『伊藤家の晩酌』〜第十六夜2本目/すっきり、さわやかな酸が広がる「あざくら もぎたて りんごちゃん 無濾過生酒」〜
弱冠22歳で唎酒師の資格を持つ、日本酒大好き娘・伊藤ひいなと、酒を愛する呑んべえにして数多くの雑誌、広告で活躍するカメラマンの父・伊藤徹也による、“伊藤家の晩酌”に潜入! 酒好きながら日本酒経験はゼロに等しいというお父さんへ、日本酒愛にあふれる娘が選ぶおすすめ日本酒とは? 第十六夜の2本目は夏にぴったりな特別ゲストを迎えての残暑に合う酸っぱみ特集。2本目は、さっぱりとした飲み口ですっきり系のお酒。(photo:Tetsuya Ito illustration:Miki Ito edit&text:Kayo Yabushita)
第十六夜2本目は、かわいいラベルと味のギャップを楽しむ「あざくら もぎたて りんごちゃん 無濾過生酒」。
秋田県横手市にある阿櫻酒造の挑戦ともいえる1本。協会77号酵母を使い、12度という低アルコールを実現。かわいいラベルが目を引く。
「あざくら もぎたて りんごちゃん 無濾過生酒」720ml 1485円(税込・ひいな購入時価格)/阿櫻株式会社
娘・ひいな(以下、ひいな)「酸っぱみ特集2本目は、こちらです!」ナツ・サマー(以下、サマー)「り、りんごちゃん?」父・徹也(以下、テツヤ)「名前からして『リンゴ酸です』って主張してるね」サマー「かわいいイラスト!」テツヤ「でも、りんごは入っていないんだよね?」
名前はりんごちゃんですが、お酒にりんごは入っていません!
ひいな「そう、酵母の力でリンゴ酸になってるんだけどね」テツヤ「どこの蔵?」ひいな「秋田県横手市です!」テツヤ「このラベルだと、俺が買っていくのちょっと勇気いるな。日本酒なのに、どうしてりんごなの?って絶対聞かれるよな」ひいな「そこから会話を広げていくには、リンゴ酸を知らないといけないよね」テツヤ「協会77酵母がね、リンゴ酸をね……ってね」ひいな「秋田だし、りんごって思っちゃうよね」サマー「『もぎたて』って書いてるから果汁が入ってるって思っちゃいそうですね」ひいな「ラベルからイメージするのとは、ちょっと想定外の味だと思うからお楽しみに」
今回もキンキンに冷やしてワイングラスでいただきます!
では、みんなで乾杯!
りんごちゃんは、一体どんなお味ですか?
一同「乾杯!」テツヤ「ん?」サマー「ん?」ひいな「ねぇ、この酸って、乳酸っぽくない?」テツヤ「うん、乳酸な感じするね。名前、間違ってない(笑)?」ひいな「これ飲んだ時、ヨーグルトの水分(ホエイ)みたいな感じしたんだよね」サマー「あぁ、ヤクルトっぽさも感じるかも」テツヤ「乳酸菌飲料みたいなね」ひいな「さわやかな酸味のある香りがあって、味は乳酸感あるよね」テツヤ「このラベルからこの味は想像できなかったな」サマー「りんごを想像してました」テツヤ「こんなに匂わせしといてさ(笑)」ひいな「ギャップがあるよね。このお酒を選んだ理由がね、わりと食事に合いやすいんじゃないかなと思って。ずっと飲み続けられるリンゴ酸のあるお酒ってどんなんだろう?って思って、そしたらこれかなって。飲食店だとウケると思うな。この味とラベルのギャップがね“おじウケ”する感じっていうか(ライター注:“おじさんウケする”の略)」テツヤ「おじウケ? 何それ、初めて聞いたんだけど(笑)」ひいな「(笑)」テツヤ「確かに俺もすごい好きな味だよ。飲んでるとね、だんだんフレッシュ感を感じる」ひいな「あ、やっぱり、おじウケしてる」サマー「してます、してます(笑)」テツヤ「りんごの先入観があったけど、いい酸だよ」サマー「さわやかだから、グイグイいけちゃいますね」
「あざくら もぎたて りんごちゃん 無濾過生酒」に合わせるのは「まるごとカマンベールチーズのシャインマスカットジャムのせ」。
トースターで焼いたあと、胡椒と塩を振りかけて。
とろ〜り仕上がりました。
ひいな「まるごとカマンベールチーズです!」サマー「わぁ〜!!!」テツヤ「とろけてる〜!」サマー「おいしそう〜!」テツヤ「まるごとって、こりゃ贅沢だね」ひいな「1個1200円のカマンベールで、品川駅に入っているチーズ専門店〈フェルミエ〉で買いました。トースターでまるごと焼いて、シャインマスカットのジャムをつけていただきます」サマー「えぇ! 素敵!」テツヤ「そういえば前も、カマンベール食べたよな」ひいな「干し柿に入れたね」テツヤ「あれ、うまかったね」ひいな「シャインマスカットとモッツァレラチーズの組み合わせもやったね」テツヤ「そうそう。やっぱりチーズとフルーツは合うんだな。それにワインじゃなくて日本酒を合わせてるのが、新鮮だよね」ひいな「これはね、飲んで食べて、飲んで食べてって繰り返してほしい」
熱々チーズをいただきます!
テツヤ「まず、サマーさんからどうぞ!」サマー「飲んで食べて、ですね。う〜ん!おいしい!」ひいな「よかったぁ。最初、りんごを煮詰めたものと合わせてみようかなと思ったんだけど、いまいち合わなくて。シャインマスカットがいいかなと思ってジャムを探してみた」テツヤ「さっきのホエイとか乳酸みたいなの味だから、チーズと合うってことだよね」ひいな「そう、そこを合わせてみたよ」テツヤ「シャインマスカットのジャムなんてあるんだね」サマー「贅沢!」ひいな「はちみつでも合うと思うよ」テツヤ「こないだいただいたはちみつあったよな。マヌカハニー」サマー「わ、さらに贅沢!」
飲んで食べて、飲んで食べて。これはもう、エンドレス!
テツヤ「完全にワインだよね。この組み合わせと酸の感じは」ひいな「甘み足すとおいしいね。しょっぱ甘い感じ」テツヤ「この日本酒がさ、きれいに流してくれるね。だからもう一口ほしくなる」ひいな「チーズフォンデュに入れる白ワインみたいな感じかな。甘みが少ないお酒だから、はちみつとかジャムの甘さを欲するよね」
ナツ・サマーさんの曲をBGMに、長く飲めるさわやかなお酒は夏にぴったり!

ひいな「前に日本酒度の話したの覚えてる? マイナスになればなるほど辛口で……」テツヤ「え? 辛口になるんだっけ?」ひいな「あ、間違った。甘口だった」テツヤ「そうだろ?」ひいな「プラスになればなるほど辛口になるんだけど」テツヤ「すごい度数のやつあったよな。−70とか。(ライター注:第46回『ゆすらもも』です)」ひいな「1本目に紹介した『きのえねアップル』は−18度なの。これは+1度」テツヤ「+ってことは辛口なんだな」ひいな「日本酒の平均の酸度は1.6度っていわれてるんだけど、このお酒は2.5度もある」テツヤ「さっぱりとした辛口で、酸味が強めってことだな」サマー「ひいなちゃんに蔵の方のインタビューをしてみてほしいな。どうしてこのラベルなのかとか、『もぎたてりんごちゃん』の由来とかも聞いてほしい」テツヤ「秋田県に取材に行かないと!」ひいな「『阿櫻』ってお酒は、またタイプが違ってお燗がおいしいお酒を出してるの。いつか行ってみたいな」ひいな「サマーさんは、普段、どういうお酒を飲まれるんですか?」テツヤ「バイスサワーです」ひいな「ちょっと、勝手に答えないで(笑)」テツヤ「酸だから」サマー「そうですね。だいたいキンミヤでレモンサワーが多いですね(笑)」ひいな「ナツサマーさんまで(笑)」テツヤ「今日は音楽もかけてるから、このまま生中継してみんなに見てもらいたいいよね」ひいな「港町のご出身だから、やっぱり海に合う曲がお似合いなんですね」サマー「おしゃれな海じゃないですけど(笑)。漁船が行き交う海ですよ」テツヤ「それこそ、日本の海じゃない(笑)! サマーちゃんの曲と日本酒とチーズ。合うわ〜」サマー「おうちで聞いて、ぜひ残りの夏を楽しんでください!」ひいな「このお酒、アルコール度数が12度で低めだからいいよね。ゆったりお昼から飲むにも」テツヤ「あとはカマンベールチーズとジャムを用意してもらって。ナツ・サマーちゃんの曲があれば完成!」サマー「さっぱりしてるから、やっぱり夏に合いますね」ひいな「ぜひみなさんもお試しあれ!」
次回は9月6日(日)更新
【ひいなのつぶやき】飲むだけでさまざまな情景を想像できるすばらしい1本です! 冬の名物りんごを、夏にどうぞ!!ひいなインスタグラムでも日本酒情報を発信中

