一刀両断された開幕前の「過小評価」! 村上宗隆は過去3年324敗の“弱小球団”の何を変えたのか「オオタニのような“本物の大金”を払うべきだ」

開幕から本塁打を量産している村上(C)Getty Images
日本で三冠王となった怪物は、野球の本場でも異彩を放っている。ホワイトソックスとの2年総額3400万ドル(約53億円)契約の1年目を謳歌する村上宗隆だ。
「言葉で説明するより結果で残していきたい」
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入団会見で、そう語った姿が思い出される。当時の村上はNPBでの過去2シーズンにおける空振り率(36%)の高さから打撃における確実性を懸念され、市場価値が低迷。争奪戦から離脱する球団も出るほど評価が落ち込んでいた。
開幕前には「98マイル以上のボールは打てない」、さらには「成功はしない」と見切られもした26歳だが、果たして結果は周囲の下馬評を覆す暴れっぷりである。打率は.235、さらに課題だった空振り率も44.1と劇的に改善されたわけではない。しかし、「三振だけを“問題だ”と切り取ってしまうと、他の良い部分を見逃してしまう」(クリス・ゲッツGM談)という球団の“理解”もあって、自慢のパワー系スタッツは向上。17本塁打(ア・リーグ1位)、長打率.567(同6位)、OPS.943(同5位)、ハードヒット率62.4(MLB1位)と軒並み好成績を叩き出している。
まさに「結果」で証明している村上に対する米球界内の評価は一変。いまや市場価値すらも急騰の一途を辿っている。米スポーツ専門局『ESPN』の記者であった、スポーツジャーナリストのジェイ・マリオッティ氏は「日本からやってきた強打者は、本来なら7桁の年俸に値する」と関係者たちによる過小評価を一刀両断。過去3シーズンで324敗も喫した“弱小球団”が村上の登場によってどのような変貌を遂げているかを訴えている。
「ムラカミは、その個性でもって、内部がバラバラで、崩壊寸前だった(もしかすると崩壊していた)チームをまとめ上げ、いまだ過去の栄光を完全に忘れ去られてはいないホワイトソックスファンたちの心も掴んだ。球団は間違いなく彼を必要としている。オファー額は7500万ドル(約119億2170万円)前後になるだろう。他球団も彼が40本以上のホームランを打った時には、今の2倍、いや3倍の金額を提示するはずだ」
ファンをも結束させ、大きなうねりを生んでいる村上。当然ながらFAとなる2年後の契約の行く末も注目される。資金力に恵まれていないホワイトソックスは、過去に1億ドル以上の契約金を支払ったことがなく、今回も予想されるオファー規模の高騰化はネックとなる。
そうした現状を「ムラカミほどの貢献者には、ショウヘイ・オオタニやヨシノブ・ヤマモトのような、2億ドルを超えるかもしれない水準の“本物の大金”を支払うべきだ」と指摘するマリオッティ氏は、こう論じている。
「結局のところ、ジェリー・ラインズドルフ(オーナー)は、野球選手に大金を払う気がない。そうなると、スタンドからの歓声や声援は、いつしか『あいつに金を払え』という憎しみのこもった懇願の声に取って代わられることになるだろう」
大衆がその名を口にし、球界で尽きない娯楽を生んでいる。まさに「村上フィーバー」がメジャーリーグを包み込もうとしている。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
