その後は一緒に忍び込む。一人で忍び込んでいた時とは違い、手をつないでいる。もう一人ではない。

それからというもの、くノ一は四六時中、彼氏忍者のことしか考えられなくなってしまった。そしてふと、彼氏とは平日働く会社が同じことに気がつく。互いに正体を隠していたので今までわからなかったのだ。

一般の会社で働く忍者は一人ではない。何人もいる場合がある。上の写真の男性が彼氏忍者だ。そこで会社で思い切って正体をばらすことにした。忍びが姿をばらすのは御法度。しかし愛がそうさせたのだ。

最後に忍者らしいポースをとる。「ニンニン」と一般的に認知されているこのポーズだが、これは忍者界の「愛してる」のサインである。テールランプ5回で「ア・イ・シ・テ・ル」みたいなことだ。


これで彼氏忍者とはいつでも一緒。手作りお菓子のプレゼントだってする。普段は作らないお菓子をパソコンで調べて作る。忍者なので作っているのは忍者食だ。次の材料を混ぜ合わせるのだが、ものすごい手間だ。作っていて途中で後悔した。

しかしこれも彼氏忍者のためだ。ただ一つ、「材料を捏ねた後は3年乾かすこと」と忍術書には書いてあったが、そこは無視した。


完成。これが忍者界の人気メニュー「飢渇丸」。手裏剣で盛り付ける。
飢渇丸は「1日3粒飲めば心力衰えることなし」と言われ、忍者が敵陣の中に潜入する際などに食し、飢えを凌いだとされる携帯食糧だ。さて、味はどうだろう。



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栄養満点だが、ものすごくマズイ。テヘである。


恋のライバルも出現する。彼氏忍者はイケメンでありライバルも多いのだ。

そんな時はくノ一としてのスキルが生きる。彼氏忍者と恋のライバルの様子を常に見張るのだ。


くノ一は誰にも見つかることなく隠れることができる。たとえ彼氏が忍者でも完璧に隠れて、盗み聞きをするのだ。敵にまわしても、彼女にしても怖いのがくノ一だ。


この恋のライバルが同じようにくノ一だったりもする。同じ会社にいる忍者は一人とも限らないし、二人とも限らない。何人もいる可能性だってあるのだ。

もちろんオフィス以外でも、彼氏忍者とライバルくノ一を見張る。
「今度家に遊びにきてよ。私の方が美味しい飢渇丸を作ってあげる♪」
「えー?どうしようかな」

このままでは彼氏忍者が取られてしまう。
そんな時、くノ一はどうするのか。とても簡単な方法で彼氏忍者を取り戻すのだ。