「女として見られてない・・・?」お泊まりデートしたのに、何も求めなかった男の本心とは
恋とは、どうしてこうも難しいのだろうか。
せっかく素敵な出会いをしても、相手に「また会いたい」と思わせない限り、デートにも交際にも発展しない。
仮に、順調に駒を進められても、ある日突然別れを突き付けられることもある。
しかし一見複雑に絡み合った恋愛でも、そこには法則があり、理由がある。
どうしたら、恋のチャンスを次のステップへ持っていけるのか、一緒に学んでいこう。
今回は泊まっても手を出してこなかった男の心理とは?という宿題を出していた。

美緒と出会ったのは、友人の大雅が主催したゴルフコンペだった。全部で3組の計12名が参加していたコンペで、僕の組にたまたまいたのが美緒だったのだ。
細身で可愛らしい美緒はゴルフウェアがよく似合っており、僕は彼女と同じ組になれたことを、心の中で“ラッキー”と思っていた。
「美緒ちゃん、ナイスショット」
「ありがとうございます!」
礼儀正しくて、明るくて可愛い。ゴルフは人柄が出るが、美緒はその点完璧だ。
そして18ホールが終わる頃には美緒とすっかり仲良くなっており、コンペ後の打ち上げでも積極的に話しかけた。
「また今度、ご飯でも行かない?」
そう誘ったのは、僕の方からだ。
そして初デート以降、僕たちは頻繁に会うようになり、距離が縮まっていった。美緒のことは好きだし、可愛いと心底思っている。
けれども、美緒が僕の家に泊まりに来た時、どうしても手を出せなかったのだ。
男がお泊りでも手を出してこない理由とは!?
解説1:二人で何度も食事へ行く時点で、好意の証。
コンペの翌週、僕は早速美緒を誘い、『長谷川 稔』で食事をすることにした。東京に進出すると瞬く間に人気に火がつき、予約困難となった店だ。
幸運なことに前回行った際に早めに予約を取っており、ちょうど美緒も空いていたので連れていくことにしたのだ。
美緒は初デートで緊張しているのが手に取るように分かり、それはそれで可愛い。
「偶然、前に予約取っていてさ。良かったよ、美緒ちゃんが今日空いていて」
「私って、ラッキー!でもさ、流星くんって相当モテるよね・・・?」
「いや、全然だよ。こうやって女の子と二人でご飯行くのとか、久しぶりだし」
「そうなの?何だか嬉しいな」
嘘ではない。女性からの誘いはあるが二人で食事へ行くのは案外面倒だし、本当に気になる子でなければ『長谷川 稔』に連れて行ったりしない。
それに、興味のない子とディナーをするのはお金も時間も無駄である。

そもそも、金曜の夜にデートをしている時点で、僕の中では結構気合いが入っていた。
「流星くんって、今彼女いないんだよね?」
「うん、いないよ。美緒ちゃんもフリーって言ってたよね?」
そんな、初デートらしい会話を楽しんでいる時だった。携帯が振動したのに気がついて開いてみると、この前のゴルフコンペの幹事である大雅からのLINEだった。
「あ・・・この前のコンペの主催者の大雅って覚えてる?今近くで飲んでいるらしくて、後で合流したいって言っているんだけど・・・平気?」
美緒だったら“いいよ”と言ってくれる気がして、思い切ってそう尋ねた。
一緒にいるのがどうでもいい女の子だったら、大雅を断っていただろう。
けれども美緒なら、一緒にいる所を見られても良い。むしろ、光栄なくらいだ。
男は変に見栄っ張りな所があるから、友達に紹介できるかどうかは結構大事なポイントとなる。
「うん!もちろん!」
予想通り快諾してくれた美緒に感謝しながら、結局2軒目から大雅と合流し、三人で飲むことになった。
「あれ?ごめん!まさかのデートだった?うわ〜俺、すげー空気読めないじゃん」
「いや、そんなんじゃないから」
面と向かって男友だちから“デート”と言われるのは、正直恥ずかしい。僕は恥ずかしさをごまかすために適当に大雅をかわしたつもりだった。
しかし、ふと前を見ると美緒が悲しそうな顔をしている。
慌てた僕は、帰り際美緒に約束した。“次は二人でご飯へ行こう”、と。
この初デート以降、僕たちは何度もデートを繰り返し、さらに仲良くなっていった。そして遂に、彼女が僕の家へ来ることになったのだ。
好意はある。それなのに、泊まっても手を出さない理由とは!?
解説2:まだ白黒つけたくない。だからこそ、下手に手を出したくない。
美緒とデートをし始めて約2ヶ月。お互い付き合おうとも言っていないけれど、美緒は意外にも積極的で、会うたびに"好き好きオーラ"を発していた。
「本当にさ、気をつけないと変な男に喰われちゃうよ?」
「だって、私が好きなのは流星くんだから」
ストレートに好意を示してくれる美緒は、本当に可愛い。
僕ももちろん美緒のことはそれなりに好きだし、会うたびに惹かれていく自分の気持ちには気づいている。だけどこの時点では、もう少しじっくり向き合って関係を深め、きっとそのうち自然と付き合うのかな、くらいの気持ちで、のんびり構えていた。
ところが、一旦冷静に二人の関係について考える事態になった。関係性が定まらないまま、僕の家へ美緒が来ることになったのだ。
その日はお互いかなり酒が入っており、二人の雰囲気も良い感じだった。
「そしたら、うちで飲みなおす?」
ありきたりな言葉だったかもしれないが、美緒は黙ってこくんと頷き、二人で一緒のタクシーに乗ってうちを目指す。
しかし、段々と僕は冷静になってきた。
この曖昧な関係の状態で、下手に手を出したくなかったからだ。

「化粧落とす?・・・と言っても、何もないけれど」
家に着いてしばらく軽く飲んだりしていたが、なんだか落ち着かなくて、僕はさっさと寝ることにした。
「え?あ、もう寝る?」
驚いたような顔をする美緒を見ないふりをして、僕はベッドに潜り込む。
彼女が、何かを望んでいることは痛いほど伝わってきた。
僕だって男だし、何にも欲がないといえば嘘になる。
けれどもそれ以上に、今の状況で手を出してしまったら、この関係が一瞬にして終わる可能性があるとわかっていたのだ。
しかしそうかと言って、今日を境に真剣交際に切り替えるのも、何かが違う。
もう少しお互いをよく知りたいし、今はまだこの関係を大切にしたい。
だからこそ、酔った勢いだけで無理矢理進めたくなかったのだ。
遊びならば、もっとどうでも良い子だったら、逆に手を出している。
けれども美緒のことを真剣に考えているからこそ、中途半端な状態で、体の関係を持ちたくなかったというのが本音だ。
しかし少しでもいいなと思っている女の子が隣に寝ていて、冷静でいられるほど、僕も大人ではない。
結局僕はよく眠れないまま、朝を迎えてしまった。こんな僕の気持ちなんて、知る由もないのだろうなぁ。そんなことを思いながら、きっとグッスリ眠っているであろう美緒に背中を向けて、ただ時が過ぎるのを待ったのだった。
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