このもふもふの正体は一体…


【画像を見る】謎の"もふもふ"が水の中で変身!?驚きの正体とは

手のひらに載った、茶色いもふもふの物体。一見すると、海藻の切れ端か、苔のかたまりか……といったところ。ところが、この物体を水の中に入れた瞬間、もぞもぞと動き出し、のそのそと水中を歩いていったのです。

そんな衝撃の様子を捉えた投稿がXで大きな反響を呼び、海外からも驚きの声が続々と寄せられています。

投稿したのは、海の生き物を数多く紹介しているでんか(@K_theHermit)さんです。

話題を呼んだ「もふもふ」と投稿されたポストです▶このもふもふは何でしょうか(⇒次へ)


「もふもふ」

映っているのは、手のひらにちょこんと載った、まるっこい茶色のかたまり。びっしりと毛のようなものに覆われていて、ふわふわ・もこもこした質感です。

茶色いかたまりです。水にぬれているようですね▶水の中へ入れてみると(⇒次へ)


海藻の切れ端か、苔のかたまりか……と考えていたところで、これを水の中へそっと入れると、様子が一変。さっきまでただの毛玉にしか見えなかったものが、急にもぞもぞと動き出し、水底を歩いていったのです。

水の中に入れてみました▶様子が一変!(⇒次へ)


動き出しました!▶生き物だったの!?(⇒次へ)


水底を動くもふもふ▶手に取ってみると…(⇒次へ)


「えっ、生き物だったの!?」と、思わず二度見してしまいます。

正体はカニでした!▶カニの名前は…(⇒次へ)


この投稿には、国内外から驚きと感心のコメントが殺到しました。

「これは信じられないカモフラージュだ」

「ひと目見たとき、雑草のかたまりかと思った」

「苔のかたまりが歩いてるみたいでかわいい」

毛玉にしか見えない見た目と歩き出すギャップの意外性に、多くの人が心をつかまれたようです。

■正体は、ぬいぐるみのような"カニ"

このもふもふの正体は、「ケブカガニ」という名前のカニでした。

ケブカガニ▶魅力的なカニがたくさん!(⇒次へ)


その名の通り、全身がびっしりと毛のようなもので覆われているのが特徴。でんかさんによると、触り心地はわりとモフモフで、とくに脱皮したてはふわふわしているのだとか。

海外の人から「モップみたい」というコメントが寄せられたときには、「脱皮したてはふわふわだよ」と教えてあげたそうです。

でんかさんに、このカニの人気ぶりを聞きました。

でんかさん「ふだんから海の生き物を投稿しているのですが、ウニ、カニ、タコといった2文字のゆるっとした生き物はとくに人気に感じます。なかでもこのケブカガニは、ぬいぐるみがそのまま現実になったみたいな見た目なので大人気です」

ぬいぐるみがそのまま現実になったよう。たしかに、あのもふもふ感を見れば納得です。

■茶色い海藻に"化ける"カニだった

このケブカガニ、いったいどこで出会えるのでしょうか。

でんかさん「神奈川県以南の浅瀬でよく見られるカニです。磯の潮だまりで、昼間から歩いているのを見かけます」

意外にも、身近な磯にいる生き物。そして、あのもふもふの毛には理由がありそうです。

でんかさん「その見かけから茶色い海藻に見間違えるので、カモフラージュしているのかもしれません」

毛玉のような姿は、天敵から身を隠すための"海藻のふり"なのかもしれないとのこと。私たちが「雑草のかたまり」「苔のかたまり」と見間違えたのも、ある意味ではこのカニの作戦どおり、というわけですね。

■浅瀬の磯は、不思議な生き物の宝庫

でんかさんは北海道出身。海洋系の大学に進学したのをきっかけに、磯での生き物観察を始めたといいます。

「北海道では見られなかった、なんともカラフルな生き物がそこら中にあふれかえっていたのが印象に残っています」と振り返るでんかさん。今は海の生き物に関わる仕事をしながら、観察活動を続けているそうです。

最近、とくに気になっている生き物についても教えてくれました。

でんかさん「深海生物が人気な昨今ですが、浅瀬の磯にも魅力あふれる不思議な生き物がたくさん観察できます。なかでも気になっているのは、高い知能を持つとされる頭足類(イカ・タコの仲間)、多様性に富むカニの仲間たち、そして人間のように雑食で家にすむヤドカリ類です」

深海ばかりが注目されがちですが、私たちのすぐ近くの磯にも、こんなに個性豊かな生き物がいるのですね。

■まだまだいる!でんかさんが投稿する魅力的な生き物たち

でんかさんのアカウントには、ケブカガニ以外にも、思わず目を奪われる海の生き物が次々と登場します。いくつかご紹介しましょう。

1つ目は「イソクズガニ」というカニです。500円玉ほどの大きさで、手のひらや手の甲をちょこちょこと歩く様子が投稿されています。

こちらもカニ▶小さくてかわいい「イソクズガニ」(⇒次へ)


移動する姿がかわいいです!▶カニの魅力がいっぱい!(⇒次へ)


体に苔や水草のようなものをまとっているため、水の中にいたら見つけるのは至難の業。ケブカガニと同じく、まわりに溶け込んで身を隠す名人のようです。

2つ目は「ムラサキチリメンガニ」です。白い入れ物に入った真っ赤なカニの写真なのですが、よく見るとその入れ物はなんとペットボトルのキャップ。

茹でてなくても赤いムラサキチリメンガニ!▶ペットボトルキャップに収まる小ささにも驚きです(⇒次へ)


ゆでていないのに赤いというのも驚きですが、それ以上に、キャップにすっぽり収まってしまうほどの小ささに目を奪われます。

3つ目は、ガラスの器にたくさん入った「ヒオウギガイ」という貝。オレンジ、黄色、赤、紫と、まるで宝石のようにカラフルで、大きさもさまざまです。

カラフルでちいさな貝!かわいい!▶ときどき泳ぐ様子も見られます(⇒次へ)


ときどきスイスイと泳ぐ姿もなんとも愛らしく、見ているだけで気持ちが華やぎます。

ヒオウギガイ▶でんかさんが採集した生き物が展示中!(⇒次へ)


でんかさんのXアカウント(@K_theHermit)では、ほかにも美しい海の生き物たちの姿を見ることができます。ぜひチェックしてみてくださいね。

■"もふもふ"の実物に会えるチャンス!

最後にうれしい情報を。でんかさんが採集した生き物が、現在「伊勢シーパラダイス」で展示されているそうです!

「伊勢シーパラダイス」の様子▶イソクズガニの赤ちゃん(⇒次へ)


小さなエビやカニ、ヤドカリのほか、水族館スタッフが採集した、もうすぐ生まれそうなカミナリイカ(コウイカ)の卵なども見られるとのこと。そして、今回話題になったケブカガニも、この夏ほぼ確実に展示されるそうです。

写真で見た、あのもふもふの実物に会えるチャンス。気になった方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。

文=武川彩香