【先取り正月】実は伝統的に正しい?大晦日に家族でおせちを囲む「年取り膳」の風習【図解 北海道の話】
北海道民の年中行事② おせちは大晦日に食べる
全国各地にルーツがある北海道の正月
北海道では大晦日におせち料理を食べる家庭が多いです。これは、おせちを「年取り膳」ととらえているからで、東北や九州・四国の一部でも見られる風習です。昔は日没が一日の終わりで、大晦日の夜はすでに元日の始まりでした。また、かつては元日に年をとる「数え年」だったため、家族が集まり年神様と共に食事を楽しみながら祝う習わしがありました。つまり、「大晦日におせち」は、むしろ伝統的に正しい風習と言えます。
もう一つ独特なのが、おせち料理に並ぶ「口取り」です。白餡に色をつけ、タイやエビ、松竹梅などおめでたいものをかたどった菓子で、クリスマスが終わると道内のスーパーには一斉に色鮮やかな「口取り」が並びます。
夜が明けて太陽暦上の元日になると、北海道でもお雑煮を食べます。ただし、お雑煮の味付けや具材、入れる餅の形などは地域や家庭によって実にさまざま。それぞれがどんなルーツを持っているかによって変わる点が、いかにも北海道らしいところです。
お正月の遊びの定番といえば「百人一首」ですが、北海道で一般的な「百人一首」は取り札が紙ではなく「木の板」という独特のもの。下の句を読み、その句の書かれた札を取る「下の句かるた」と呼ばれるもので、江戸時代に会津藩で広まり、そこから北海道に伝わったと言われています。
道外とは異なる北海道の風習・行事②
端午の節句では「べこ餅」を食べる
5月5日の端午の節句では、柏餅を食べるのが一般的ですが、北海道では「べこ餅」がよく食べられています。べこ餅という名称の由来については、「米粉(べいこ)」で作られているから、色合いが「べっこう」色だから、または「牛(べこ)」に似ているからなど諸説あります。
北海道の七夕
七夕は8月7日?
道外では7月7日に七夕を行う地域が多いですが、北海道では7月7日の地域と8月7日の地域があります。これは、旧暦の7月7日が新暦の8月に当たり、旧暦の季節感を重視する地域があるためです。有名な「仙台七夕まつり」が8月に行われるのも同じ理由です。
柳の枝に七夕飾り
北海道では、柳の枝に七夕飾りをつける地域が少なくありません。北海道は道外のような笹が生育しにくい環境のため、代用として柳を用いたからです。また、北海道では8月に七夕を行う地域が多いため、笹が生育する時期(5~6月頃)とズレが生じ、笹の入手が難しかったという理由もあるようです。
七夕の「ロウソクもらい」
北海道の七夕には、子どもたちが「ロウソク出せ」(札幌)、「ロウソク一本ちょうだいな」(函館)などと歌いながら街を練り歩き、ロウソクやお菓子をもらって回る、まるでハロウィンのような風習があります。これは東北のねぶた(ねぷた)に由来するもので、祭りの前に照明に使うロウソクを集めていた名残と言われています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 北海道の話』監修:和田 哲
