男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-あの時、彼(彼女)は何を思っていたの…?

誰にも聞けなかった謎を、紐解いていこう。

さて、今週の質問【Q】は?

▶前回:クレカは使い放題、移動はタクシーの34歳セレブ妻。しかし、結婚9ヶ月で急に離婚を切り出され窮地に…




約1年半前、私は4年も交際した彼氏と別れて、絶望の淵にいた。

― 30歳までには結婚する…!!

付き合っている頃に、そう固く決意をしていた私。しかし28歳の時に彼氏と別れることになり、人生終わったくらいに落ち込んでいた。

そして半年後。

友達に勧められるままマッチングアプリを使い、何人かと会った。そしてそのうちの一人、恭平とは1年付き合った今、私はプロポーズを受けている。

誰もが憧れる、外資系高級ホテルのスイートルームで、部屋に入ると大きなバラの花束に、あのブランドの婚約指輪…。

「日奈子、僕と結婚してください」

そう言って跪きながら、私の左手の薬指に指輪をはめてくれる恭平を見て、不意に涙がこぼれ落ちる。

― 夢を見ているみたい。

嬉しさと幸せの感情に溺れながら、私はこの1年を振り返ってみる。どうして私が、こんなにも幸せになれて、スムーズに結婚まで至ったのかを…。


Q1:初対面の時、男が「いいな」と思った女の言動は?


前の彼氏と別れたのは、恭平と出会う約半年前のことだった。社会人2年目の時に出会った元彼は本当に大好きで、彼と結婚すると信じて疑っていなかった。

でも若すぎたのか、長く一緒にいすぎたのか…。彼の仕事が忙しくなり、会えない時間が増えていく。それに不安と不満を募らせていき、だんだんすれ違い、最後は破局を迎えてしまった。

その経験が邪魔をして、「もうしばらく彼氏はいらない」とさえ思っていた。

しかし残酷にも、時間は経つし、年齢も重ねていく。

“30歳までに結婚”するならば、悠長なことを言っている暇はない。しかし周りは結婚ラッシュで、出会いも減っていく…。そう思い焦っていると、友達が「やっぱりアプリ」と言っており、私も登録することにした。

長年彼氏がいたので、実はアプリに登録するのは初めてだった。

「でも、周りもみんなアプリで付き合ったり、結婚したりしているしな…」

そう思い、登録した夜。仕事を終えてスマホを開くと、あまりの「いいね」の多さに驚いた。

「え、こんなにいるの?」




しかも一見、みんな良さそうな人たちばかりだ。その中で誰を選ぼうか迷っていながらメッセージを見ていると、手が止まった男性が一人いた。

それが、恭平だった。

― K:こんにちは、恭平といいます。僕も丸の内勤務です!もしよければお返事いただけると嬉しいです。

シンプルだけれども、人の良さも伝わってくるし、変な人ではなさそうだ。プロフィールを見ると、総合商社勤務と書いてあり、顔も肩書も悪くない…いや、むしろその逆で素晴らしかった。

なので早速私は返信をしてみる。するとすぐにメッセージのやり取りが始まり、一週間後。私たちは金曜の丸の内で、会うことになった。

しかもその前に、ちゃんと恭平はお伺いを立ててくれた。

― K:いきなりディナーでも大丈夫ですか?時間的に長くなってしまいますし、サクッとお茶とかランチが良ければ遠慮なく言ってください!

「なんてちゃんとしている人なんだろう…」

会う前から、彼の人の良さが伝わってきて、会うのが楽しみになっていく。そして当日。恭平が予約してくれた『THE UPPER』へ着くと、恭平はわざわざ席を立って挨拶してくれた。




「初めまして、恭平です。日奈子さん、ですよね」
「初めまして、日奈子です。お写真より…身長高いんですね」
「そうなんです、無駄に高くて。日奈子さんも、お写真と変わらないというか、可愛いです」

誰かに面と向かって「可愛い」なんて言われたのは、いつぶりだろうか。前の彼氏と別れる直前なんて、そんな言葉はもうなくなっていたので、新鮮で嬉しい。

そして食事が始まったのだけれど、恭平はイメージ通り爽やかで、とても素敵な人だった。

「そうなんですね、そんな長く付き合っていた彼とお別れしたからアプリを…」
「そうなんです。でも恭平さんの方こそ、すごくモテそうなのに」
「いや、たしかに飲み会とかは多いんですが、あまりピンと来なくて」

初回だけれど、お互いの恋愛遍歴など結構素直に話をした気がする。しかも恭平の話が面白くて、私は思わず聞き入ってしまうこともあった。

「日奈子さんって、何を話しても笑ってくれるし、ずっとニコニコしているから、勘違いしそうです」
「恭平さんのお話が面白いからですよ!」
「本当ですか?よかった。僕関西出身なせいか、“面白い”って言われるの、すごく嬉しいんです」
「関西のどこですか?私、母が関西出身で」

そこからも話は終わらず、でも時間が来てしまったので、私たちはすぐに次に会う約束をして別れた。


Q2:マッチングアプリで女が結婚まで持っていけた勝因は?


そして二度目のデートも初回と変わらず盛り上がった。この日は恵比寿でご飯をしたのだけれど、初回よりもお互いリラックスした状態になり、マッチングアプリを使っている目的も確認できた。

「じゃあ恭平さんは、結婚願望があるんですか?意外」
「そうなんですよ。日奈子さんは?」
「私もあります。でも、緊急で!!という感じではなくて、良い人がいれば結婚したい、という感じですね」
「そっか、先に結婚ありきじゃないんですね」

そんな話をした記憶がある。そして三度目のデートは、昼間に会うことになった。「付き合う人とは、一度昼間も会っておきたい」というのが恭平の持論らしい。

表参道の『CICADA』でランチをし、その後はぶらぶらしながら買い物をする、という理想的なデートプランだ。




開放的なテラス席を眺めながら、私たちはメニューに見入る。

「どうしようかな…お昼だけど、一杯飲んじゃおうかな」

恭平がなぜかためらっているので、私は笑顔で勧めた。

「もちろんですよ、どうぞ。それなら私も一杯飲んじゃおうかな」
「せっかくですしね!」

こうして恭平はビールを、私は白ワインのグラスをいただくことにした。土曜の夏の昼下がりから飲む一杯は至福すぎて、飲んだ瞬間、思わずお互い顔を見合わせて笑顔になってしまった。

「美味しい…!」
「最高ですね。そして日奈子さん、めっちゃいい笑顔しますね。ワインのCM出れますよ」
「本当ですか?絶対嘘だ(笑)」

そして三度目のデートなのに、私たちは話すことが尽きなかった。恭平は話し上手なので、話しやすかったこともある。でもお互い無理せずに話している…という感じだ。

「日奈子さんって、意外ですよね。見た目は“THE 丸の内”って感じなのに、気さくで話しやすいし、よく笑ってくれるし」
「どんな見た目なんですか、それ」

美味しい地中海料理に、眩しいほど輝いている外の太陽。この時間が、とても大切でそして「ずっと続けば良いな」と思う。

そしてお会計になった時、いつも通りさっと支払おうとしてくれたので、私は慌てて止めに入る。交際前だし、毎回ご馳走になりっぱなしはきっと印象も悪い。その計算も、もちろんあった。




「毎回ご馳走になってばかりなので…ここは私が」
「いいですよ、デートですし」

こう言われて、私も考えた。素直に甘えるべきか、多少は誠意を持って支払い、「この子、お金にガツガツしていない」とちゃんと見せるべきか…。

「じゃあ、次回行きたいお店があるので、お付き合いいただいてもいいですか?私の行きたいお店なので、私に奢らせてください♡」
「わかった、ありがとう」

こうして、お店を出て歩き始めようとした。するとその瞬間、急に恭平が立ち止まった。

「どうしたんですか?」
「日奈子さん、僕と付き合ってくれませんか?」

道の途中でそんなことを言われ、最初私はうまく聞き取れなかった。でもだんだんと状況を理解し、なぜか私も動揺してしまった。

「え?あ……え???あ、はい!もちろんです」

そんな感じで始まった、私たちの交際。結果、交際後も順調で、最初に話していた通り、恭平は結婚を早くしたかったようで、交際1年でプロポーズとなった。



「どうして私と結婚しようと思ったの?」

薔薇の花束を抱えながら、私は恭平に尋ねてみる。すると彼は、ニコッとしながらこう答えた。

「最初から、なんとなく決まってた感じかな。交際する時に、『この子となら一緒に楽しく歩んでいけそうだな』と思ったから」

▶前回:クレカは使い放題、移動はタクシーの34歳セレブ妻。しかし、結婚9ヶ月で急に離婚を切り出され窮地に…

▶1話目はこちら:「あなたとだったらいいよ♡」と言っていたのに。彼女が男を拒んだ理由

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男がアプリでの出会いから、結婚を決めた理由は?