Image: Raymond Wong / Gizmodo US

モジュール型でカスタマイズ性が高いパソコンといえばFramework(フレームワーク)。早い時代からパーツごとに交換できる素晴らしさにフルコミットしている企業で、モジュール型採用により組み立て・交換・修理が手軽で、端末そのものを長く使用できるのが魅力です。そもそもデザインもいい。まだまだ玄人味の強いメーカーではあります。

昨今のパソコン市場のスペックがどんどん上がるのに合わせ、Frameworkも最新モデルのLaptop 16(2025年モデル)では、NVIDIA(エヌビディア)のRTX 5070を採用。米Gizmodoがレビューしました。

2025年モデルのFramework Laptop 16。自分で組み立てるわけですから、何ができるか熟知して当然です。シャーシの手作りなんてしてないし、自作パソコンというほどの選択肢はないものの、それでもすべてのパーツ(SSDストレージからメモリ、スクリーンのベゼルにキーボード、RGBバックライト)を自分ではめ込んだわけですから、堂々と「自分で組み立てた!」といえる端末です。組み立てって楽しいなと思える、それがまずFrameworkの魅力です。

人によっては、ノートPCなんて45L デスクトップタワーと比べたら…といいそうですが、Framework Laptop 16のカスタマイズ性は引けをとりません。どうしても修理・交換が容易というメリットと引き換えになるところはあるものの、ゲーミングノートPCとしてFrameworkもいよいよ選択肢に入ってきました。「自分が作った自分だけの端末」は本当に魅力的。

モジュール仕様のコストをどう捉えるか

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組み立ても楽しいですが、先にスペックと価格の話を。

Laptop 16は、AMD Ryzen AI 7 370 CPUとNVIDIA GeForce RTX 5070 GPUをモジュールに採用したことで、当然パフォーマンス上々の頼もしい端末です。同スペックの他端末と同等の性能を発揮します。

Frameworkがレビュー用に送ってくれたのは、Laptop 16 DIYキット。価格は2,500ドル(約38万円)で、ここにWindows 11のライセンス料は含まれておらず。ただしモジュール型という特殊な構造により、同スペックでも価格はFrameworkが少し上。

同価格(またはもう少し安くても)なら、シングル・マルチコアどちらでも、もっと性能の高いCPUを乗せた端末もあるでしょう。特にマルチコア性能は、動画編集などクリエイティブ系の人にとっては重要なポイントになります。

しかし、「Framewrokは高いね」で終わる話でもないんです。そもそもスペックは十分。この十分なスペックをベースに、長く使えるノートPCというのが肝です。モジュール入れ替えで長期的に使用することをプラマイゼロと考えられるかどうかです。

Frameworkと言えば修理・交換が容易でおなじみですが、それでも交換可能な外部GPUが入ったノートを僕が使うのは初めて。モジュールが後ろにあり、USB-C経由で240Wのフル電力供給可能。240Wも初。これだけでも買いな利点にはなると思います。

キーボードのレイアウトが30秒以下で完了

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前モデル(2年前)のFramework 16は組み立てたことがありません。なので今回の2025モデルが、Framework 16モデルでは初(Framework Laptop 13はあり)。それでもマニュアルを見ながら、スクリュードライバー片手に手を動かすこと30分ほど。完成です。「あーもう嫌になる!」なんて瞬間も、難しさもありません。ちなみに今回のセットに入っていたのは、ストレージがWestern Digital(ウエスタンデジタル)WD Black M.2 2280スティック、メモリが16GB DDR5-5600。

DIYキットは、選択した必要パーツすべてが箱に入って一緒に届きます。スクリーンベゼルから出力ポートまで本当に全部入り。これらのパーツのほとんどが、磁石やスロットにはめ込むことで装着可能なので、はめ込みにはドライバーも不要。ベゼルは黒のほかにオレンジとラベンダーのカラバリあり。キーボードはコンパクトな75%の黒、RGBライトの不透明・クリアの選択肢があります。他にもテンキーやマクロパッド、LEDライトなどカスタマイズオプションも豊富。

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ポートの数は端末レビューでよく話題に挙がりますが、Laptop 16はいい。後ろのGPUモジュールにはDisplayPort 2.1対応の240W USB-Cポートあり。さらに追加で6つのポートモジュールを装着可能。ただし6つすべてをSSDカードスロットにするとかはダメ。ある程度制限があり、トラックパッド近くの2つのモジュールはUSB-C 3.2(240W非対応)かUSB-Aのみとなっています。

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RGBライトとオレンジのベゼルを装着すると、個性的なゲーミング端末感が出ました。

モジュール型ゆえの「完璧」ではない仕上がり

モジュール型は修理や交換に優れている反面、パーツ交換を自分ではできない完成品と比べると仕上がりに多少ガタつきがでてしまいます。完成品の美しさでいえば、例えば組み立てたパネルの線が揃ってないなど、気になるところはあります。

一番気になったのは、キーボードとトラックパッドのたわみかな。キーの深度は1.5mmなんですが、タイプが強い人だと、キーが取れるまではなくてもかなり跳ねるかも。トラックパッドもキーボードも使用自体には問題はなし。ただ同価格帯の完成品と比べると、プレミアム感では劣るという話。小さめのLaptop 13の方が、シュッとしてた気がしますが。

Image: Raymond Wong / Gizmodo US

組み立ては簡単ですが、ちょっとしたミスも発生しがちなので注意。僕の場合は、完成した後タッチパッド横のパネルがなんか変。ゆるいし、色もビミョーに合わない気がして確認したら、左右逆に付けていました。左右逆でもはまっちゃうやつもあるんです。

オールラウンダーではない

240Wの電源は一昔前のやつと比べるとそんなに大きくもないですが、ノート自体はそこそこデカい、分厚い。手持ちのノートケースには入りませんでした。

完成品のガタも含め、最も美しいノートPCの座は狙っていないのがLaptop 16なんです。画面上のマイクとカメラも無骨です。オンにする物理スライダーなんてめちゃくちゃ好み分かれそう。

Image: Raymond Wong / Gizmodo US

多くのゲームノートがOLEDに進化するなか、Laptop 16のDIYキットに入っていたのはIPS型の液晶ディスプレイ。ゆえにOLEDほど黒が黒じゃないよってね。『Hades II』や『The Outer Worlds 2』をプレイすると、確かにOLED採用の他端末より色味が鮮やかではないものの、それもゲームを始めてしまえば気になりません。

ただ、Laptop 16の前モデルから進化して、今回の2025モデルはディスプレイのリフレッシュレート165Hz、画質2560×1600。NVIDIA G-Syncにも対応。

修理性とカスタマイズ性以外にも誇れるところも多く、例えばサーマルデザインがそれ。冷却ファンの位置を最適化し、CPUのサーパルパッドHoneywell PTMを改良したことで、排熱処理が向上したといいます。Laptop 16に最大限負荷をかけても、他の14/16インチモデルよりもファンが騒々しくないのはそのおかげかも。RTX 50シリーズのGPUは、パワフルゆえに電力喰いで熱くなりやすい。Laptop 16ではノートの手を置くあたりでも30℃程度、キーボード中心では32℃ほど。

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スピーカーは2つ搭載されていますが、エンタメスピーカーとしては物足りず。いいヘッドホンやサウンドバーはあった方がいいかな。

ゲーム端末としては安定

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Framework Laptop 16の2025モデル、最大要素はやはりモジュールにNVIDIA GeForce RTX 5070を採用したこと。Frameworkは、NVIDIAから協力を得てGPUモジュールを開発。前モデルに搭載されたAMD Radeon RX 7700Sから大きな飛躍を遂げたといえます。ちなみにこのモジュールは650ドルなので、モジュールだけ購入して、前モデルに差し替えも可能。それこそがFramworkの魅力ですから!

8コアのRyzen AI 7 370は、16インチのゲームノートの選択肢としては物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、240W電源でしっかりサポート。AAAタイトルのゲームも安定したパフォーマンスでプレイできます。ただ、RazerのBlade 16にも採用されているAMD Ryzen AI 9 HX 370搭載ver.のLaptop 16もあり、このチップの方が(今回のレビューモデルよりも)少し性能が上です。

レビュー端末(Ryzen AI 7 370)の性能は、ベンチマークテストではIntel Core Ultra 9 288V(Acer Predator Triton 14 AIに搭載)より上。今年リリースのFramework Laptop 13よりも上(チップは同じだけど電力差が影響)。ただしGeekbench 6もマルチコアテストでは、14インチのM5チップ搭載MacBook Proに5,000ポイントの差をつけられ惨敗でした。Alienware Area-51、HP Omen Max 16、Lenovo Legion Pro 7iなどで採用されるIntel Core Ultra 9 275HXでは、GPUがRTX 5070でもRTX 5070 Tiでも、メモリ容量を変えようとスコアに変化はありませんでした。

注目したいのはBlenderのベンチマーク。Laptop 16は14インチM5チップのMacBook Proよりも、レンダリングスピードが8秒遅いだけ。かなりいい仕事していると思います(M4 Proチップの16インチMacbook Proと比べると1分も遅いけど)。

ゲームでいうと、多くのゲームで最高設定でそこそこのフレームレートが出せていました。『サイバーパンク2077』はウルトラ設定で70fps(DLSS不使用)。レイトレ機能を使えば最高設定じゃなくてもよくなるので、もっと出るかも。『Horizon Zero Dawn: Remastered』では、端末最大画質2560 x 1600で平均53fps出ました(DLSS不使用)。『The Outer Worlds 2』でも安定したフレームレート出ました。超高画質設定で35fps、ちょっと下げると55fps出ました。

ゲーム性能は、やはりNVIDIAが現代のゲーム環境にいかに最適化してきているかによるものが大きいかと。気になったのはモジュール化、つまり取り外しできる仕様にすることで、性能にどう影響があるのかですが、Framwrorkいわく熱処理も含め全体的な性能には変化なしとのことです。

GPUモジュールはほかにRadeon RX 7700Sと、クーリング強化のExpansion Bayモジュールがあるだけ。つまり、これ以上グラフィック性能を上げることはできません。これ以上を求める人は、今後のモジュールアプデに期待しましょう。

レビュー端末を受け取ったときは、充電不具合がありましたが、それもファームウェアアプデで解決。85Whバッテリーで16インチディスクリートGPUのノートは、1日持ちません。ただ、ゲーミングノートはそんなものかも、1日中フルゲームするならデスクトップですよ。そもそも5.29ポンド(約2.4kg)なのでそこそこ重く、ノートだけどポータブル性には優れていません。

総評

Image: Raymond Wong / Gizmodo US

間違いなく、今市場にあるゲーミングノートPCの中で最も修理性とカスタマイズ性が高い1台。革新的なメーカーです。が、やはりモジュール型の影響で、完成した状態で売られる製品と比べると少しガタつきを感じます。

それに高い。しかしそのデメリットをパーツ交換で長くながーく使えるという利点と相殺できるかどうか。自分で作った自分のパソコンという愛着をどう捉えるかが、Frameworkを選ぶ大きな要素となります。

いいところ:組み立てもカスタマイズも手軽、GPUの新たな選択肢でパフォーマンス向上、USB-C経由での240W電源、長期的に使える安心感

残念なところ:パネルのガタつき、キーボードがちょい不安定、IPS液晶ディスプレイしかない、ある意味DIY費用が高い

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