95%の人は正しくさせていない!目薬は「1滴で十分」「パチパチ瞬きはNG」

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目薬をさすと、瞬きパチパチしちゃわない? 2〜3滴さしたりしてない? これは、目薬のさし方としてはNG。意外に知らない、緑内障を防ぐ生活習慣を身につけて!

【1】目薬は毎回1滴、さした後のパチパチはNG

目を守る基本として、気をつけたいのが、目薬のさし方。「さすのは毎回1滴。それ以上さしてもあふれてしまい、目の周りがただれたりする一因に」(平松先生・以下同)。またさしてすぐにパチパチ瞬きするのは、涙が余分に出て、目薬の成分が薄まってしまうのでNGだ。

【2】お風呂はぬるま湯38度で

「お風呂の温度は38度前後のぬるめがおすすめ。熱いお湯につかると、ストレスホルモンが出て、眼圧を上げるきっかけになります」。また脱水を防ぐために入浴前に水を飲むことが推奨されているが、入浴直前の一気飲みは眼圧を上げる((3)参照)ためさけること。

【3】水分を一気飲みしない

「一気に水分をとると、眼球内の水分量が増え、眼圧が上がります」。実際、5分間で1リットルの水を飲むと、6〜7mmHg程度、眼圧が上がったというデータも。「水分は500mlを1〜3時間かけて飲むのがおすすめ。一気飲みはコップ1杯程度にとどめてください」

【4】うつむいてスマホを見ない

スマホとの付き合い方も眼圧を上げないためには重要なポイント。「近くでものを見ると眼圧が上がります。つねに30センチくらい離して見ましょう。またうつむいてスマホを見ると、頸動脈が圧迫され、眼球への血流が滞るため、視神経のダメージも心配されます」

【5】うつぶせ寝はしない

「うつぶせに寝ると、枕で眼球が圧迫されるうえ、重力のせいで、眼球内を満たしている水分(房水)の出口が狭くなり、その流れが悪くなるため、眼圧が上がります」。横向き寝も下になったほうの目が同じ理由で圧迫されるので、同じ寝相はなるべく続けないこと。

【6】トイレでいきみすぎない

「重い荷物を持ったり、息を止めての筋トレのように、歯を食いしばってやる行為は一瞬でも眼圧を上げることがわかっています」。同じように、トイレでいきむのも眼圧を上げる原因に。「いきむときは、息を吐きながらを心掛けると、目への負担が軽くなります」

【7】コーヒーは1日3杯以内

「コーヒー好きの人にはつらいかもしれませんがコーヒーは1日3杯まで。その理由はカフェインです」。カフェインは長期的な眼圧の上昇につながるという多くの研究結果が出ているとか。「お茶はカフェインがあまりふくまれていないものなら問題ありません」

「日本人の緑内障は年々増加していて、40代以上で20人に1人、70代以上では10人に1人がなるとされています」

■顔を下向きにすることや、全身でいきむ行為、重いものを持ったりするのも眼圧を上げる

こう話すのは、緑内障に詳しい二本松眼科病院副院長の平松類先生。緑内障とはなんらかの原因で視神経が傷んで視野が部分的に欠けていく目の病気。そのまま放置すると、失明することもある恐ろしい病いだ。

「緑内障になる大きな原因は眼圧の上昇です。眼圧とは、眼球の内部にある水分(房水)の圧力のこと。この圧力で目は球体を保っているのです。

この眼圧が上昇すると視神経が圧迫されて傷つき、視野が欠ける原因になるんです」(以下、コメントは平松先生)

人は日常生活でつねに両目でものを見ている。このため、片方の目の一部が見えにくくなっても、なかなか気がつかないことが多いことから、緑内障は早期発見がむずかしいという。

「近眼や老眼で眼鏡を作るときに、眼鏡店で度数を合わせてしまいがちですが、このとき、最寄りの眼科で視力検査をしてもらい、ついでに眼圧の検査も受けるのがもっともおすすめです」

今回、専門医の平松先生から教わったのが、上に紹介した「緑内障を発症しないための生活習慣7カ条」だ。

「じつは日本人の95%の人が正しく目薬をさせていません。

目薬の量は1回1滴だけ。それ以上さすと目からあふれて、目の周りがただれたりする原因に。またさしてすぐに、パチパチ瞬きすると涙が出るため、クスリの成分が薄まってしまうのでNGですよ」

「このほか、日常生活で気をつけてほしいのが、スマホを見たり、うつぶせ寝をするなど顔を下向きにすることや、全身でいきむ行為。上には紹介していませんが、重いものを持ったり、逆立ちするのも眼圧を上げてしまうのでなるべくさけたほうがよいと思います」

もちろん緑内障と診断されたら、医療機関での治療が最優先だが、ならないための工夫として、ぜひ上の7カ条を参考にしてね。