2024年度も約1か月が過ぎ、新しく仲間に加わった新入社員は新生活に慣れてきたころだろう。彼らが小中学生のころには、スマートフォンが当たり前で、LINEを使ってコミュニケーションをしていた人も多い。その影響もあってか「最近の若者はパソコンを使えない」という声を耳にすることがあるが、実際のところはどうなのだろうか。

【写真】大学生に聞いた「ブラインドタッチの習熟度調査」全くできない人は意外に多い?少ない?

マンガ形式のDX人材育成サービス「MENTER」を提供するWHITE株式会社が2023年11月22日に公開したアンケート結果をもとに、若者のパソコン事情について見ていこう。

大学生519名を対象にPCの保有状況を尋ねた結果、ノートPCを保有していると答えた割合は83.0%、デスクトップPCを保有していると答えた割合は12.7%だった。総務省が公開している情報通信白書(令和5年版)の第4章第11節「1.情報通信機器の世帯保有率の推移」によると、パソコンの世帯保有率は2013年の81.7%をピークに、その後は減少し、2019年~2022年には約70%前後となっている。

この数字を比較すると、決して大学生がパソコン離れをしているとは思えない。むしろ、一般家庭よりも大学生のほうがパソコンを保有していることがわかる。

パソコンを持っている割合は高いのに「最近の若者はパソコンを使えない」という声があがるのはなぜなのだろうか。この謎を紐解く鍵は、アンケート結果にあるブラインドタッチ(キーボードを見ないで文字入力をする技術)の習熟度についての質問にあった。

質問の回答として、ブラインドタッチが「できる」「まあまあできる」と答えた若者が約5割である一方、全くできないと答えた人が12.7%という結果だった。また回答者の3割以上が、マウスを使ったことがない、もしくはほとんど使ったことがないと答えている。

職場でパソコンを使用する場合には、ブラインドタッチで入力したり、マウスを使用することが多い。そこにブラインドタッチができなかったり、マウスの使い方がわからないという新入社員がいたら先輩社員から「パソコンが使えないな」と判断されてしまうかもしれない。

また、職場での文書作成などでよく使用するソフトウェアは、マイクロソフトのWordExcel、Powerpointだろう。約4割の学生がこれらのソフトについて「あまりできない」「全くできない」と答えている。つまり、昨今の大学生が就職した際には、まずこれらのソフトの使い方から教えることもあるのだろう。

その一方で、コロナ禍で在宅学習する機会が多かったことからZoomやmeetなどの「Web会議システム」については、約7割の学生が「できる」「まあまあできる」と答えている。若者のパソコン保有率の高さの理由のひとつが、ここにあるのかもしれない。

義務教育でプログラミングが導入され、学生のPCスキルはかなり向上しているはずだ。しかし、ビジネスシーンで使用する一般的なソフトを用いた資料作成方法などの教育は別途必要なのかもしれない。