【独自】神奈川県の黒岩知事に「政治資金規正法違反」疑惑…本人の事務所から返ってきた衝撃の言い訳

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黒岩氏が開催する政治資金パーティーで有権者買収の疑いが

ゴールデンウィーク直前の4月21日、神奈川県黒岩祐治知事(71)は首相官邸で高市早苗総理(65)と会談。2027年に横浜市で開く国際園芸博覧会の公式マスコットキャラクター「トゥンクトゥンク」を折り紙で作る方法を紹介すると、高市氏は「面白いね」と笑ったという。

GW中に高市氏が訪れるベトナムの最高指導者トー・ラム共産党書記長兼国家主席と親交がある黒岩氏から交流のコツを伝授する場面があり、総理と知事の会談は盛り上がったようだ。

高市氏も一目置く自治体首長に政治資金を巡る疑惑がある。黒岩氏の政治団体「黒岩祐治後援会」の収支報告書に疑義がある、と神奈川県庁関係者が語り、こう続ける。

「’23年12月21日に『黒岩知事と語る会』を政治資金パーティーとして開催し、16万4290円を収入に計上しています。他方、当該パーティーの事業費としては、94万4000円を飲食代として事業者に支払いし、支出が収入を大きく上回っていることから、有権者買収に当たる可能性があります」

同収支報告書には「政治資金パーティー開催事業費」と書かれており、政治資金パーティーに分類されよう。「黒岩知事と語る会」の出席者は当時の会の様子についてこう語る。

「会場は銀座アスター藤沢賓館。会費は1万2000円で地元藤沢の経営者を中心に100人近く集まった。ライドシェアの話の後、各テーブルを個別に周り、中学時代に藤沢に住んでいたことを披瀝。一般的な飲み放題の中華のコース料理が振舞われ、サックス奏者の荒木絵美さんの演奏もあり、とても充実した時間でした」

政治資金パーティーは政治資金規正法に定められ、「対価を徴収して行われる催物で、当該催物の対価に係る収入の金額から当該催物に要する経費の金額を差し引いた残額を当該催物を開催した者又はその者以外の者の政治活動(選挙運動を含む。これらの者が政治団体である場合には、その活動)に関し支出することとされているものをいう」と定義されている。

つまり、対価を上回る飲食やサービスの提供は有権者買収に当たる可能性がある。同会も、参加者の証言通りなら120万円以上の収入を計上しなければおかしいし、報告書通りならば、収入と支出を単純に比較すれば、5倍のサービスを提供しており、違反となる可能性はあるのだ。

黒岩氏の著書とセミナーを巡って新たな疑惑

さらに他の疑惑もある。前述の県庁関係者がこう語る。

「知事は’24年から選挙コンサル・エミウル株式会社を利用しています。同社は、神奈川第5区選出の坂井学衆院議員(60)の秘書などを務めた渕之上和良氏が経営する選挙コンサル会社で、気がつくと知事の近くにいるようになった。小泉進次郎防衛大臣(45)や菅義偉元総理(77)を広告塔に政治塾などを開催。財界人を集めて経済セミナーを開くなど、多様な事業を展開しています」

一方で、神奈川県は主催事業である「令和7年度黒岩知事と当事者とのオンライン対話」のコーディーネーター役として渕之上氏を起用。知事自身がメインとなるイベントのコーディネーターに、自身が委託しているコンサル業者を起用すれば過剰なつながりが想起されよう。

他にも黒岩氏の倫理観を問うものがある。

「’24年に実施されたパーティでは、自身の著書『嫌われた知事』(幻冬舎)を政治資金で購入し、参加者へ配布しています。この行為は出版と政治資金パーティーを通じ、ポケットマネーが作れることから、倫理上の問題を問われる」(同)

当該書籍の単価は、1760円で、800冊をパーティー用に購入。書籍印税は「10%が相場」で黒岩氏の手元には12万8000円が入る計算だ。

これらの疑惑に黒岩氏はどう応えるのだろう。神奈川県知事室広報報道グループに問い合わせをすると、黒岩祐治事務所よりこう返答があった。

「著書『嫌われた知事』の出版記念パーティーとして開催した政治資金パーティーにおいて、政治資金規正法に定められている対価の1つとして来場者に提供するため、開催費用の中から書籍を購入しました。

本件については適正に収支報告を行っております。また、印税についてのご指摘につきましても、黒岩個人が会計士の指導のもと、適正に確定申告をしているものです」

次に「令和7年度黒岩知事と当事者とのオンライン対話」の事業費について、「事業費合計117万6500円、(内訳)ゲスト謝金29万1000円、広報委託料41万2500円、企画等業務委託料(エミウル社支払い分)47万3000円」と金額を示した上で、神奈川県政策局情報公開公聴課がこう応じた。

「当該業務は、県がオンライン上での対話イベントを実施するにあたり、民間事業者が保有する知識・技術・ノウハウを活用し、企画や対話相手の選定(アドバイス)等のために委託をしています。

民間事業者の選定にあたっては、過去の県の同様の事業の実績や評価を踏まえて選定するとともに、契約にあたっては、50万円未満(令和8年度からは100万円以下)の委託業務は随意契約可能との県財務規則の規定に基づき、適切に契約締結したものです」

もっともらしく書いているが、随意契約の範囲である50万までなら自由に選べ、「知事側近に50万までなら好きに払えるから」と解釈もできようか。

そして、政治資金パーティに関しては黒岩祐治事務所よりこのような返答だった。

「指摘いただきました令和6年12月21日開催の『黒岩知事と語る会』について確認しましたところ、収支報告書の収入欄の金額が間違っておりました。

記載の16万4290円は収入額から支出額を引いた利益金額であり、実際の収入額は会費1万2000円×116人分、計139万2000円となります。収支報告書については、速やかに訂正いたしますとともに、今後このようなミスを起こさないよう、正確な事務処理を徹底いたします」

ケアレスミスといわんばかりの返答であるが、同じページに書いてある他のパーティーとなぜ計算が異なるのか説明になっていない。さらに「139万2000円」が収入だとして、同報告書のパーティーの支出額は「117万2940円」になっている。「139万2000円 − 117万2940円 =21万9060円」で、計算も合わないのだ。墓穴を掘るかのような返答で神奈川県トップとして不安は残ろう。

黒岩氏は5月19日も政治資金パーティーを開催すると、神奈川県内の財界関係者ら約600人が出席。同会の報告書は疑惑が持たれないものであることを切に願う。

取材・文:岩崎 大輔