「赤ちゃんが昼寝中。宅配便はチャイム鳴らさず電話を」ステッカーに半数以上が賛成の真意。マナー巡る問題の争点
最近SNSで話題になったのが、宅配便についてのある投稿。「私は宅配便の配達業をしていますが、”赤ちゃんが寝ているので玄関チャイムは鳴らさず電話して下さい”というステッカー、正直迷惑です」。これに対する反応は「置き配にすればいいのに」「配慮を求めすぎ!」といった批判が大多数を占めましたが、本当にそう感じている人のほうが多いのでしょうか。
【漫画】「救われる…」1万いいねを獲得した「子どもが大爆笑した話」の意外すぎる結末
2人に1人が賛成…やはり「子持ち様」は非常識?
実際に赤ちゃんを育てているママ・パパは、連日の夜泣き対応で家事も進まず、やっと赤ちゃんが眠った瞬間の「ピンポン」をどのように感じているのでしょう。
そもそも、赤ちゃんには生まれつきの気質があり、よく寝る子、眠りが浅くすぐ起きて泣く子など、かなり個人差があります。
寝ないタイプの赤ちゃんが「やっと寝てくれた…」と、たまった家事を進めたり一瞬でいいから眠りたいと思ったりした瞬間にチャイムが鳴り、起きてグズりだしたらつらい…そんな気持ち自体は、誰しも理解できると思います。
そこで、全国の0歳~1歳半までのお子さんを育てている200人のママ・パパを対象にアンケートを実施したところ、驚きの事実が見えてきました。
まずは「チャイムは鳴らさず電話をかけて下さい」と配達員さんに頼むことに賛成か反対か、赤ちゃんのいる保護者に聞いてみたところ
賛成:36人(18%) どちらかといえば賛成:76人(38%) どちらでもない/わからない/関心がない:40人(20%) どちらかというと反対:44人(22%) 反対:4人(2%)の結果。SNSではほぼ全員のコメントが反対意見だったのに対し、赤ちゃんのいる家庭では「賛成」「どちらかというと賛成」あわせて56%と半数以上を占めていたのです。
たしかに置き配には盗難のリスクもありますし、地域によってはステーション受け取りなどが難しいかもしれません。しかし、みんなが電話連絡を指定してしまうと、配達する側の電話代の負担もかさみ、時間も手間もかかってしまうことが予想されます。
赤ちゃんのいる家庭の半数以上がこのような、いわゆる「特別扱い」を求めているのでしょうか?
子育て世代の「自宅でしている対策」のリアルは
上記の回答だけを見ると「子どもを理由になんでも配慮してもらえると思ったら大間違い」「やっぱり今どきの親はワガママだ」という感想を持つ方もいるかもしれません。
しかし、次の「ご自宅で赤ちゃんが昼寝しているときはどのように配達してもらいますか?」という質問の回答は、それとは真逆の内容でした。
置き配にしてもらう(事前指定・貼り紙・住所に書き加えるなど):136人(68%) 宅配ボックスを自宅に設置している:48人(24%) マンションに宅配ボックスがついている:36人(18%) 営業所・コンビニ・宅配ステーション受け取り:28人(14%) スマホやスマートウォッチ連動タイプのインターホンを使っている:8人(4%) 困るシーンはあるが、特に対策していない(ああ起きちゃったと思うだけ):36人(18%)(※複数選択可のため、合計は100%を超えています)
「置き配」68%、「宅配ボックス」42%、「受け取りに行く」が14%と、ほとんどが置き配などの手段をとっていて、実際に「電話で知らせてもらう」人はゼロだったのです。
つまり、半数以上が「ステッカーに賛成」といっても、あくまでも「同じ立場だから大変な気持ちはよくわかる」というだけで、実際は回答者のほぼ全員が別の方法を選んでいたのです。
しかも賛成した人のうち8割以上が「電話してもらったら必ず出る・または必ず折り返すなら許容範囲」と条件付きの賛成であり、いくら子育て中とはいえども、一方的な配慮を求めている人はほとんどいない様子です。
必要なのは「ルール作り」と「思いやり」
近年アプリやツールが発達し、配達の受け取り方法も、さまざまな方法が選べるようになりました。
しかし「電話で知らせてください」といったイレギュラーな依頼については「業務委託の配達員さんに判断を任せず、業界全体でルールを決めるべきでは」(岡山県・20代・女性)といった意見や、「電話で知らせてくれるのは本来嬉しいサービスなので、有料オプションにしてくれればいい」(神奈川県・男性・30代)などの意見もあり、個別に「電話は迷惑」「いや配慮してほしい」と言い合うよりも、明確なルールを整備するのもひとつの方法といえます。
最後に、今回のアンケートでは「忙しい配達員さんにこれ以上負担をかけては申し訳ない」といった思いやりの声がもっとも多く寄せられました。
そのいっぽうでこんな体験談も。
「うちの子は神経質でミルクをあまり飲まず、体重が増えなくて悩んでいました。珍しく集中して飲んでるなと思ったらチャイムが連続で鳴り、気が散って飲まなくなってしまって。落ち込みました」(広島県・女性・35歳)
「一時期ギャン泣きが1時間近く止まらない時期があって。当時はご近所にも非常に気を使っていたので、やっと寝た瞬間にピンポーンと鳴ったときは心臓が止まりそうでした」(愛知県・女性・32歳)
これらは「だから電話をかけてほしい」という要望ではありませんが、家の中でまだ言葉の通じない赤ちゃんと向き合っていると、当事者にしかわからないつらさもあることがうかがえます。
もし身近に「宅配はチャイムじゃなく電話をかけてほしいんだけど…」という人がいたら、非常識だと責める前に、その気持ちを汲んだうえで、「アプリで指定してみては?」「スマホやスマートウォッチ連動のインターホンもあるよ」など、情報共有してみてはいかがでしょうか。
文:高谷みえこ アンケート時期:2026年6月 アンケート人数:男女200人

