高齢者の視点と若い心で “湧き出るアイデア”で発明品 生み出すのは石川・小松の80代コンビ
石川県小松市に、日々の暮らしをちょっと便利にする発明品を、次々に生み出すコンビがいます。いったいどんな発明品が生まれているのか、作業の様子を取材しました。
訪ねたのは、小松市粟津温泉近くの作業所。
ここで発明品を作っているのが、清水豊さんと、山下正則さんの2人組です。
細かい作業もテキパキとこなすこの2人、お年は…
「(山下さんは)82歳やぞ。こっち(清水さん)は86歳や、恥ずかしいわ。後期高齢者や後期高齢者」
ともに80歳を超える元気な2人は、7年前からこの作業所で開発を始めました。
Q. これが発明品?何に使うんですか、これは?
「片手で水を出して洗うのは難しい。こうして、こうすれば両手で洗える」
見せてくれた発明品は、その名もシャワーホルダー「カチットくん」。
上に向ければスプリンクラーに、ポールを挟めばバリケードにも早変わり。
すでに地元の農協でも、販売しているそうです。
開発中のものは、他にも…
「これは試作品。こうすれば(ズボンが)まっすぐなるやろこれ、なんでやいうと、財布とか携帯とか名刺とか(ズボンに)入れてると落ちるでしょ。曲げてやると。ですから、こうしたらどうかということで」
ベルトループに通しにくさがあるなど、まだまだ改良が必要だそうです。
他にも、箸が置きやすい箸置きや、花を長持ちさせる花器など、暮らしをちょっと便利にする発明品の数々を、いくつも並行して開発しています。
清水 豊 さん:
「若い人だとこんな事考えるかね。ある程度歳がいったら、どうやろ」
山下 正則 さん:
「やっぱり困っていることと、つらいこと、これをすれば楽になるんやないかと、そういうことやな」
約20年前、建築の仕事を通して知り合った清水さんと山下さん。
主にアイデアを出すのは現役の左官職人の清水さん。過去には左官道具で、特許を取得したこともあります。
清水さんのアイデアを形にするのが元建築士の山下さん。経験を活かし、図面に落とし込みます。
「ボケ防止の一環や」
「私の知り合いに脳検査の先生がおいでるんやけど『山下君、あんた年いかんはずや。それ(発明)が一番何をするより、どんな薬をのむより薬やよ』と」
この日、2人が取り組んでいたのは「カチットくん」の改良。
「これは今から考えてやろうかと」
「今度はこれをこういう風にしようという、これがこの図面、開発していこうとする図面や」
使う人の意見を取り入れて、さらなる利便性を目指します。
清水 豊 さん:
「いいねと言ってくれる人は全然、私たちのお客さんじゃない。悪いこと言ってくれる人ほどお客さんや」
山下 正則 さん:
「文句を言ってくれる人がお客さんや」
高齢者ならではの視点を持ちながら、若い心で次々と湧き出るアイデア。2人の発明は、まだまだ続きます。
