離婚の危機に直面した40代有能管理職「具体的なTODOリストをください」「家事の分担比率の正解は?」とカウンセラーに質問 マニュアル任せの姿勢が妻の心を凍てつかせた【夫婦関係修復カウンセラーが解説】
40代のAさんは、会社では部下を束ねる有能な管理職です。しかし今、人生最大の危機に直面していました。長年連れ添った妻から「もうあなたとはやっていけない」と離婚を突きつけられたのです。
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慌ててカウンセリングに駆け込んだAさんは「具体的なTODOリストをください。毎日『ありがとう』と言えばいいですか? 家事の分担比率をどう変えれば正解ですか?」とカウンセラーに質問します。
その後、カウンセラーのアドバイスに従いAさんは行動を改めますが、妻の反応は冷ややかで「そういう表面的なことが嫌なの」とため息交じりに言われてしまうのでした。努力が報われないAさんは「言われた通りにやっているのに、なぜダメなんだ!」とカウンセラーへの怒りを募らせます。
Aさんのように「方法」を求める夫ほど、夫婦関係の修復に失敗する傾向があります。ではそれは一体なにが原因なのでしょうか。夫婦関係修復カウンセリング専門行政書士の木下雅子さんに話を聞きました。
妻が「方法」で動く夫に絶望する理由
ーなぜ夫は、解決策やマニュアルを欲しがるのでしょうか?
仕事には多くの場合、マニュアルや成功のためのフローチャートが存在します。有能なビジネスマンであるほど、家庭生活も同じように「正しい手順を踏めば、望む結果(関係修復)が得られるはずだ」とロジカルに考えてしまう傾向があります。
しかし、夫婦関係に「これさえやれば100点」という正解はありません。Aさんのように「何をすればいいか」という答えばかりを欲しがる人は、実は目の前の妻をきちんと見ていません。関心が「妻の気持ち」ではなく、「どうすればこの状況を脱することができるか」という自分の目的に向かいがちです。
ーアドバイス通りに動いているのに、なぜ妻側は余計にがっかりしてしまうのですか?
「心」が伴っていないことを見抜いてしまうからです。妻が求めているのは、髪型の変化に気づいてくれたり、日々の苦労を察してくれたりといった、感情の寄り添いです。
それなのに、夫が「マニュアルに書いてあったから花を買ってきた」「言われたから皿を洗った」という態度で接してくると、妻は自分の存在を「コントロールの対象」のように感じてしまいます。透けて見える打算が、妻の心をさらに凍りつかせるのです。
ー関係修復に成功する夫には、どのような共通点がありますか?
「何をするか」という方法論の前に、「どういう気持ちで接するか」という心のあり方を変えられた人です。
夫婦の関係を修復しようとする気持ちが強い夫は、妻を自分の思い通りにコントロールしようとすることをやめます。代わりに、「妻が今、何を望んでいるのか」「妻が大切にしていることは何か」に耳を傾け続けます。妻が望むことを叶えてあげたいという気持ちから起こした行動でない限り、どんな方法論を試しても無駄です。
マニュアルを捨てて、一人の人間として妻と向き合うことが遠回りに見えて、実は唯一の近道なのです。
◆木下雅子(きのした・まさこ) 行政書士、心理カウンセラー
大阪府高槻市を拠点に「夫婦関係修復カウンセリング」を主業務として活動。「法」と「心」の両面から、お客様を支えている。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
