この記事をまとめると

■日本の道路の大半は施工が簡便なアスファルト舗装だ

■欧米では耐久性に優れるコンクリート舗装が主流となっている

■トータルコストは大きく変わらず気候や歴史背景によって国ごとにも主流の舗装が異なる

特性が異なるふたつの舗装

 舗装路とひとことでいっても、舗装に使う材料によって違いがある。日本の道路の9割以上がアスファルト舗装だ。アスファルトは、原油から精製されるなかでもっとも重い素材(炭化水素)である。常温以下では固体で熱すると液体になる。色は黒。舗装したてのアスファルト舗装の道路は黒々と見える。ただ、時間が経つと灰色っぽくなってくる。

 アスファルトを使って舗装するには、地盤の上にまず砕石などを敷いて基礎をつくり、その上へ、砂利や砂などを混ぜたアスファルトを積層していく。

 アスファルト舗装のよいところは、作業時間が短く、道路を使用中の補修も手軽にできることにある。施工の費用はコンクリート舗装のおよそ半分といわれる。

 一方、猛暑や酷暑のような高温の気象が続いたり、大型車など重い車両が頻繁に利用したりする道路では、轍などができやすく部分的に舗装がはがれるなど、耐久性で劣る。それでも補修を簡単にできるから、国内ではアスファルト舗装が広がったといえる。

 ちなみに、その手軽さからかつてアスファルト舗装は簡易舗装と呼ばれていた。

コンクリート舗装は手間がかかるも頑丈

 それに対してコンクリート舗装は手間がかかる。コンクリートとは、石灰石をおもな原料とするセメントに砂利と水を増せた材料だ。特徴は頑丈で耐久性が高いことにある。

 建築において鉄筋コンクリートが使われるが、鉄筋は曲げや伸びに強く、コンクリートは圧縮に強い。それらを組み合わせることで丈夫な建物をつくることができる。コンクリートが圧縮に強いということは、重い大型車が頻繁に通行する道路では破損しにくく長もちすることになる。

 しかしながら、舗装してから車がとおれるようになるまでの作業に2週間ほどかかるといわれ、アスファルト舗装の簡便さにくらべると圧倒的に手間がかかるのでそのぶん費用が高くなる。

 それでも欧米などでコンクリート舗装が多いのは、昔から石づくりの建物が多く町の構造物が長もちするから、道路も長もちする方法で舗装されてきたのだろう。100年以上の都市計画のなかで建物や道路が考えられていくことにもつながる。

 日本は第二次世界大戦前までは多くが木造住宅で、古くは江戸時代から火災によって一瞬にして燃え尽きてしまうことを経験してきた。また、地震や津波といった自然災害も多かった。したがって、焼け出された地域に素早く家を建てて道路を復旧することが優先されるため、アスファルト舗装のほうが都合がよかったといえるだろう。

 経費の面では、アスファルト舗装は敷設する段階は安く上がるが、その後の保守管理に継続的な予算を必要とする。一方のコンクリート舗装は、敷設のときには多くの費用を必要とするが、耐用年数が10年ほどとされるアスファルト舗装に比べ長もちするので保守管理費用が安く済む。

 道路の一生という視点に立てば、最終的にどちらも同様の経費になるのではないか。