あなたは、出会ったことがないだろうか?

高収入・高学歴・見た目も悪くない。客観的に見ても女性からモテそうで、結婚していない理由はどこにも見当たらない男性に。

そんな彼らは、口を揃えて「いい人がいたら結婚したいと思ってるんです」と言うのである。

本連載では、彼らに「なぜ結婚しないのか?」という質問をぶつけ、その核心に迫る…!

これまで、姉と共同購入したタワマンに住む男や結婚しない主義の男を紹介した。さて、今回は?




Vol.11 臆病者の男


名前:寿人(37歳)
職業:広告代理店
推定年収:1,000万超

金曜20時。待ち合わせの『虎ノ門ヒルズカフェ』に現れた寿人さん。

颯爽と登場した彼はスーツをパリッと着こなし、いかにも仕事ができそうな男性に見えた。身長は180cm近くありそうで、体格もよい。

「金曜日のビールって最高ですね」

そう言いながらビールを美味しそうに飲む横顔には、男らしさの中にどこか可愛らしさも混じっており、母性本能をくすぐられる雰囲気を持ち合わせている。

広告代理店で働き、見た目も悪くなく好印象。しかし、37歳の彼は未だ独身だという。なぜ結婚していないのだろうか?結婚願望の有無について、まずは聞いてみた。

「結婚したいんですけどね、できないのは完全に僕の性格のせいです」

見た目は爽やかなのに“性格のせい”というと、一体何であろうか。神経質だとか束縛が激しいとか…?あれこれ推測していたら、意外な答えが返ってきた。

「…実は僕、驚くほど臆病者で優柔不断なんです。仕事ではそれなりに評価もされているから、そう見えないってよく言われるんですけどね」

そう言って大きな声で笑う姿から、“優柔不断”という性格だとは想像がつかない。どういうことかもう少し詳しく聞いてみた。


モテそうな寿人さんが、自分のことを臆病者だという理由とは?


「僕が、仕事を一生懸命やっているのには、理由があります。全ては、ただ単に“怒られるのが嫌”というしょうもない動機なんです」

寿人さんは、小学生の頃から優等生タイプ。高校でも成績優秀で、先生や生徒からの信頼も厚かったため生徒会長なども任されていた。そして、指定校推薦で慶應大学に入る。

「就職活動のときは、OB・OG訪問を計画的に行い先輩から情報を集め、念入りに作戦を立てました。第一志望の広告代理店に内定が決まった時は、嬉しかったですね」

就職後は、失敗しないように、先回りしてリスクを洗い出し戦略的に仕事をすすめた。どんな状況でもミスしないように徹底管理するのだとか。




「それもこれも、失敗したくない、怒られたくないという消極的な理由から頑張ってきただけです」

動機はそうだとしても、ここまで成功してきているのだから、感心してしまう。しかも素直に上司の言うことに従うため、可愛がられ、知らないうちにポジションが上がっていたそう。

こうした話をあっけらかんと話すあたりも好感度が高いが、結婚していないこととどう関係しているのだろうか。

「恋愛も人並みにしているように見えるかもしれないですけど、恋愛偏差値は相当低くて…。実は臆病者で優柔不断な性格が、プライベートでは裏目に出て未だに結婚していないと自己分析しています…」

恋愛面ではどのようにその性格が影響しているのか、詳しく話を聞いてみた。

「恋愛においては、守りに入っているせいで、昔から自分の恋愛感情にも鈍感なんですよね。たとえ自分の感情に気付いたとしても、今の関係を崩したくないとか、誘って断られるのが嫌とかいう理由でなかなか誘えないんですよね。

だから、タイミングを逃して片思いのままで終わったりしていましたね。脈がないと感じたら、すぐに諦めてしまいますし…。要は、ヘタレなんです…」

フラれたくない、傷つきたくないという思いから、20代のときは自分からアプローチが全然できなかった。そのため、きっと周りからは、草食系男子と思われていたに違いないと話す。

「女性から積極的にアプローチされて付き合ったこともありましたけど、あの頃は、結婚なんてまだまだだ、と思っていたので」

30代に突入しても本質は変わらず、付き合ったとしても、自分で結婚を決める勇気がなかった。そして、その優柔不断な性格が災いして、本気で好きになった人を失ってしまった苦い思い出もあるという。


寿人さんが、後悔している過去のできごととは?


「2年ほど前ですかね、当時付き合っていた彼女から『好きな人ができた』と言われてある日突然フラれたんです。僕としては、結婚も視野に入れて付き合っていたので、すごくショックでした。でも、こればっかりはしょうがないと思って、何とか気持ちを整理して諦めました」

ところが、別れて半年後、彼女から連絡がきて「婚約する」と報告を受けた。そして、その時に「本当はあなたと結婚したいと思っていた」と言われたそう。「あのとき、引き止めてほしかった」と。

「大混乱でしたよ。今さら結婚したいと思っていたなんて言われても、フッたのは向こうなのに…。確かに、付き合っているとき、彼女は結婚をほのめかしていましたけど、結婚か別れるかなんて選択肢を迫られているなんて思ってもいませんでした」

寿人さんはそう言って、残っていたビールをぐいっと飲み干した。

どうやら付き合っている頃、彼女は寿人さんを試していたようだ。優柔不断な寿人さんでも、誰か他に好きな人が出来たと言ったら、結婚を決めてくれるかもしれないと。

しかし寿人さんは、言葉通りに受け取りプロポーズすることはなかった。




「その話を聞いた時、初めて自分のこの性格を恨みました…。恋愛においては、この臆病者で優柔不断の性格は何の役にも立たないなと。失って初めて気付きました…」

それまではなんだかんだ、人生上手くいってきたから、自分の性格を肯定していたところもあったそう。

「逃した魚は大きかったですね…。今振り返っても、結局彼女が1番僕にぴったりだったなと思いますが、決めきれなかったんですよね」

そして溜息まじりにつぶやいた。

「僕の人生いつもこうなんですよ……」

意を決して恋愛に対する姿勢を変えたいと思ったが、そんなに簡単に性格を変えられるわけもなく、つい最近も同じようなことがあったという。

「デートを何回もして、半年くらい友達以上恋人未満みたいな関係の女性がいました。でも、元カノを引きずっている自分もいたこともあって、なかなか踏み出せなかったんですよね」

自分の気持ちに気付いたときには、彼女には新しい彼氏ができていたとのこと。

「女友達には『ご縁がなかったんだよ』って慰められますが、これは僕のミスだと思っています。女性って幼い頃から男性より精神的に発達しているって言うじゃないですか、あの差って大人になっても無くならないですよね。とりあえず、僕に関しては言えば、圧倒的に精神年齢が低いですね」

本当に優柔不断はよくない、臆病なところをなんとかしなければ…とようやく気付いたそう。そんな寿人さんは「今度こそ」と思っているようだ。

寿人さんが、結婚しない理由は、『臆病者で優柔不断だったから』であった。

▶Next:12月26日 木曜更新予定
最終回:タイプの人は「結婚に向かいない女」。保険会社勤務の男性が登場!