不安を回避し続ける生活から、一歩先へ。「不安を消す」以外にやりたいことは?【不安症】

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次から次へと気がかりなことが思い浮かび、不安で、不安でたまらない――そんな状態が続くことがあります。「心配性」「怖がり」など、性格や気質の問題のようにとらえられがちですが、生活に差し障りが生じるほどの現れ方であれば「不安症」という病的な状態ととらえられます。

「不安をなくそう」「不安になるのを避けよう」とすればするほど、不安は強く大きくなり、不安にとらわれやすくなっていきます。書籍 『不安症がわかる本 とらわれから抜け出す』から、「不安」とは何か、といった基礎知識をはじめ、さまざまなケース例とともに不安へのとらわれから抜け出す方法を具体的に紹介します。

体質は変わらない。でも行動は変えられる

不安になりそうなことを回避し続けているかぎり、不安は続きます。しかし、不安が強い人ほど、生活全体が回避的になりがちです。どうなるかわからないことは避け、不安を排除したつもりでも、不安はなくなりません。むしろ強まるばかりです。

この状況から抜け出すには、「いつものこと」を変えてみるのが有用です。「不安ばかりの自分を変えたい」と、本書を手にとり読むという時間をもったことも行動の変化のひとつです。また、通院を始めるのも、行動療法に取り組んでみるのも変化をもたらすことにつながります。

■不安が強まる暮らし方

不安を避けるために、かえって不安が強まるような暮らし方をしている人も多いもの。思い当たることはありませんか?

■小さなことから変えてみる

ひとつでも、いつもとは違うことを試みたり選択してみたりすることで、生活のパターンは変化します。できそうなことから始めてみましょう。

・買い物する店を変えてみる

・髪型、髪色を変えてみる

・食べたことのない料理を注文してみる

・ふだんは着ないような服を着てみる

・いつもとは違うところに出かけてみる

・ためこんだものを捨てる(一度に片づけようとせず毎日少しずつ、古いものより思い入れの少ない新しいものから捨てていくのがポイント)

・1日1回、体を動かす時間をつくる(天気がいい日に近所を散歩してみよう。ラジオ体操やストレッチなどは家の中でもできる)

不安が消えたらどうなる? なにをしたい?

不安にとらわれている人は「不安がない状態」を理想とし、それを目指そうとします。しかし、ひとつ不安が消えても、必ず別の不安が生じます。

逃れられない不安に抗うことも苦痛なのだとしたら、いまの状況を受け入れ、不安に身を委ねるのも得策です。「不安を消すこと」以外にやってみたいことはなにか、自分はなにがしたいのか、どのように生きていこうとしているのか、目標を立ててみましょう。「これは達成したい」と強く思えるような目標が見つかると、不安をかかえていても前に進んでいきたいと思えるようになります。

■どんなときでも不安は尽きない

どんな状況であれ、不安は尽きることがありません。不安を受け入れるための認知行動療法(ACT)も役立ちます。

〇幸せを感じたとき

念願のマイホームを手に入れた、子どもが生まれたなど、大切なものができると、それを失う不安にかられることがあります。幸福な時間が失われる不安が出てきます。

〇被災時、戦時下など

すでに起きてしまった悲惨な出来事や、個人の努力ではどうにもならない社会状況など。変えられないことを変えようと、もがけばもがくほど、苦痛が増していきます。

〇ストレスが減ったとき

借金の返済や裁判など、大きなイベントがいち段落したときに、「また悪いことが起こるのではないか」と不安になることもあります。治療がうまくいって病気を克服したら、また悪化するのではないかという不安が増えることになります。

※アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)とは

認知行動療法の技法のひとつ。第3世代の認知行動療法と呼ばれており、苦痛を取り除くことではなく、アクセプタンス(受容すること)が大切であるという視点に立っています。

■目標を立て、実践していく

目標をもつことは、現状を変えるのに有効です。たとえば、飛行機が苦手でも「海外に行きたい」という思いが強ければ、長時間のフライトを避けずに挑戦する力になります。

【続きはこちら】「ようこそ、不安さん」不安なまましたいことをすればいい【不安症を具体例と一緒にご紹介】