17日、ヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメント1回戦が終了し、チャンピオンズリーグ(CL)と合わせて8強が出揃った。パリ・サンジェルマンが敗れたことにより、CLで敗退したリヨン、マルセイユとともに、今季の欧州の舞台からフランス勢がすべて姿を消した。

 昨年はCLベスト8にリヨンとボルドーが勝ち残り、フランス勢同士の対決を制したリヨンが4強入りの快挙を成し遂げたのに比べるとさみしい結果。FIFAの国別ランキングでも、日本を下回る18位に甘んじているフランスだけに、サッカー界全体のもうひとつの危機、ととらえられている。サッカー専門サイト「クロノフット」が報じた。

 欧州の主要リーグについては、イングランド、スペイン、ドイツ、イタリアを合わせて「4大リーグ」などと呼ぶのが一般的だが、「5大リーグ」という場合には、フランスも含まれることになる。UEFAの国別ランキング(FIFAの代表チームランキングとは別の、CLおよびEL におけるクラブの成績を数値にしたもの)では上記の4カ国に次ぐ5位を守っているからだ。これによってCLの出場枠が3チーム(グループリーグ2、プレーオフ1)に与えられている。

 しかし実際は、フランス勢は6位のポルトガルや9位のオランダのクラブに苦杯を喫している。UEFAランキング上位10カ国で、今季のCLとELのベスト8に残らなかったのは、フランスのほかは10位のトルコのみ。ポルトガル勢はELの8強に3チームが残っている。フランスが今季、10.75ポイントの獲得にとどまったのに対し、ポルトガルが現時点で14.4ポイント、まだまだ伸ばしそうな勢いだ。

 CLの出場枠は過去5年間の累積ポイントで決められるために、現時点ではまだポルトガルに抜かれるところまでは行っていない。また仮にポルトガルに5位を譲っても、グループリーグに直接2チームが出場できることに変わりはない。しかし7位のロシア、8位のウクライナが躍進していることを考えると、うかうかできない現状だ。ちなみに最近では、イタリアがドイツに抜かれ、来季からのCL出場枠をひとつ失った。

 フランスリーグの“新盟主”を自認するリヨンのオラス会長は、CLベスト16でレアル・マドリーに完敗した後の会見で、「クラブの経済規模の違い」を敗因のひとつとして痛感したと語っており、新スタジアムの建設とともにクラブの欧州規模での発展を高め、フランスをリードしていく決意を明らかにしている。