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先週発表された県の新年度予算案が私たちの暮らしにどう関わるか、エブリイでは、きょうからシリーズでお伝えします。

1回目は、介護など社会に欠かせない仕事に就くエッセンシャルワーカーの人手不足にどう対応するか、吉田記者がお伝えします。

高岡市の特別養護老人ホーム「雅」です。

利用者はおよそ30人。職員は、食事や入浴などの介助のほか、レクリエーションなどを行っています。

その現場が抱える大きな課題が「人手不足」です。

特別養護老人ホーム「雅」平田洋介 統括施設長
「私たち10年前に、みんなで立ち上げてスタートしたわけなんですが、その時よりもさらに人材(確保)が困難になってきている」

県内で介護を必要とする人は去年11月の時点で6万8200人余り。

高齢化が進む中、今後さらに増えると予想されています。

県は介護職員について今年度中に2万2500人の確保を目指していますが、現状は1万8700人余りで目標に届いていません。

人手不足による負担を減らそうと、この施設では、利用者のプライバシーを確保しながらも部屋での転倒を感知して自動で知らせる「AIカメラ」など最新技術も取り入れています。しかし。

平田洋介 統括施設長
「あくまでも道具として介護を効率的に見るという意味では効果的だが、夜勤者が一人減るかというと必要で解消される段階ではない」

施設で働く、介護福祉士はー。

介護福祉士
「入浴介助でも状態が重たい人とかおられるときに助けてほしいという時もあるし、認知症の方と接している時にも思い通りに事が進まないことなど、もっと人手がいたら助かるなということはあります」

介護福祉士
「まだまだ(介護に対する)イメージがあまりよくないのかなというところはありますね。やっぱり大変だったりとか、汚れるとかもあるかと思いますし、ちょっと給料も低いこともあるのかなと思います」

介護など、日常生活に不可欠な、いわゆる「エッセンシャルワーカー」は、業務に追われる一方で国の「公定価格」によって給料が上がりにくい構造になっています。

将来のなり手不足も深刻です。

県が、大学や研究機関と行ったシミュレーションでは、2040年の県内の労働人口は10万3000人あまり足りなくなり、このうち医療・福祉分野が2万3000人、建設業が1万4000人に達すると試算しています。

県は、新年度予算案で人材確保を重点の一つに掲げ、277の事業に、あわせて167億円を計上しています。

例えば個別に短時間で働くスポットワークへの対応です。

県は既に農業分野で就農マッチングサービス「富山あぐりマッチボックス」を行っていて、定着にまで繋がったケースもあるといいます。

新年度予算案では、エッセンシャルワークなどでスポットワーク向けの人材マッチングサイトを作る事業を盛り込んでいます。

新田知事
「細切れの時間で働きたい方、お困りの時間で働いてほしい方をうまくマッチングさせるのはなかなか高度な話だと思います。全国的には例がないと聞いている。それを富山で構築したい」

このほか、県外の若者に対して富山への就職・転職を促す情報発信を強化するほか、公共交通の運転手確保に向けた就職イベントなども行います。

高岡市で高齢者施設を運営する平田さん。

行政には、ともにスクラムを組み介護の質を高められるような制度改革を期待しています。

平田洋介 統括施設長
「担い手がいないと当然、介護の質も悪くなっていくので私たち地域のみんなが大変な苦労を味わうということになりますので本当に待ったなしの政策が必要じゃないかなと思う」

吉田颯人記者
「介護などエッセンシャルワーカーの人手不足は、現場だけで解決できる問題ではありません。 待遇改善や人員確保へ、行政の支援が不可欠です」