東海道・山陽新幹線13年ぶりの新型新幹線車両「N700S」がデビュー。東京発博多行きの一番列車「のぞみ1号」発車にあわせ、出発式が開催されています。N700Sの特徴、従来のN700系(N700A)との違いについてもまとめました。

2年以上の走行試験期間を経て 東海道・山陽新幹線に「N700S」デビュー

 東海道・山陽新幹線に2020年7月1日(水)、13年ぶりのフルモデルチェンジ車両「N700S」がデビューしました。

 一番列車は、東京発午前6時ちょうどの博多行き「のぞみ1号」で、終点の博多へは10時52分に到着予定。どの列車が一番列車になるかは、密集を避けるため公表されていませんでした。

 N700Sの一番列車出発にあわせ、東京駅14番線では式典が開催され、JR東海の金子 慎社長は「安全性、安定性、快適性、環境性能、全ての面において最高の性能を有した『最高の新幹線』を自負しております。また線区の特性によって展開できるグローバルスタンダードの車両を目指しています」とあいさつ。そして花束贈呈、記念撮影ののち、定刻の6時ちょうど、N700Sの一番列車は警笛を響かせて出発しています。

 なお「N700S」の「S」は、「最高」を意味する「Supreme」が由来です。


東京駅で開催されたN700S出発式(2020年7月1日、恵 知仁撮影)。

 N700Sは、最初に製造された確認試験車で2018年3月から走行試験を開始。その成果を受けて製造された量産車で今回、営業運転を開始しました。

 従来のN700系(N700A)との外見における違いは、ロゴ、N700Sは運転台付近側面に青い線が追加されている、N700SはヘッドライトがLED、ヘッドライト部分にエッジが立っている(盛り上がっている)、といったものが挙げられます。

ここが進化!すぐ分かる新型新幹線「N700S」特徴まとめ どの列車がN700S?知る方法は

 新型新幹線「N700S」、おもな特徴は以下の通りです。

・全席にコンセントを用意。
・忘れ物防止のため停車駅が近づくと明るくなる荷棚。
・大型化され、より分かりやすくなった車内ディスプレイ。
・リクライニングにあわせて座面が動くことで、改良された座り心地。
・グリーン車など一部車両にフルアクティブ制振制御装置を搭載し、乗り心地を向上。
・防犯カメラの増設などで向上したセキュリティ。
・先頭形状の最適化(デュアルスプリームウイング形の採用)や、車両の軽量化などによるさらなる省エネの実現。
・700系やN700系の車体を荷棚に再利用。
・機器の小型化などにより、路線の状況に合わせて編成を柔軟に組める「標準車両」になった。
・バッテリーを搭載し、停電しても安全なところまで自走できる。


肘掛けにコンセントがあるN700S普通車の車内(2020年6月、恵 知仁撮影)。

 2020年7月1日(水)の営業運転開始時に投入されたN700S量産車の数は、新型コロナウイルスの影響で、予定より2編成少ない4編成。JR東海は、今年度中にそれを12編成にする予定です。

 なお、N700Sがどの列車で使用されるかは、東海道新幹線の運行情報を伝えるJR東海の公式Twitterで、運転前日に確認できます。