【A4studio】ファミレスの王者「ガスト」店舗数の減少が止まらない…背後にあった「商品のクオリティ」と「価格」の乖離

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ガスト」が静かに街から消えていく

物価高が止まらないなか、かつてリーズナブルな価格で人気となっていたファミレス業態は苦境に立たされているようだ。

ファミレス業界で店舗数1位を誇る「ガスト」だが、現在既存のガスト店舗が他ブランドへ続々と“衣替え”されている。

ガストを運営するすかいらーくHDは、2024年に買収した北九州発のうどんチェーン「資さんうどん」の店舗を、2030年までをめどに現在の約4倍にあたる400店舗に引き上げると発表し、既存のガスト店舗などを、より割安な業態である資さんうどんの店舗へと切り替えていく方針だ。

さらに郊外のガスト店舗は、すかいらーくの新業態であるイタリアンレストラン「ペルティカ」が出店の傾向を強めている。

こうしていまガストが静かに消えつつある背景にはどんな事情があるのだろうか。外食産業に精通するフードアナリスト・重盛高雄氏に解説していただく。(以下「」内は重盛氏のコメント)

毎月数店舗単位で徐々に減少

1200店を超え、ファミレスのなかでは店舗数最多を誇るガスト。他ブランドの転換による店舗数の減少は実際どの程度起こっているのだろうか。

「2026年最新のすかいらーくHDのデータを見てみると、毎月数店舗単位で徐々に減少していることがわかります。一方で資さんうどんは2026年1月には95店舗、2カ月後の3月には101店舗となっています。

そのほか店舗数が増えているチェーンが『しゃぶ葉』です。こちらも毎月微増傾向になっています。しゃぶしゃぶという商材はそれなりに豪華な食事として一般的に認識されており、安く提供する必要がないものですので、多少価格が高くても客数が落ちることはなく採算が取れやすいということからしゃぶ葉が増えているとみられます。

これらの傾向から、実際にガストの“衣替え”方針は進んでいるとみていいでしょう」

他ブランドへの転換が進むワケ

ガストの他ブランドへの転換が進んでいる理由について重盛氏はこう指摘する。

ガストは度重なる値上げで、商品全体の価格帯が上がってきています。ファミレスのなかではサイゼリヤなどと並び比較的リーズナブルなイメージがあったと思いますが、値上げによる価格帯のズレが近年は目立ってきてしまっているのです。

また商品のクオリティと価格との間の乖離も強まってきていて、全体的に消費者が期待する“安さ”や“コスパのよさ”を実現できなくなってきたことが、ガストの勢いが落ちてきてしまっている最大の原因だと言えます」

ちなみにガストは2024年以降、年に1〜2回のペースで商品の値上げを実施している。看板メニューの『チーズINハンバーグ』の単品価格は税込714円〜824円で、ライスやドリンクバーも付けると1000円を超える。店舗数2位のライバルチェーン『サイゼリヤ』の客単価は、2026年決算資料によると870円となっているため、やはりガストの割高感は否めない。

またガストが他ブランドへの衣替えを実施している背景には、すかいらーくグループのこんな戦略意図もあるという。

ガスト跡地に他ブランドを出店することは、ガストから一度離れてしまった顧客を呼び戻す機会となります。新しい立地に出店するよりも、顧客に馴染みのあった場所に新ブランドを出店するほうが、話題性を作りあげることができ、顧客の興味を引くことができるのです。こうすることで、グループ全体の売上につなげようという意図があると考えられます」

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