宮世琉弥の頬を伝った一筋の涙 『ヤンドク!』颯良と潮五郎が向き合った“青春の記憶”
橋本環奈が主演を務める月9ドラマ『ヤンドク!』(フジテレビ系)第6話では、颯良(宮世琉弥)が看護師を目指すきっかけとなった悲しい過去が明かされた。
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明るく人懐こい性格でヤンキーマインド全開な湖音波(橋本環奈)にも興味を持ち、距離を縮めてきた颯良だが、彼にはどこか陰があった。第2話でも元カノの存在が口にされていたが、第6話では潮五郎(吉田鋼太郎)のヤンキー時代の宿命のライバルであり、湾岸医療センターに転院してきた北岡(杉本哲太)を通して、颯良の蓋をしていた記憶が蘇る。
それは、高校生の頃に付き合っていた同じ音楽部の深沢優菜(森下乃亜)の存在。患者の北岡と同じく、脳腫瘍だった。「私、治るのかな。またピアノ弾けるようになるのかな?」と不安そうな優菜に、颯良は「絶対、治る。だから、早く元気になってまた一緒にピアノ弾こう」と手を握る。しかし、優菜は自分が治らないことを悟り颯良を遠ざけ、その半年後に亡くなってしまった。脳神経外科の看護師を選んだのは、彼女と同じように苦しむ人たちに寄り添うためだ。
颯良は記憶障害のある北岡のために「息子のフリしてやってくれんか」と頼まれるが、患者に嘘をつきたくないという理由からその申し出を断った。優菜にかけた「治る」という言葉が嘘をついてしまったという後悔となって颯良を閉じ込めているのだ。北岡の妻・真理子(櫻井淳子)のことも気遣った「誰かを幸せにするための嘘なら希望なんじゃないですか」という湖音波の言葉に、颯良はようやく息子のフリをすることを引き受けた。
物語の終盤、湖音波は颯良に優菜が亡くなる直前まで頑張っていたというリハビリの映像が入ったUSBを渡す。颯良が言った「治る」という言葉を信じて、優菜は生きようとしていたのだ。そこには生前の優菜がベッドの上でまたピアノを弾く姿が映し出されていた。非常階段で1人画面を見つめる颯良の頬には一筋の涙が伝う。中田(向井理)は「つらい記憶ほど強く刻まれる。だが、その上に新しい記憶を重ねれば記憶は書き換わる」と颯良に話していた。過去のつらい記憶に縛られた颯良はもういない。第6話タイトルにある「さらば、青春の記憶」である。
第6話は颯良の主役回であるが、同時に潮五郎にスポットが当たる回でもある。リーゼントに、サングラス、ライダース姿で院内を歩き、名古屋から麗奈(内田理央)を呼び寄せてはかつて北岡と奪い合った女のフリをさせるなど相変わらずのやりたい放題だが、それは全て北岡の記憶を蘇らせるため。かつて、北岡が赤ワインを入れるようにアドバイスし大人気になった食堂のどて煮を食べさせ、昔の表情に戻るシーンは感動的だ。人は何もかも忘れたわけではなく、不思議と音や匂いに反応することがある。理屈ではなく、潮五郎の思いが北岡の心に届いた瞬間だ。
第7話の予告では、再びの神崎(森崎ウィン)の姿もありながら、上海から来た研修医・ソン・リーハン(許豊凡)が活躍する回になりそうだ。(文=渡辺彰浩)
