昨年の悔しさを糧に。U-17日本代表の北原は得点王とMVPを狙う。写真:松尾祐希

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 J1最年少出場記録(15歳7か月22日)を持つFC東京の新星・MF北原槙が、アジアの戦いを前に気持ちを高めている。

 4月20日、U-17アジアカップに臨むU-17日本代表メンバーが発表され、今秋のU-17ワールドカップの最終予選を兼ねた戦いに北原も順当に選出された。

 16チーム中、W杯に参加できるのは8か国。4チーム総当たりのグループステージで上位2か国に入れば、世界で戦う権利を手に入れられる。前回のU-17アジア杯は1勝1分で迎えたグループステージ最終戦でオーストラリアに2−4で敗れ、他会場の結果によって薄氷を履む突破となったのは記憶に新しい。半数のチームがW杯行きを勝ち取れるとはいえ、厳しい戦いになることが予想される。

 大一番となる今回のU-17アジア杯。小野信義監督が率いるチームで、北原はエースの象徴でもある背番号10を託された。

「10番を任されたことは素直に嬉しい」と笑顔を見せた北原だが、今回にかける想いは人一倍強い。その理由は昨秋のU-17W杯にある。当初はメンバーに入っていなかったが、怪我人が出た関係でひと世代年上のチームに追加で招集された。しかし、開催地のカタール入り後に足首を負傷。開幕前日に離脱となり、初戦(モロッコ/2−0)の勝利を見届けたうえでひとりだけ機上の人となった。当時を振り返り、想いをこう話す。

「もともと怪我をするタイプではないので、そういう意味では『なんで今なんだろう…』という気持ちがあった。初戦だけ観戦しましたけど、素晴らしい舞台だったのでここで活躍できればという想いが湧いてきたし、同じ年の和田武士(浦和)や長南開史(柏)が活躍していたのも刺激になったけど、すごく悔しい気持ちが湧いてきた」
 
 カタールから日本へ戻る飛行機は長時間フライトとあって、考える時間が多くあり、いろんなことが頭を過ったという。

 だが、幸いにもまだチャンスは残されている。前回のU-17W杯からは毎年開催になったため、自分の世代となった今年も世界の舞台に打って出る機会があるからだ。そうした意味では今回のU-17アジア杯は絶対に負けられないし、自分の存在を証明する絶好の機会になる。

 今季は自クラブのトップチームで出番を得られておらず、リーグ戦でベンチ入りもない。U-18チームでは試合に出ていないため、試合感に不安を残すが、結果を残す自信はある。

「攻撃に関しては結構できる自信がある。攻撃で違いを出さないと自分がいる意味がない。そこを出すとともに守備でもチームに貢献したい。特徴は攻撃で、前で力を出したいとは思うけど、守備をやらないとダメ。バランスを取りながら、連続した動きを見せていきたい」

 出発前には3歳上でFC東京の先輩・MF佐藤龍之介からもエールを送られ、「まずはマストで優勝だね。俺は(1月のU-23アジアカップで)MVPと得点王取ったから」と発破をかけられた。A代表でも活躍する佐藤からの言葉で、北原がより気持ちを高めたのは間違いない。

「自分の気持ちを燃やしてくれるような言葉で応援しつつ、頑張れよというメッセージをもらったので、龍ちゃんの言葉通りに結果を出せるようにしたい。最低限はまず優勝。そして、ワールドカップの出場権を獲得して、得点王とMVPも狙っていきたい」

 初戦は5月5日のカタール戦。25日に国内合宿を終えれば、直前調整の地・エジプトを経て、開催地のサウジアラビアへ向かう。日本の未来を担うエースは過去の悔しさを力に変え、先輩の言葉を胸に刻みながら準備を進めていく。

取材・文●松尾祐希(サッカーライター)

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