体罰を受けた数時間後に死亡した10歳女児(画像は『7NEWS.com.au 2020年9月17日付「Schoolgirl dies after getting maths question wrong」(Credit: Newsflash/Australscope)』のスクリーンショット)

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中国の小学校で今月10日、5年生の女児が授業中に教師に体罰を受け、その数時間後に病院で死亡していたことが明らかになった。教師は「女児が算数の問題を解くことができなかった」との理由で体罰を与えており、家族は怒りと悲しみを露わにしている。『7NEWS.com.au』『WORLD OF BUZZ』などが伝えた。

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中国・四川省広元市蒼渓県の小学校で今月10日、男性教師が算数の問題が解けない9人の児童に憤慨し、授業中に体罰を与えた。その1人で10歳のネネちゃん(仮名)は午前9時頃、教師に前に出て黒板で問題を解くように指示されたものの、緊張していたのか2つの問題でつまずいてしまった。

「こんな問題も解けないの?」と怒った教師は、ネネちゃんの耳を引っ張ると頭を叩き、竹の板で手のひらをひっぱたくとその場で跪かせた。

ネネちゃんはその直後、頭をうなだれたまま動かなくなるなど明らかに異常な状態だったというが、教師はそのまま放置。授業終了後にネネちゃんの体調を心配したクラスメートが学校長に状況を伝え、学校長は祖母に連絡した。

最初は軽い眩暈を訴えていたネネちゃんは昼頃になると体調が急激に悪化し、祖母が学校に駆けつけた時はすでに話すことも、目を開けることもできなくなっていた。一部メディアでは「ネネちゃんが泡を吹いていた」とも報じており、すぐに地元の病院に緊急搬送されたが、午後3時半に死亡が確認された。

ネネちゃんの祖母は地元メディアに「算数の教師は学期が変わってから新しくなった。ネネは『算数の教師は体罰が酷い』といって授業に出るのを嫌がっていた」と明かしており、この教師による体罰が日常的に行われていたことを示唆している。しかしながら問題の教師は「手のひらを叩いたのは認めるが、酷い体罰を与えた覚えはない」と述べており、現在当局が詳しい死因などについて捜査を進めている。なおこの教師は12日、学校長と共に停職処分となっている。

ちなみにネネちゃんが亡くなった10日は、中国で教師に感謝する教師の日(教師節)にあたり、ネネちゃんはこの教師に花束を手渡していたという。このニュースには「尊敬されるべき存在の教師に命を絶たれたとしたら、あまりにも悲しすぎる」「体罰を許してはいけないと思う」「監視カメラの設置などを検討すべき」「親の気持ちを考えるとやりきれない」といったコメントのほかに、「うやむやにせずに、しっかりと調査をして欲しい」といった声があがっている。

画像は『7NEWS.com.au 2020年9月17日付「Schoolgirl dies after getting maths question wrong」(Credit: Newsflash/Australscope)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)