バイトでケガしたら、どうなる…(写真はイメージ)

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大型で非常に強い台風19号が東海〜関東へ週末に上陸と予想され、サービス業などの人たちから、ある懸念の声がネット上で出ている。

それは、アルバイトなどを拒否したらペナルティが認められるのか、もし出勤してケガしたら勤め先の責任になるのか、といった点だ。労働問題に詳しい専門家に話を聞いた。

「なんでバイト休みになんねえんだよお」

「台風なのに土曜にバイトが入った」
「バイト来れる?とか聞かれて『え、死にたくないです』って答えちゃった」
「なんでバイト休みになんねえんだよお」

台風が接近し、その影響の雨も降り始めた2019年10月10〜11日、ツイッター上などでは、こんな悲鳴が相次いだ。

気象庁によると、今回の台風は、神奈川県の三浦半島に上陸して1200人以上が犠牲になった1958年の狩野川台風に匹敵する記録的な暴風雨になる恐れがある。大雨の特別警報を発表する可能性もあり、厳重な警戒を呼びかけている。小売り、飲食などの大手企業でも、早々と営業休止を発表する動きが続く。

しかし、サービス業を中心に、土日に仕事を入れられた、といった声もネット上で相次いでいる。

ある外国人留学生は、バイト先のコンビニに電話して休みを取ると、「今回休みいいけど台風でもみんな来るよ」と嫌味を言われたとツイッターで告白した。また、バイト先に電話すると「通常営業だけど」「何言ってんの?」といった対応をされた、父親から「サービス業は休みにならない、お客さんが来る」などと言われて家族ゲンカになった、といった投稿なども見られる。

そんな中で、アルバイトをしているというある女子大生が10日にツイートした内容が話題になっている。バイトを拒否して懲戒処分を受けても労働契約法上は無効になる、バイトしてケガしたときは同法違反で勤め先に賠償責任が生じる、などとしたメモの写真がアップされており、本当なのかと関心が寄せられ、1万件以上もリツイートされている。

「バイト拒否には相当性があり、処分は無効になる」

勤め先がバイトなどを懲戒したときについて、労働契約法第15条では、「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」とある。また、勤め先が解雇したときも、同法第16条で、同様な内容が書かれている。

バイト拒否による処分は、法的にどうなるのだろうか。この点について、労働問題に詳しい佐々木亮弁護士は10月11日、J-CASTニュースの取材にこう話した。

「台風でバイトに来られなかったのでは仕方がありませんので、社会通念上、バイトを断ったことには相当性があると思います。身の安全を図るためのやむを得ない手段と考えられますので、バイトへの処分は、客観的、合理的な理由がなく、無効となるでしょう」

一方、バイトに出てケガをした場合については、ツイートのメモのように、勤め先が労働契約法第5条(安全配慮義務)違反に問われるのだろうか。この点について、佐々木弁護士は、こう言う。

「外に出るような仕事をさせれば危険ですので、雇用主の過失が問われます。労働契約法違反になりかねず、過失があれば賠償責任も生じるでしょう。通勤のときは、会社に注意義務はありませんので、事案によると思います。業務に起因するケガですから、労災に該当し、勤め先に向かうときであれば、通勤災害になります」

なお、厚労省の労働関係法課では、バイト拒否による懲戒処分は労働契約法第15、16条、バイトでケガなら同法第5条違反に該当する可能性はあるが、ケースバイケースであり、司法で判断される民事の事案だと取材に答えた。また、同省の補償課では、バイトのケガについて、労災や通勤災害と認められる可能性が高いとしている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)