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教員の働き方改革や少子化を背景に、全国で中学校の部活動を地域クラブなどに移す「地域移行」が進められています。しかし、指導者の確保や生徒の移動手段など、さまざまな課題が浮かび上がっています。

【写真を見る】中学校部活動の「地域移行」が進まない 指導者不足、生徒の移動手段…課題浮き彫りに

難航する人材確保

全校生徒518人の大分市立稙田中学校では、14ある部活のうち3つに外部指導員がいます。吹奏楽指導歴35年の伊藤喜美子さんは教員を退職後、指導員になりました。

(伊藤さん)「子どもと関わりたいと考えている先生は多いと思います。音楽という作品をつくる過程で仲間づくりを学ぶなど、いましかできない貴重な体験をサポートをしたいと思っています」

(吹奏楽部顧問)「放課後の係会議の間も部活動を見ていただけるので、安心して任せられ、非常に助かっています」

稙田中学では、専門的な教員のいないバスケットボール部とサッカー部でも外部指導員が活動しています。

(サッカー部顧問)「自分はサッカーの経験がほとんどないので、技術的な指導をしてもらえるのがすごくありがたいです」

大分市の公立中学校では、外部指導員の制度を10年前から導入。市内410ある部活動のうち、180人が指導にあたっています。大分市教委では今年8月、推進委員会を立ち上げましたが、すべての部活動に外部指導員を導入するには大きな壁があるといいます。

(大分市教委体育保健課 三島浩昭課長)「人材の確保が課題です。量だけではなく、指導者の質も考えていく必要があります」

こうした状況を受け、県も人材の発掘・育成をサポート。毎年、指導者向けの講習会を開いてるほか、去年からは人材バンクを立ち上げ、各市町村とのマッチングを図っています。しかし、地域クラブの指導者も難しさを感じています。

(ソフトテニス指導者)「競技によってそろうところもあれば、そろわないところもあると思います。その差が全競技の地域移行化に向けては課題になっているんじゃないか」

(女子バレー指導者)「今までは先生が一貫してやっていたところを、どう生活の中でいかしていくかをスポーツ指導者自身が考えていく必要があると感じます」

タクシー送迎で支える現場

一方、少子化の進む豊後大野市では、部活動が軟式野球、女子バレー、卓球の3つしかなく、野球とバレーは3校合同で活動しています。

(緒方中1年)「選択肢が卓球かバレーしかなく、みんながバレーをやるって言ってたのでついていきました」

課題の一つが移動手段です。練習場となっている学校以外の2校から通う生徒は、タクシーで移動しています。送迎は原則として中学校間で行われ、費用は市が負担。タクシーは月4回まで利用でき、保護者からも好評です。

(保護者)「土曜日は自分も仕事で連れて行けないときがあるので、そういう面では助かっていますね」

国は今年度までを「改革推進期間」としてきましたが、移行が進んでいない地域が多いため、2026年度から2031年度までを「改革実行期間」として取り組みを進める方針です。

少子化や指導者の確保など、転換期を迎えている中学校の部活動。子どもたちがスポーツや文化活動に打ち込める環境をどう守っていくのか――地域の実情に応じた柔軟な取り組みが求められています。