半年以上会えていない89歳の義母とビデオ通話成功! お古のiPhone 6とLINEモバイルなら出費は最小限
筆者も、お盆は徳島に帰省するつもりでいたが、最近の状況では徳島の母や兄に迷惑をかけることになるため、今年の帰省はあきらめた。
いまや強い要請が出ていない都道府県でも、県外移動を自粛する動きは広がりを見せているように感じる。筆者の友人も次々と帰省をあきらめている。
筆者の義母は浜松で老人ホームに入っている。
新型コロナウイルス感染症が拡大するまでは頻繁に一人で外出していたし、正月には東京にも来ていた。しかし、コロナ禍では、緊急事態宣言とは別に施設独自の方針により、まったく外に出ることができなくなっているし、県外からの訪問もNGだ。
現在、筆者の実母や実兄には、オンライン帰省と称してPC上で何度か会うことはできている。
しかし義母にはお正月に会ったきり半年以上会えていない。
オンライン帰省したくても、とにかく施設に入れないので、パソコンを送ったところで傍らにアドバイスしてくれる人がいなければ義母だけで操作するのは絶対に無理だ。
いろいろ考えた末、筆者が仕事に使っているiPhone 7(+LINEモバイル)を送って、LINEでのビデオ通話ができるかどうかチャレンジしてみようということになった。
ちなみに施設にWi-Fiはないので、モバイルデータ通信となる。
その話をすると、義母も乗り気になった。
できるだけ簡単に操作できるように、いろいろ考えてみた。
パスコードなど入力しなくてもすぐに画面が表示されるようアンロックにしておいた。そして、電源長押しで電源を入れさせるのも難しいと思ったので、電源は入れたままで送ることにした。
バッテリーが持つかどうか、セキュリティ的に大丈夫か、少々心配ではあったが。
金曜日に発送、土曜日に到着、日曜日にテスト通話、というスケジュールで進めた。
思い立ったのが木曜日だったが、日曜は義姉が筆者宅に来ることになっていたのでバタバタと準備してこのような日程にした。
無事土曜日に到着したようだが、日曜日までは触らないように言っておいた。
そして日曜日。義母のガラケーとこちら側のスマートフォンでまずは電話をつないだ。
■iPhone 7でビデオ通話チャレンジ
いよいよ、テスト実施。電話で説明をしながらのチャレンジだ。
箱を開けてもらい、画面をつけてもらう。

このような取扱説明書を同梱した
筆者「下の中央の丸いボタンを押して」
義母「ご用件は何でしょう? って表示されるけど」
――やっぱりそうか。
iPhone 7を義母に送る前、家人を義母に見立てて事前テストしてみたのだ。
すると、同様の状況になった。
ボタンを強く押しすぎて、Siriが起動してしまうのだ。
この状況になることは想定していたので、強く押しすぎだということを説明し、
「軽すぎず強すぎず、エレベーターで階数のボタンを押すぐらいの感じで」と言ってみた。
すると、無事ロック画面が登場した。そしてもう一度ホームボタンを押す。
次に「LINE」のアプリアイコンを押すのだが、こちらも強く押しすぎてサブメニューが出てしまったようだ。
スマホを触ったことがない人に、画面のタッチ感を説明するのは非常に難しいと感じた。
「とにかく触れるか触れないかぐらい、ソフトなタッチで」など、
いろいろと手を替え品を替え説明してなんとか次に進むことができた。
そして無事ビデオ通過を開始することに成功!

なんとか接続に成功した
動く義母を見るのは本当に半年以上ぶり。
義母も筆者たちの姿を見て涙していた。
さあこれからいろいろ積もる話をしようとしていた矢先、突然向こうの動画がオフになった。
音声はつながっているのだが。
何かの拍子でビデオボタンを触ってしまって動画をオフにしてしまったのだと思った。
そこで、「じゃ、一旦切りましょう。画面に軽く触れたら右上に×が出てくるのでそれをタップして」と説明するも、×マークが出てこないと。
■通話が切れない
どうにもこうにもならないので、そのまま事務局に持って行って誰かに見てもらって、ということに。iPhoneを持ち、ガラケーで話をしながらエレベーターで移動。
すると、施設長さんに出くわしたらしく、iPhoneと電話の両方を渡してもらった。
「バッテリーがないので動画が切れてるみたいですよ」とすんなり原因を教えてくれた。
「通話を終了する」作業をお願いし、事なきを得た。
おそらく、中央に「バッテリー残量が少なくなっています」といった旨のメッセージが出ていて、なんらか選択しないと元の画面に戻らなかったのだろう。
一生懸命×マークを出すことばかりを説明しようとしていたが、まったく的外れだったわけだ。
リモートでの説明は本当に難しい。
やはり、電源を入れたまま丸二日は厳しかったのだ。
一応、充電用備品も入れていたので、充電方法を説明する。
こちらはすんなりとうまくいった。「稲妻マークが出ている」と言うので、充電できている証拠だ。
■再トライするも…
結局、その後はガラケーの音声電話で近況などを話す。
そうこうしているうちに、充電がそこそこ貯まってきたようだ。赤だったのが緑になったという。
ではもう一回やってみようか、ということになった。
同じ操作をやってもらうのだが、アプリアイコンのタップがうまくいかず、どうしてもサブメニューが出てしまっているようだ。
そのうち、今まであったところにそのアイコンがなくなってしまったという。
おそらくサブメニューからアプリを削除してしまったのだろうと思った。
仕事用の端末だしトーク内容は残っていなくても問題ない。
一応これはテストだし、仕事用の端末なのですぐに送り返してもらうことにしていた。
うまくつながっていたとき、
「こんなに簡単にできるなら、私もこれが欲しい」
と義母が言ってくれた。
iPhoneだと画面が小さすぎるので、タブレットがいいかなと思った。
しかしiPhoneでも大丈夫なようだったので、義姉が最近買い換えたお古のiPhone 6で義母のビデオ通話環境を作ることに決めた。
■iPhone 6+LINEモバイルでビデオ通話用端末を準備する
着払いの送り状を入れていたこともあるが、翌日にはもうiPhone 7が送り返されてきた。
iPhone 7を見てみると、LINEアプリが削除されたわけではなかった。
押したままスワイプしてしまったため、2面目の画面にアイコンが移動しただけだった。
削除ではなく画面移動かもしれないとは思ったが、そのときはスワイプを教える気力が筆者にも残っていなかったのだ。
ここからは気持ちを切り替えて、義母用iPhone 6の環境整備だ。
まずは、LINEモバイルの契約。筆者は自分用のLINEモバイルを契約しているので、事務手数料が安くなる。さらに、義母はLINEでのビデオ通話しか使わない予定なので、コストは以下の通り。
登録事務手数料 500円(通常3,000円のところユーザーは2,500円引き)
SIMカード発行手数料 400円(マルチSIM)
月額使用料 600円(500MBのデータSIMベーシックプラン)
初月は990円(税込み)が別途かかるが、翌月からは662円(600円+ユニバーサルサービス料+税)でOKだ。
ほかのSIMと比較することなく即決でLINEモバイルにしたのは、LINEモバイルならデータ容量が少ないプランでも、LINEを使う分にはデータフリーだから(カウントされないから)だ。ビデオ通話がその対象かどうかが不安だったが、ビデオ通話も対象だったので安心して最安プランで契約。
SIMはすぐに届いた。iPhone 6用にナノSIMの大きさにカット。マルチSIMなので、スマートフォンのSIMサイズにあわせてカットする。これなら提供側も在庫を1種類しか持たなくていいし、受け取る側もとりあえず受け取ってから確認しても大丈夫なので安心だ。
そして、保護ガラスと保護ケース、ライトニングケーブルも購入。
保護ケースは筆者の好みに合わせてクリアに。一応、見栄えもきれいにしておいたほうが義母も気持ちいいだろうと考えた。
ライトニングケーブルは、とにかくできるだけトラブルを避けたいので、純正を購入。

見た目はかなり美品に近づいた
義母用iPhone 6のホーム画面には、ほぼ一切アイコンを置かず、LINEのみドックに配置。そして、iPhoneの「ショートカット」機能を利用して、ワンタップで筆者たちのグループにビデオ通話がかかるようにした。


取説を改訂し、バッテリー残量の説明も追加
■iPhone 6でのデータ通信トラブル
設定が完了したので、iPhone 7のときと同様の方法で発送。
到着したら一旦充電してもらい、通信しようとするもうまくいかない。
またしても施設長さんにお世話になった。
「データ通信ができません、となっていますよ。」
とのこと。
よく考えたら、送る前に動作検証したのはWi-Fi下だった。
Wi-Fiを切っての動作確認をしていなかった。大失態だ。
これはどうしようもないと思い、またしても送り返してもらう。
返却されてきてWi-Fiなしで確認すると、やはりAPN構成プロファイルが壊れているようだった。
もう一度構成ファイルを入れ直し、Wi-Fiなしの環境で動作検証を実施。
今度こそうまくいったので、再発送する。
ギリギリ日曜日に間に合ったので、義姉にも連絡し、3拠点でつなぐことに。
■iPhone 6でビデオ通話
今回工夫した点は以下の2点。
・ホームボタン長押しでSiriが起動する設定をオフに
・触覚タッチの感度を少し鈍く
強く押してしまうことへの対策だ。
いよいよビデオ通話の時間。
あらかじめ充電しておいたので、ケーブルを外して画面をつけてもらう。
ホームボタンを2回押してホーム画面までたどり着いた。
そしてショートカット画面に遷移するためには右側にスワイプする必要がある。
取説にも書いたが、改めて口頭でも説明。するとスワイプ操作はすんなりとうまくいった。
あとはショートカットアイコンを押すだけでつながるはずだ。
「軽くタッチして」というと、接続大成功!

タップするだけですべて自動でやってくれるように動作を登録
義姉夫婦も参加し、3拠点でのビデオ通話ができた。
義姉宅で飼っているわんこも登場し、ひとしきり「エアよしよし」をする。
義母は、いろいろ積もる話をするのかと思いきや、つながったこと、わんこに会えたことに満足し、
「切るのはどうするんやったかね」と、すでに終了操作をしようとしている。
「画面に触れて右上に×マークを出す」という作業がなかなかできなかったが、突然画面が切れたので、どうやら成功したようだ。
このようにして、ようやく義母とのビデオ通話環境が整った。
今後何度かやっていくうちに操作にも慣れてくるだろう。
筆者たちとはもういつでも会えると思うと、今度は九州にいる実妹とビデオ通話したいと言い出した。
義姉からいえば叔母にあたる。叔母は携帯電話すら持っていないらしいので、いとこを通してアレンジしようということになった。
ここでもIT担当の筆者はおそらくメインであれこれお世話を焼くことになることだろう。
とはいえ、コロナ禍の現在、スマートフォンを通して会いたい人の動く姿を見ることができるのは本当にありがたい。
実際に会えることを心待ちにしつつ、それまではビデオ通話に活躍してもらおう。
執筆 内藤由美
