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株式会社明治安田総合研究所は2月5日、18歳から54歳の男女8,872人を対象に実施した「恋愛・結婚に関するアンケート調査」の結果を発表した。恋愛離れ・結婚離れの加速に加え、推し活やAI恋愛相談の浸透など、恋愛・結婚をめぐる意識の多様化が浮き彫りとなった。

調査は2025年12月12日から21日にかけて全都道府県でWEBアンケートとして実施され、既婚者3,909人および未婚者4,963人の計8,872人が回答した。

●未婚者の4人に3人以上が「交際相手いない」、恋愛への興味も急落

未婚者の76.3%が「現在交際相手はいない」と回答し、前回2023年調査の72.0%からさらに上昇した。男女別では男性78.6%、女性74.0%と、前回同様、男性が女性を上回っている。年代別では35〜39歳が83.3%と最も高く、20〜24歳でも65.5%が交際相手がいないと回答した。

恋愛・交際への興味についても、未婚者で「興味がある」と答えた割合は49.5%にとどまり、前回の59.9%から10ポイント以上低下。未婚者の約半数が恋愛そのものへの関心を失いつつある実態が明らかになった。

出会いのきっかけは「知人からの紹介」がトップで「職場」が続いた。「飲み会・合コン」が前回から上昇した一方、25〜29歳と30〜34歳では「マッチングアプリ」が約3割を占めた。

●デート代の「割り勘化」が進行、背景にインフレと女性の社会進出

デートの支払いについて、女性はデート回数にかかわらず「半々」を希望する割合が最も高く、初めてのデートでも67.8%が半々を含む対等な支払いを希望した。男性は「すべて支払う」を含め多めに支払う意識がなお高いものの、前回2023年調査と比較して、初デートで男性の「すべて支払う」は5.5ポイント低下、女性の「半々」は8.6ポイント上昇した。

同研究所の主任エコノミスト・森田幸大氏は、男性側についてはインフレによる負担増が背景にあると分析。一方、女性側については「自立した経済力を持つ女性が着実に増えているなかで、対等に割り勘にしたいという感覚が広がりを見せている」と指摘した。

●「結婚したい」未婚者は36.8%に急落、結婚観の二極化も

結婚意向では、未婚者の36.8%が「結婚したい」と回答したが、前回の47.3%から10ポイント以上の大幅な低下となった。結婚したくない理由は性別で明確に分かれ、女性は「必要性を感じない」(45.8%)、男性は「自分が自由に使えるお金が減りそう」(41.4%)がそれぞれトップ。女性は価値観、男性は経済的負担と、異なる動機で結婚を敬遠している構図が浮かんだ。

一方で、「付き合ったら結婚を考える」との回答は47.2%で前回(43.9%)から上昇している。同研究所の主任エコノミスト・前田和孝氏は、「恋愛は恋愛、結婚はなりゆきで」という考えの人が減り、「結婚を全く望まない」層と「交際するなら結婚前提で」の層がそれぞれ増加する二極化の可能性を指摘した。

結婚したい理由では男女とも「好きな人と暮らしたい」「支えあえる人が欲しい」が上位だが、「経済的に安定したい」は女性が男性を15ポイント程度上回っており、女性が結婚を生活面や将来の安心と結びつけて捉えている傾向がみられた。

●家事分担の理想と現実に大きなギャップ、「見える化」の必要性

家事分担(子育て含む)の理想については、男女とも「自分5割、相手5割」が主流で、意識上は完全平等がスタンダードとなっている。しかし現実には、仕事の日に「自分が5割以上家事をしている」と感じている割合は男性58.6%に対し女性は95.0%と大きく乖離。お互いが「自分の方がやっている」と感じている認識のギャップが浮き彫りとなった。

前田氏はこのギャップについて、「それぞれが行なっている家事のリストアップ、主担当者はどちらか、かかっている時間などを『見える化』し、定期的に話し合い、状況に応じて分担を変えていくことが有用」と提言。

また、女性が望むライフコースは「出産後に退職し子育て後に時短・パートで復帰」と「出産後もフルタイムで仕事を続ける」が拮抗している一方、男性が女性に求める理想のライフコースは「フルタイムで共働き」がトップ(40.1%)であることに触れ、「男性側には『手伝う』ではなく『責任を持って担う』という意識への転換がよりいっそう求められる」と述べた。

●推し活は若年世代に浸透、投げ銭経験者は半数超

全体の38.3%が推し活やバーチャル恋愛・疑似恋愛を経験しており、10代女性では73.6%、20代女性でも52.5%に達した。対象はアイドル(14.1%)、アニメ・ゲーム等のキャラクター(11.4%)、YouTuber(7.0%)など多岐にわたる。ただし6割以上がリアルな恋愛との線引きはできていると回答し、推し活に慣れ親しんでいる若年世代ほど恋人の推し活を応援する傾向もみられた。

金銭面では、推し活対象への投げ銭やプレゼントの経験者が56.1%に達し、1回あたりの平均金額は「1,000〜5,000円」が最多、累計額では「10,000円以上50,000円未満」が最多だった。同研究所の主席研究員・藤田敬史氏は、推し活が「自己満足や承認欲求の充足を目的とした新しい消費スタイルを生み出す可能性」がある一方、「生活費を削る、あるいは借金をしてまで過度な支出に至る懸念」にも言及し、無理のない範囲で楽しむことの重要性を指摘した。

●Z世代の3人に1人が恋愛について生成AIに相談

恋愛について生成AIに相談したことがある人は全体の23.3%だが、10代女性では47.6%、10代男性でも39.4%に達し、Z世代では3人に1人が恋愛をAIに相談している計算になる。具体的な相談内容としては、SNSやマッチングアプリへの返信・メッセージの作成方法、デートプランの作成、喧嘩した時の対処法、好きな人との接し方などが挙がった。

仕事の相談でも28.5%が生成AIを利用しており、アイデア出しや資料作成、キャリア相談など幅広い用途で活用されている。ただし、AI利用への課金意向は低く、「有料サービスは利用したくない」が全体の70.6%を占めた。女性では79.0%に上る。一方で、AIへの相談割合が高い若年世代ほど「AIのアドバイスは有用」と回答しており、10代では男女とも約半数が有用と評価するなど、世代間で生成AIへの評価が大きく分かれる結果となった。