パキスタンの首都イスラマバードで20日、米イラン協議の会場となるホテルに続く幹線道路を封鎖する治安要員=溝田拓士撮影

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 【ワシントン=池田慶太、イスラマバード=溝田拓士】米国のトランプ大統領は19日、米軍による海上封鎖を突破しようとしたイラン船籍の大型貨物船を攻撃し、拿捕(だほ)したと自身のSNSで明らかにした。

 圧力を強める米国に対し、イランは態度を硬化させており、戦闘終結に向けた2回目の協議を巡って両国の駆け引きが激しさを増している。

 米中央軍によると、大型貨物船「TOUSKA」はイラン沿岸のバンダルアッバスに向けてアラビア海北部を航行中だった。海上封鎖違反にあたると繰り返し警告を受けたが、6時間停止せず、米海軍の駆逐艦「スプルーアンス」が艦載砲を数発発射した。その後、現在中東に派遣されている米海軍第7艦隊所属で佐世保基地(長崎県)が拠点の強襲揚陸艦「トリポリ」を出発したヘリから、沖縄県駐留の第31海兵遠征部隊の隊員らが貨物船に乗り込み、管理下に置いた。今月13日の米軍による封鎖措置の開始以来、船舶の拿捕は初めてとみられる。

 TOUSKAは、米政府の制裁リストに掲載されている。イランのタスニム通信によると、中国からイランに向けて航行していた。

 イラン軍中央司令部は20日、拿捕を「海賊行為」と批判し、「まもなく報復する」との声明を発表したが、後に「乗組員らの安全が確保された上で、必要な措置をとる」と修正した。

 再協議を巡り、トランプ氏は19日、米保守系FOXニュースに、イランにとって「最後のチャンスだ」と述べ、合意に達しなければ再攻撃に踏み切る考えを強調した。

 トランプ氏は自身のSNSに米代表団が仲介国パキスタンの首都イスラマバードに現地時間20日夜に到着すると投稿した。ホワイトハウスによると、米代表団には、バンス副大統領、スティーブン・ウィトコフ中東担当特使、トランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が加わる予定という。

 一方、イラン外務省報道官は20日の記者会見で「現時点で次の協議は予定されておらず、決定も行われていない」と述べた。