男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「妻が突然、夫の食事を作ってくれなくなった理由は?」という質問。さて、その答えとは?

▶【Q】はこちら:「もう、あなたのご飯は作りません」夫が突然、妻からそう宣告された理由とは




「ただいまぁ〜」

金曜夜19時。仕事を終えて上機嫌で帰宅した宏之に対し、私は分かりやすく冷たい視線を投げかける。

「あぁ、お腹すいた」

だが夫の宏之は、私がここ数日で決意したことをまだ知らない。

手洗いうがいを済ませ、笑顔で娘の陽葵(ひまり)の方へやってくる宏之。娘も嬉しそうで、食事なんてそっちのけでパパに夢中である。

そんな様子を見て、私は静かに言い放った。

「悪いけど、宏之は外で食べてきてもらっていい?宏之の分のご飯はないから」
「え・・・?」

宏之は缶ビールを手にしながら、動揺を隠せないようだ。

「え?な、なんで?」
「何でって・・・。あなたにご飯を作りたくないの」

呆然としている彼に、私は半ば呆れていた。

「何も気がついてないんだね」

本当に、何も気がついていないのだろうか。私が夫に食事を一切作りたくないと思うようになった理由を。


夫に対して溜まりまくっていた妻の不満とは?


A1:料理に不満があるなら、勝手に自分でやってくれ!!


宏之とは、交際期間1年を経て結婚した。

もともと外食が好きで、結婚してからも よく二人で外へ食べに行っていた。けれども娘が生まれてから、当然の如く生活は一変。

出産を機に仕事を辞め、家にいることが多くなった私とは対照的に、いつも忙しい宏之は、職場や帰宅途中で食事を済ませてくることがしょっちゅうだった。

必然的に夕飯は、娘と私の二人で済ませることが多かったのだが、ステイホーム期間となり、夫は家でご飯を食べる頻度が格段に増えた。

そのせいもあり、結婚後も極力気にしないようにしていたことが、余計に目につくようになってしまったのだ。

例えば、いつも通りにご飯を作ったある日のこと。

「宏之、今日の晩御飯カレーだけどいいかな?」
「もちろん!ありがとう!」

娘の分とは別に、大人用に作ったカレーライスを夕飯に出した。正直、子供用と大人用の食事をそれぞれ作るのは面倒である。

だから宏之がいない時は、残り物や大雑把な料理など、自分が食べる分は適当に済ませることがほとんどだった。

しかし、夫がいるとなると話は別である。ちゃんとしたご飯を作らねばならない。

「はい、どうぞ。こっちは宏之の分ね」

こうしてカレーを差し出すと、宏之は目を輝かせる。

「うわぁ、ウマそう!!」
「ごめん、ちょっと今日のカレー甘いかも」

私がそう言った瞬間だった。




「たしかに甘いけど、仕方ないよ。そう言えばガラムマサラ、家になかったっけ?それちょっと足してみる?」
「あったと思うけど、今から加えるの?」
「うん。加熱して加えればいいだけだから。僕がやるよ!」

-え?まさかのやり直しですか??

呆気に取られていると、夫は平然とカレーに再び火を入れ、何やらスパイスを加え始めた。忙しい中わざわざ作った料理だ。黙って食べてくれればいいのに、夫の態度は正直鬱陶しい。

「わぁ!美味しい!!さっきより全然美味しいわ(笑)宏之、ありがとう」

一応お礼を言ってみるものの、当然私はイラッとしていた。

それだけではない。私の料理に対しては何も言わなかったくせに、自分で作った料理はとにかくベタ褒めしているのだ。

「でしょ?めっちゃ美味しくない??ちょっとのスパイスで変わるよね、料理って。でもベースは杏里のカレーがあったからできたわけで。ありがとう」

-は?そんな自分の料理“だけ”絶賛するなら、自分で作ったら?

こちらは娘の分と大人用、二度手間で作っているのだ。そんな気も知らず、私の料理については感想すら言わない。

「今度、僕が作るよ。スパイスが沢山入って、野菜のブイヨンとかもしっかり入れた特製カレーを」
「なにそれ。もう聞いただけで美味しそうなんだけど!宏之のご飯は美味しいからね」

-そんなことをしている時間、こっちにはないんだよ!勝手に自分好みの味で、作ってください。

もはや喧嘩をする時間さえ無駄に思えて、私は小さくため息をつきながらカレーを食べていた。

だが私が夫に料理を作りたくない、と思った理由はこれだけではない。宏之の性格にも理由があったのだ。


こういう男性、いる・・・。一緒にいると、妻が心底うんざりしてしまう男の性格。


A2:こだわりが強すぎてついていけない。


私の方も、我慢はしていた。専業主婦という手前、家のことは自分がしなければならないし、料理も、夫が好きそうな味を研究するなどしてもっと頑張らないいけないなぁと思っていた。

だがプチっと切れたのが、先週末、家族で大型ショッピングモールへ行った時だ。

最近になってすっかり人が戻ったお店はかなり混雑しており、スーパーなどで一通り買い物を済ませた頃には疲れ果てていた。

「あぁ〜何か久しぶりに人混みに来たら疲れちゃったな。今夜は、このまま外で食べて帰らない?」
「うん、もちろんいいよ!!何がいい?」

こういうところは、夫に感謝している。ご飯を作るよう強制したりしないし、外で食べることに対しても柔軟に対応してくれる。もともと私も外食が好きだし、その点は非常に助かっていた。

だが、ここでもまた問題があったのだ。

フードコートもあったが、夫がそんなところで食べたがらないことはよく知っている。なぜなら食へのこだわりが強すぎて、絶対に美味しいと思えるところでしか食事をしないのだ。

値段は関係ない。安くても高くてもいいが、宏之はとにかく自分の舌に合いそうなお店にしか入らない。

「ここでいいんじゃない?」

しかし私は、広いショッピングモールのフロアを歩くのも疲れてきて、適当に目に入ったところを指差すものの、宏之は首を縦には振らない。

「うーん。何か違うなぁ・・・」

そうこうしているうちに、娘もぐずってきた。当たり前である。お腹が空いた状態でお店を探して歩きまわられたら、ご機嫌斜めになるに決まっている。

夫婦二人ならまだ我慢は出来る。しかし娘もいる状態で自分のこだわりのために飲食店を探しまくる夫が、私は心底嫌になってきた。




「よし、杏里。もういつもの店に行くか」

結局、御眼鏡にかなうお店が見つからなかったようで、車を出して近所のお店へ行くことになった。

-というか、最初からそれでいいじゃん!?

「やっぱりここが一番だね。子供にも優しいし」

ようやくお店に入り落ち着くと、だんだん怒りがこみ上げてきた。

「そうだね。というか、最初からここで良かったんじゃない?」

結構キツく言ったつもりだが、当の本人は何も気がついていない。

「たしかにそうかも・・・ま、そんなこと言わずに。杏里、もし今日飲みたかったら飲んでいいからね!僕が運転するし」
「本当?そしたら、今日は久しぶりに一杯貰っちゃおうかなぁ」

もう飲まないとやっていてられない気分だった。こだわりがあるのはいいことなのかもしれないが、それを家族に強要しないでほしい。

正直ここまで食に対するこだわりが強いと、本当に面倒くさい。時には妥協することも必要で、もっと柔軟になるべきだと思う。

しかも今は独身ではなく、小さな娘もいるのにどうしてそれに気がつかないのだろうか。

「あ、そういえば。今週水木で仕事の会食と友達との飲みが入りそうだから、ご飯いらないかも」
「そうなの?分かったけど、買い物前にそれ言ってよ(笑)気をつけて行ってきてね」

これも、一週間分の買い出しを終えてから言い始める。

たぶん彼は、妻の気持ちを分かっていない。

食材のロスや順番を考えながらこちらは買い物をしているわけだし、娘の分と夫の分、両方作らなければならない気持ちを一切汲んでいないように見える。

-そこまでこだわりがあるなら、勝手にして下さい。

プチっと何かが切れて、私はしばらく夫の食事を作らないことに決めたのだ。

そしてその結果・・・

自分が食べる分と娘の分だけならば、どれほど毎日の準備が楽なのかを、私は改めて悟ってしまったのだった。

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