新R25では、これまで多くの著名人に取材してきました。

しかし一方で、「まだそこまで知られていない逸材」が、どこかにいるのではないか?という思いも常にあります。

そこで、さまざまなインフルエンサーに、“自分のまわりで、面白いと思う人”を推薦してもらうことに。

今回はどんな逸材が登場するのでしょうか?

圧倒的な自己プロデュース力の高さから、20代女性を中心にカリスマ的人気を誇るゆうこす(菅本裕子)さん。じつはSNSを軸としたサービスの運営や商品の企画開発を行う株式会社KOSを設立した経営者でもあります。

そんなゆうこすさんが今回推薦してくれたのが…KOS所属のインフルエンサーとして活動する、“ももち”こと牛江桃子さん。

ももちさんは、活動開始から約2年で総フォロー数40万人を超えるファッション特化型のインフルエンサーへと成長し、紹介した商品が即完売になる“ももち現象”を巻き起こすほどの人気とのこと。

“インフルエンサー”が星の数ほどいるなか、ももちさんはいったい何がすごいのか…?

ゆうこすさん直々にインタビュアーを務めていただき、ももちさんの魅力を引き出してもらいました。

ゆうこすのオーディションに応募してきたももち「狂ってんなと思った」

ゆうこすさん:
「逸メン」企画、堀江(貴文)さんの記事すごいバズってたけど、じつは私たちの出会いも堀江さんきっかけといっても過言ではないんだよね…

ももちさん:
え、そうなんですか?



ゆうこすさん:
3、4年前…講演会で自分なりの“インフルエンサーになるノウハウ”を伝えても、「それってゆうこすだからできるんでしょ?」「再現性がない」みたいなことを言われるようになって。

そんなとき、堀江さんに「お前はゆうこすを100人作れ」と言われて。そのひと押しでオーディション「やりたい事をやって生きたいの」(2018年)を開催したんだよね。

ももちさん:
そういう流れだったんだ…

ゆうこすさん:
書類選考に応募してくれた4000人のうちの1人がももちだったんだけど…まあ「狂ってんな」と思いましたよね

アピール文が長文すぎて。


「ホントなんだったの? あれ(笑)」

ももちさん:
我ながらやりすぎかなとは思ったんですけど…

まずはゆうこすさんの“脳”に私を残してもらわなきゃ、なんもならん」と思って…

ゆうこすさん:
脳って(笑)

でもまんまとどんな子か気になっちゃって、2次審査に通してみたら…

今度は400人のなかで一人だけ、企業向けの仕事でも通用しそうなガチのプレゼン資料を作ってきたよね


振れ幅がすごい

ゆうこすさん:
オーディションにプレゼン資料って、まあいないですよ。

一人だけ営業の人迷い込んだ?」みたいな感じで、1次審査とはべつの意味で狂ってんなと思った(笑)。

地下アイドルを諦めニートに…ももちの波瀾万丈な経歴

ももちさん:
でも私、本気で就活だと思って受けたんですよ。ここで合格できなかったらSNSの世界は諦めようってくらい、すべてを賭けてたので。

私、経歴がけっこう波瀾万丈で…「アイドル→ニート→工場バイト→アパレル店員」からの、「ももち」ですからね。


ストーリーが読めなすぎる…

ももちさん:
もともと、地元の高校を卒業後、「将来安定した生活を送るために」と大阪の医療系の専門学校に入って勉強してたんですけど…

好きでもないことを勉強して、自分は何をしてんだろう」と、1年生のときばっさり学校を辞めちゃって。

ゆうこすさん:
「これじゃない!」と。決断が早いよね。

ももちさん:
で、昔からアイドルに憧れていたので…

ネットで「アイドル 大阪 オーディション」って検索して一番上にできてたオーディションを受けたら、受かりまして


展開も早い

ももちさん:
ただまあなんだろ、あの…パワハラとかいろいろありまして(笑)

仕事中にサービスエリアに置いていかれたりとか。

ゆうこすさん:
それもう、パワハラですらなくない?

ももちさん:
そのあと結局アイドルは辞めてしまって…そこからは完全にニートでした。

ずっと貯金を切り崩して、家に引きこもって…でも当然すぐに貯金も尽きたので、工場でシール貼りのバイトをやって。

友達も彼氏もみんないなくなっちゃったし、裏では「桃子アイドルやめたらしいよ、あいつの人生マジゴミだよね」みたいなこと言われてました。



ゆうこすさん:
でも、そこからアパレルの仕事で相当のぼりつめていくんでしょ?

そこがすごいよなあ。

ももちさん:
そうですね。アイドル時代、ファンに「私服がダサい」と言われた悔しさがずっと心に残っててアパレルの会社を選んだんですけど…

言われた人たちを見返すために「結果を出しつづける人生にしなきゃいけない」って強く思うようになって。

「あいつのことあんなふうにいった自分がアホやったな」と思わせたい一心で、とにかく売上を伸ばして、店舗でも1番になったり、関西全体でもトップの売上をキープしたりしてました。



ももちさん:
そんななかで、お店の施策としてSNSを始めたんですけど、半年くらいで1万人くらいフォロワーさんが増えて…

私、そのときにはじめて、誰かから自分を肯定してもらったんですよ。



ももちさん:
それまでは罵声ばかりを浴びてたけど、はじめて私のことを認めてくれる人たちと出会えた。

救われたんですよね。SNSに。

それで、「SNSの世界で生きていきたい」って思ったときに…

ゆうこすさん:
ちょうどゆうこすが、SNSで頑張りたい人を募集してたと(笑)。

ももちさん:
もう、「え? ワシやん?」って思いました。


ワシって…でもホントにお二人、運命的なめぐりあわせだったんだな

ももちさん:
自分にやれること全部やらなかったら絶対後悔すると思って、ゆうこすさんの配信を見て傾向と対策を練ったりしながら、とにかく準備しまくりましたね。

1次審査と2次審査の間の2週間で断食して、めっちゃ痩せたりもしましたから!(笑)

ゆうこすさん:
いや〜…やっぱ狂ってんな〜〜(笑)。

でも、人を惹きつけるのってやっぱり、「何かに狂ってる人」なんだよね。

ゆうこすが考える、「推される人」の特徴

ゆうこすさん:
アピール文、プレゼン資料もそうだけど…ももちは「努力量」がマジで狂気じみてると思う。

今も「ブログ」「インスタライブ」「Instagram」「YouTube」…4つを駆使して、全部違う内容を発信してるけど、これってとんでもない作業量が必要じゃん。

一番異常なのが、インスタライブを“毎晩”続けてること。どうしてそんなに頑張れるの?

ももちさん:
私の場合、しんどさよりも「やらなきゃ後悔する」が勝つんですよね。



ももちさん:
ニート時代に、アイドルとしてもう少し踏ん張れたらもっと幸せな人生になってたんじゃないかって思ってしまって…そのときの後悔を消したくて今もやってるところがあるんですよ。

だからもう、「なんであのとき頑張れなかったんだろう」って後から思いたくないんです。自分に負けたくない。

ゆうこすさん:
「めちゃくちゃキツイと思うけど、3カ月毎日生配信やってみよう」って提案したときは正直絶対無理だと思ってたんだけど、ももちはすげえ負けん気強いから当たり前のように半年以上やっちゃうもんね。

そこまで狂気的に頑張れる人って、まわりの人が着いていけなくなっちゃうことが多いんだけど…

ももちは狂気的に努力するプラス、「手伝えるポイント」を自分から見せにいくんだよね。これ、「推され人」の特徴だと思うんだよな〜。


推され人(おされびと)…?

ゆうこすさん:
私、まわりから推される人って「狂気と“手伝えるポイント”」が同居してる人だと思うんですよ。

やっぱり、「狂気」だけだと見てる側は距離を感じちゃうんだよね。すごすぎて、仲間として入り込む余地がないというか。

でもももちは、めっちゃ頑張ったうえで、「ここ助けてほしいです!」って手伝える余白を自分から見せに行くじゃん?

ももちさん:
たしかに、YouTubeでどんな企画をやればいいか毎週インスタライブでフォロワーさんに意見をもらう「YouTube企画会議」とかは、まさに「助けてください!」ですね(笑)。

私、「フォロワーさんと一緒に『ももち』を育ててる」というスタンスを大切にしたい気持ちがすごくあって。

そのためにも、「今、どこを助けてほしいのか」をわかりやすくしておくことはすごく大事だと思ってます。

ゆうこすさん:
やっぱり、圧倒的な魅力があるうえで、“片足突っ込める場所”がある人が推され人になるよね。

応援したくなったとき、「何を手伝えばいいかすぐわかる」ってとにかく大事で。

でも、「助けてください」って言える人、ホントにいないんだよな…

ももちさん:
努力してる姿とか自分の弱みを見せることをダサいっていう人もいますけど…私は、「わざわざそういう自分を隠すほうがダサい」と思ってしまうんですよね。

私自身、やっぱり人が努力する姿を見て「自分も頑張ろう」って力をもらってるし、私もファンの方々にそう感じてもらえたらなと思ってるので。

むしろ、努力を見せないとか無理かも…(笑)

先輩ゆうこすからももちへ。「これからすべきこと」

ゆうこすさん:
ももちの努力量は本当にすごいなと思うんだけど…

そろそろ「抜く」作業を始めないと、どこかで必ず折れるときがくると思うのね。



ゆうこすさん:
ももちは今ガムシャラに頑張りたい時期だと思うけど、毎日飽きられないようにコンテンツを用意しつづけるって、ホントは精神的にも身体的にもすごい負担がかかってると思うんですよ。

この先自分のステージが上がっていったとき、必ず今と同じことを継続できなくなる「頭打ち」が来る。

ももちさん:
でも、せっかく全力でがんばってる姿を見て応援してくださってる方がいるなかで、今その姿勢を止めてしまうのは違うんじゃないかな…とも思っちゃうんですよね。

ゆうこすさん:
気持ちはわかるよ(笑)。熱量がありすぎるからこそ、抜くのが怖いんだよね。「今のやり方で順調に登れてるのに」って。

でも、私も22歳のときに毎日YouTube一色になって、アウトプットするだけで何かをインプットする時間もまったく取れなくなっちゃって。

このままじゃ絶対今の自分より大きくなれないって気づいて、「抜く」決心をしたの。


完全に上司の表情になっているゆうこすさん

ゆうこすさん:
今って「個の時代」とか言われてるけど…私は“個”が生き残るためにも、「チームで戦う」がかっこいいと思われる時代を作っていかなくちゃいけないと思ってる。

だからこそ私も、動画編集者、デザイナー、チーフマネージャーみたいに“個”を支え合うチーム体制でやっていて。

ももちの次のフェーズは、人に仕事を振って、生まれた時間で新しい挑戦をしていくこと。これはとても難しいんだけど、一緒に探っていこうね! 1人で頑張るのもかっこいいけど、孤独がね、一番人を殺すのでね。

ももちさん:
たしかに、自分が大きくなって抜く必要が迫ったときに、急に「さあ仕事量を減らそう」なんて絶対思えないと思うので…

そのときにチームで戦えるように、今から少しずつ抜く準備をしていこうと思います!


まさに「師弟関係」という言葉がしっくりくるような、素敵なコンビでした。ありがとうございました!

“推され人(おされびと)”とは、「狂気と手伝えるポイント」をセットで持っている人。

思えば、これまで登場した逸メンのみなさんも、「非の打ちどころのないすごい人」というより、「すさまじい熱量も持ちながらも、手伝いたい“スキ”がある人」だったかもと、ももちさんを見ていてストンと腑に落ちました。

過去の自分と戦う狂気的なストイックさと、自分をさらけ出す裏表のなさを武器に、今後さらに大きなインフルエンサーを目指すももちさんのストーリー。みなさんもぜひチェックしてみてください!

〈取材・文=サノトモキ(@mlby_sns)/編集=天野俊吉(@amanop)/撮影=中澤真央(@_maonakazawa)〉