村上春樹さん新作「『正直いって、君みたいな醜い相手は初めてだよ』」あらすじめいた文言掲載した特設サイト開設
世界的なベストセラー作家の村上春樹さん(77)が約3年ぶりとなる新作長編小説「夏帆―The Tale of KAHO―」を刊行すると新潮社が23日、発表した。発売日は7月3日で、単行本と電子版で同時に販売。税込み2860円、単行本は原稿用紙650枚分、全1巻の352ページとなる。
文芸誌「新潮」で2024年6月号から26年3月号まで4回に分けて発表された「夏帆」シリーズを加筆修正し、長編として再構成された。新潮社は同日に同書の特設サイトを開設。「『正直いって、君みたいな醜い相手は初めてだよ』 26歳の絵本作家、夏帆は初対面の男にいきなりこう告げられた。とびきり美しくも賢くもなく、ただ少しばかり好奇心の強い彼女は、怒りよりもショックよりも、ただ純粋に驚いた。―この男はいったい何を告げようとしているのだろう? しかしそれから彼女の周りでは、実にさまざまな奇妙な出来事が起こりはじめる」との、あらすじめいた文言を掲載している。
同社によると、村上さんの長編作品で女性単独の主人公は初めて。09年の「1Q84」では、「青豆」という女性と「天吾」という男性がダブル主人公として交互に描かれていた。また、短編小説では1990年代に女性主人公を多く描いており、96年「レキシントンの幽霊」に収録されている「氷男」「緑色の獣」などがある。
村上さんの長編は23年の「街とその不確かな壁」以来16作目。同作の初版は、30万部だった。
◆村上春樹さんの長編小説
▼79年7月(講談社)
風の歌を聴け
▼80年6月(講談社)
1973年のピンボール
▼82年10月(講談社)
羊をめぐる冒険
▼85年6月(新潮社)
世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
▼87年9月(新潮社)
▼88年10月(講談社)
ダンス・ダンス・ダンス
▼92年10月(講談社)
国境の南、太陽の西
▼94年4月、95年8月(新潮社)
ねじまき鳥クロニクル
▼99年4月(講談社)
スプートニクの恋人
▼02年9月(新潮社)
海辺のカフカ
▼04年9月(講談社)
アフターダーク
▼09年5月、10年4月(新潮社)
1Q84
▼13年4月(文芸春秋)
色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
▼17年2月(新潮社)
▼23年4月(新潮社)
街とその不確かな壁
◆村上 春樹(むらかみ・はるき)1949年1月12日、京都市生まれ。77歳。68年に早大第一文学部入学し、在学中の74年に都内でジャズ喫茶を開く。79年、「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞しデビュー。1987年発表の「ノルウェイの森」は上下計1000万部を売るベストセラーになり、春樹ブームが起きた。06年のフランツ・カフカ賞、09年のエルサレム賞など海外での賞も多数。
