楽天モバイル、JAXA宇宙戦略基金に採択 「次世代衛星通信AI」で地上ネットワークとの統合運用へ
楽天モバイル株式会社は2026年2月16日、JAXA(宇宙航空研究開発機構)が宇宙戦略基金事業として公募した技術開発テーマ「衛星通信と地上ネットワークの統合運用の実現に向けた周波数共用技術等の開発・実証」に、同社の提案が採択されたことを発表しました。連携機関として国立大学法人東京大学 大学院工学系研究科 中尾研究室が参画しています。
AIが電波干渉を防ぎ、衛星と地上をシームレスに統合
今回採択された研究開発の核となるのは、AIにより衛星通信を管理・制御する機能「次世代衛星通信AI」です。
低軌道衛星と市販のスマートフォンが直接接続する通信方式(衛星ダイレクト通信)では、地上ネットワークと同一の周波数帯を共用する場合が多く、通信状況に応じた干渉調整が不可欠となります。特に音声通話やビデオ通話においては、低軌道衛星の高速移動に伴うドップラーシフト(電波の周波数変化)や伝搬遅延の影響が大きく、高度な補正処理が求められます。

本研究開発では、衛星通信と地上ネットワークの基地局設備から取得したエリアカバレッジ情報をもとに、AIが衛星通信の自動的な停波・起動を制御するアプリケーションを開発。さらに、干渉調整や周波数変更、トラフィック収容の最適化といった制御もAIが担うことで、災害時やユーザーの移動によるハンドオーバー発生時にも、最適な通信環境を確保するネットワーク統合運用技術の確立を目指します。
圏外のない世界へ
楽天モバイルは、米国AST SpaceMobileへの出資を通じて低軌道衛星による衛星ダイレクト通信の実用化に取り組んでおり、2026年度中に「Rakuten最強衛星サービス」の提供開始を予定しています。
AST SpaceMobileが開発した大型アンテナを持つ通信衛星「BlueBird」は、2024年9月に打ち上げられた第1世代の5機(BlueBird 1〜5)に加え、2025年12月には次世代機「BlueBird 6」がインドからの打ち上げに成功。現在計6機が軌道上で運用されています。さらに、「BlueBird 7」も2026年2月下旬にBlue Originの大型ロケット「New Glenn」の3号機(New Glenn-3)での打ち上げが予定されており、コンステレーション構築のペースは加速しています。
文・編集/sorae編集部
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