けられる箇所だ。

 標準モデルとの違いは、ヘッドランプとリヤコンビネーションランプの形状、前後バンパーに加えカスタムにはエアロパーツが装着される。

 インテリアのデザインも基本的にタントタントカスタムともに共通だ。

 ただ、カラーマテリアルの違いで両車を差別化している。

 タントの標準モデルは、インパネとドアの上部がグレー、ドアとインパネ下部はブラック、ピラーなど上部はライトグレーの3トーンで構成。

 一方、カスタムはピラーと上部、そしてドア&インパネ下部がブラック、それ以外の中間層はグレーという配色で仕立てた。

 また、標準モデルはインパネ上部に配されたアクセントラインやエアベントのベゼルにグリーンを配色している。

 一方、カスタムのセンターエアベントはブラック、サイドエアベントはブルーと細かい箇所に違いをつけた。

 細かい違いでいうと、シート表皮も標準モデルとカスタムで異なる。

 標準モデルがすべてのグレードでシート表皮をフルファブリックにしたことに対して、カスタムは「カスタムX」と「カスタムRS」では、ファブリック+ソフトレザーとしている。

 グレードについても標準モデルとカスタムはデビュー時にそれぞれ3種類ずつ用意された。

 標準モデルは「L」、「X」、「Xターボ」。

 カスタムは「カスタムL」、「カスタムX」、「カスタムRS」となり、「Xターボ」と「カスタムRS」にはターボエンジンが搭載される。

 現在は上記グレードに加えて、標準モデルには「Xターボ“セレクション”」、「X“セレクション”」、カスタムには「RSターボ“セレクション”」、「カスタムX“セレクション”」とベースグレードとくらべ装備を充実させた新グレードが追加された。

 装備の違いでいうと、標準モデルの「X」ではオプション扱いの右側パワースライドドアが、カスタムの同グレードとなる「カスタムX」には標準装備となるのが大きな違いといえるだろう。

 また、「カスタムRS」のみに、15インチタイヤが装備されることも標準モデルとの違いだ。

 ボディカラーにも両車に違いがつけられている。

 標準モデルが9色、カスタムは8色用意されたが、標準専用色はアイスグリーンとブルーミングピンクメタリック。

 カスタム専用色は、シャイニングホワイトパールとレーザーブルークリスタルシャインの2色だ。

 またカスタムではシャイニングホワイト、レザーブルー、ファイアークォーツレッドを選ぶとルーフをブラックにカラーリングしたツートーンカラーを選ぶことが可能となる。

あらゆる面が進化! タントの基本情報を知る

 4代目のボディサイズは、先代からわずかに高くなった全高以外は変わっていない。

 全長3395mm×全幅1475mm×全高1755mm(タントカスタム・カスタムRS/2WD)、ホイールベースは5mm延長され2460mmとなった。

 いまやタントの大きな特徴となった左側ミラクルオープンドアは引き続き採用されるほか、運転席から後席左側へのウォークスルーを可能とするミラクルウォークスルーを新たに採用。

 リアドア左側から乗車しながらも、車外へ降りることなく運転席へ座ることが可能となったが、とくに後席にチャイルドシートを備えるママさんドライバーが恩恵を受ける新機能だ。

 この機能は運転席のスライド機構の後端を先代から300mm後方へ動かすことができるロングスライド機構を採用したからこそ可能となった。

 その他、パッケージングの特徴として、全高が高くなったにもかかわらず先代から16mm底床化したことが挙げられる。

 この底床化には新プラットフォーム「DNGA」で採用した構造によるもので、骨格構造を徹底的に見直したからこそ可能とした。

 底床化やミラクルオープンドアにより、従来から利点だった乗り降りのしやすさはさらに向上し、荷室開口部を広くとれるようになったため荷物の積み下ろしも容易になった。

 一方、全高を高くしたことで運転席の頭上空間は200mm以上と広大なスペースが広がる。

 インパネの形状にも工夫がなされたことなどで、運転席からの見晴らしの良さは抜群だ。

 後席はというと、左右それぞれのシートが240mmスライドできることや広大な頭上空間により大人2名乗車が楽々可能。

 後席スペースを問題視するユーザーははたしているのだろうか、と思うほどだ。

 また前後シートともに骨格形状を見直し、クッションの硬さも最適化した新開発シートを装着

 後席は一度の操作で背もたれを倒すことができるワンモーション格納を新たに採用した。

すべてを刷新? 先代タントとの違い【パワートレイン】

 先ほどお伝えしたように、新型タントは先代のプラットフォームやパワートレインを踏襲せずに、まさにすべてを刷新したといえるほどのモデルチェンジを行っている。

 まず、注目したいのがパワーユニット。

 NAエンジンは最高出力52ps、最大トルク3.1kgm。

 ターボエンジンは最高出力64ps、最大トルク10.2kgmとなる。

 形式こそKF型と踏襲しているが、ほぼすべての面で大改良を行った。

 開発陣いわく「究極のポート噴射エンジン」を目指して開発されたものだ。

 新型エンジンのトピックスといえば、火炎伝播速度のアップを実現するために日本で初めて装備されたマルチスパークだろう。

 ノッキングが生じる前に燃焼を終えることができるため耐ノック性能の向上させている。

 また、ターボエンジンにも手が加えられている。

 動力性能と燃費を追求し、とくに先代でパワーへの不満の声があがったことで走行性能にこだわったという。

 過給圧を高めて最大トルクを8Nmほど増大している。

 しかも低回転域でも充分な加速を得るなど、リニアな加速を実現した。

先代タントとの違い【燃費】

 もちろん、燃費性能にもこだわっている。

「D-CVT」と名付けられた新開発のCVTとの組み合わせにより、NAエンジンがJC08モードで27.2km/L、WLTC市街地モードで18.4km/L。

 ターボエンジンがJC08モードで25.2km/L、WLTC市街地モードで17.5km/L。

 ライバルとなるN-BOXのターボ車がJC08モードで25.2km/L、スペーシアカスタムのターボ車(+モーター)で25.6km/Lと、それぞれが高い水準で高燃費を実現している。

先代タントとの違い【先進装備】

 いまどきの軽自動車にも搭載必須になった先進安全装備も進化を果たした。

 予防安全ならびに運転支援システムの機能向上と新機能を加えたスマートアシスト次世代版を搭載する。

 とくに注目したいのがスマートパノラマパーキングアシスト。

 軽自動車初装備となるこの機能は、駐車時にカメラが駐車枠白線を検知し、モニター表示に加え音声ガイドとともにハンドル操作をアシストするものだ。

 ドライバーは駐車したい場所の横に停車しスイッチを押すだけで、駐車可能スペースを認識し並列か縦列かも自動的に判断。

 あとは音声ガイダンスにしたがってシフトレバーの切り替えやアクセル、ならびにブレーキの操作を行えば駐車が完了する。

 いまだに駐車が苦手と悩む女性ユーザーは少なくなく、そんな方にとっては“神”的な先進装備といえるだろう。

ライバル車との違いを知りたい!

 初代タントが切り開いたスーパハイトワゴンセグメントは、軽自動車の販売上位を占めるようになった。

 売れ筋ジャンルとなった同セグメントには、N-BOX、スペーシアという強敵がひしめいている。

 この3車はいずれも、標準モデルとカスタムが用意されNA&ターボエンジンがラインアップされるなど、キャラクターが似通っているがタントのメリットや利点は、劣っているポイントどこになるのか。

 まず、最近重視される先進安全装備について。

 新型タントはスマートアシスト次世代版を装備することはお伝えしたが、渋滞対応の全車速追従機能付きACCやLKC(レーンキープコントロール)が備わったオプション「スマートクルーズパック」は標準モデルの「Xターボ」、カスタムの「カスタムRS」のみの設定となってしまう。

 一方、それらの機能が備わった(ただしACCには渋滞対応なし)ホンダセンシングを搭載するN-BOXは全モデルに標準装備している。

 ACCやLKCは先進安全装備においてぜひとも欲しい機能なだけにタントの残念なところだ。

 ただし、先進安全機能の充実さでいうとタントがライバル車と比べ一歩上を行く。

 パワーユニットにおいては3車ともに甲乙つけがたい。

 ただ、マイルドハイブリッドを備えたスペーシアが燃費の面では有利となる。

 パッケージングや使い勝手という面でタントが優位性を誇る箇所は多い。

 乗降性、ウォークスルー、ロングスライド機構についての使い勝手などはライバル車に大きく勝っているところだ。

 ざっくりとまとめると、基本性能や先進安全装備の充実により新型タントの実力はライバル車たちに勝っていると言えるだろう。

 ちなみに価格はタントが124.3〜197.45万円。

 N-BOXは141.13〜212.9万円、スペーシアは129.8〜195.9万円。

 N-BOXが割高に見えるが、タントとスペーシアは先進安全装備の非装着車がラインナップされていることに注意したい。

タントカスタムをもっとカスタムしたい!

 エアロパーツで身をまとったタントカスタムには、さらに個性を強調する純正パーツが用意されている。

 フロントガーニッシュをはじめ、LEDフォグランプキット、ドアミラーガーニッシュなど5点のパーツがセットになった「アナザースタイルパッケージ(プレミアム)」(9万5666円)。

 さらにサイドスカートモールやフロントバンパーロアガーニッシュなど計9点のパーツを揃えた「アナザースタイルパッケージ(プレミアムクラス)」(14万3770円)。

 またダークブラックメッキでボディを引き締める「プレミアムスポーツフェース」は、フードガーニッシュなど9点のパーツを用意。

 すべてを揃えた「スポーツプラン」(24万343円)も用意されている。

新型タントでライフスタイルが向上すること間違いなし

「新時代のライフパートナー」をテーマに開発された新型タントは、数多くのユーザーの日常生活にいい影響を与えるクルマだ。

 子どもがいるママさんはもちろん、高い走行性能で若いユーザーも満足できるはず。

 タントタントカスタムの違いは少ないが、どちらを選んでも後悔することはないだろう。