竹前美結容疑者(TikTokより)

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 第1回【【栃木強盗殺人】“被害女性(69)をメッタ刺し”“飼い犬を殺害”でも「16歳の実行犯」に少年法の壁…「警察や検察は少年の供述を鵜呑みにはしない」との指摘も】からの続き──。栃木県上三川町の住宅で5月14日、16歳の少年4人が1階の窓を割って侵入。室内にいた69歳の女性の胸などをめった刺しにして殺害した。この少年たちに強盗を行うよう命令したとして、栃木県警は横浜市港北区の無職・竹前海斗と、その妻である美結の両容疑者を強盗殺人容疑で逮捕した。(全2回の第2回)

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 当然ながら夫婦に対する世論の関心も高い。担当記者が言う。

竹前美結容疑者(TikTokより)

「夫の海斗容疑者は10代の頃の写真や、『ジャニーズのオーディションを受けた』という知人の証言が報じられ、その“イケメン”ぶりに注目が集まっています。一方の美結容疑者はSNSの投稿が話題です。美容整形を受けたことを『自分に自信がついた』と率直に語っているほか、K-POPを口ずさみ、ダンスを踊り、生後7カ月の長女を可愛がる姿も投稿しています。美結容疑者は犯行当日にも自身の動画をSNSにアップしています。一体、どういう精神構造の持ち主なのかと首を傾げざるを得ません」

 これまでの捜査で、夫の海斗容疑者が闇バイトに応募。その後、面識のあった少年に実行役を集めさせたことが分かっている。

 さらに移動に使うための高級外車やバールなどの凶器は夫婦が準備。そして美結容疑者がダンス動画を投稿した5月14日、夫婦は生後7カ月の長女と共に栃木県内に移動したという。

共謀共同正犯

 夫婦は少年たちと落ち合って強盗の手順を確認したほか、事件現場から離れた場所からスマートフォンを使い、少年たちに指示を出していたとされる。

 刑法第240条によると強盗が人を殺した場合、刑罰は「死刑または無期拘禁刑」の2つしかない。竹前夫婦が「私たちは指示を出していただけであり、実際に強盗殺人に手を染めたわけではありません」と反論しても、強盗殺人の罪に問われる可能性は高いという。

 元東京地検特捜部副部長で弁護士の若狭勝氏は「刑法第60条は『共謀共同正犯』を定めています」と言う。

「2人以上のグループが犯罪を計画し、グループの一部が犯行に手を染めたとします。計画だけしか加担していない犯人がいたとしても、共謀共同正犯が成立すればグループの全員に同じ刑を科すことができます。確かに竹前海斗と美結の両容疑者は実際に民家に押し入り、被害者を殺害したわけではありません。ただし強盗を計画し、準備を進め、当日はスマホで指示を出したとされています。共謀共同正犯が認められる可能性があり、夫婦に死刑や無期拘禁刑の判決が出ても不思議ではないのです」

 しかしながら、減刑の可能性もないとは言えないという。ポイントは被害者の人数と、夫婦の上に「さらなる指示役」がいたかどうかだ。

永山基準

「1983年に最高裁が死刑判決を下す場合の量刑判断基準を示し、これを『永山基準』と呼びます。基準は全部で9項目あり、その中の1つが『殺害された被害者の数』です。この基準を元に判例が積み重なり、『被害者が3人以上なら死刑』という量刑相場が形成されていきました。もちろん被害者が1人でも死刑判決が下された判例は存在します。しかし現在の刑事裁判でも永山基準が参考にされることは珍しくありません。さらに竹前夫婦の上に指示役が存在し、夫婦も指示に従わざるを得なかったことが立証されれば、情状酌量の対象になるでしょう。しかし私個人の意見としては、これほどの凶悪事件です。入念な捜査で真相を解明し、検察は無期拘禁刑を求刑。裁判所も無期拘禁刑の判決を下すべきだと現時点では考えています」

 今回の強盗殺人事件では、実行犯の少年4人の残虐性にも批判が集中している。特に被害者の愛犬も殺害したことが判明すると、XなどのSNSでは非難が殺到した。

 それでは少年4人にはどんな判決が下る可能性があるのか。第1回【【栃木強盗殺人】“被害女性(69)をメッタ刺し”“飼い犬を殺害”でも「16歳の実行犯」に少年法の壁…「警察や検察は少年の供述を鵜呑みにはしない」との指摘も】では、若狭弁護士の徹底解説を詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部