高いメモリーカードの方が遅い?知らないと損するメモリーカードの速度と価格
SDメモリーカード(エスディーメモリーカード)は、大小さまざまなカードサイズがあり、スマホやタブレットからデジカメ、パソコンなど、幅広い機器で使うことができます。
データを記録できる容量と読み書きする速度によって価格が違いますが、量産効果で価格が安くなる製品で、現在では8GB〜16GBで1,000円前後から手に入れることができます。
安く、手軽に購入できるのは嬉しい限りですが、一方で、製品によっては価格の差があります。安い製品と高い製品があるということは、品質など何かしらの理由があるのでは?と思っている人も多いでしょうが、実際のところ何が違うのかよく分からないという人がほとんどなのではないでしょうか。
そこで、今回は、このSDメモリーカードについて、紹介していきます。
SDメモリーカードは、スマホやデジカメなどの個人データも記録される大事な製品です。しかし、高くても“信頼できる製品を使いたい”という気持ちとは裏腹に、安い製品が簡単に買える現在の状況の中、できるだけ“安く手に入れたい”というのが正直な気持ちでしょう。
データを記憶できる容量で価格が変わるのは分かりやすく、購入する際にも納得できますが、厄介なのがデータを記憶させる際の“データ転送速度と価格の関係”です。
例えば、同じ32GBのカードなのに、種類がいくつもあって価格も全然違う!なんて事を購入時に思った人もす少なくないでしょう。価格の違いにはいくつか要因がありますが、データを転送する速度によって価格が変わるのもその一つです。高速でデータを移すことができるかどうかという性能も価格を左右する要因です。
そうしたことも踏まえSDメモリーカードの知識と選び方について考えてみましょう。
■そもそもSDメモリーカードとは?
まずは、SDメモリーカード(Secure Digital memory cardもしくはSecure Digital card)の基礎知識をおさらいしておきましょう。
SDメモリーカードは、1999年に松下電器産業(現・パナソニック)、サンディスク、東芝が共同開発された規格です。
カードは“最大記憶容量の違い”で、「SD」「SDHC」「SDXC」の3つの規格があります。また、“カード本体の大きさの違い”で、「SD」「miniSD」「microSD」の3種類があり、すべてアダプタを利用することでSDカードリーダーやパソコンなどに搭載されているSDカードスロットで読み書きすることができます。
デジカメなどではアダプタを装着したmicroSDカードでは正常に動作しない場合もあるので、注意する必要がありますが、基本的には小さいサイズのSDカードはアダプタを装着することで、SDカードと同等の使い方ができます。
■SDメモリーカードは、容量でカードの種類が違う
記憶容量でカードの種類が異なりますが、現在もっとも価格が安く、種類も選べることから標準で利用されているのが「SDHC」タイプです。
・SD
記憶容量は、最大 2GBまで、ファイルシステムはFAT12, 16
・SDHC
記憶容量は、2GBから最大32GBまで、ファイルシステムはFAT32
・SDXC
記憶容量は、32GBから最大2TBまで、ファイルシステムはexFAT
それぞれ規格が異なるため対応した機器でないと使えません。例えばSDHC対応の機器で利用できるのは、「SD」と「SDHC」の2種類で「SDXC」は利用できません。
■SDメモリーカードの速度は?
SDメモリーカードの読み書き時のデータ転送速度は、SDスピードクラス(SD Speed Class)という表示で確認することができます。現在主流のSDHCカードでは表示が必須となっていますので、必ず確認できます。万一、表示のないSDHCカードは、本来存在しないはずなので購入しないほうが賢明です。
class(クラス)は、2、4、6、10の4種類に分類され、最大速度ではなく最低限対応する転送速度を表しています。
・クラス 2は、最低で2MB/s
・クラス 4は、最低で4MB/s
・クラス 6は 最低で6MB/s
・クラス 10は 最低で10MB/s
速いSDカードが欲しければ、クラスの大きい製品を買えばよい! と、誰しも思いますよね。
基本的な考え方としては間違ってはいないのですが、実はここに大きな落とし穴があります。
■高いメモリーカードを買ったのに速くない?
クラス表示が義務づけられているSDHCメモリーカードでは、当然クラスによって価格が変わってきます。例えば、クラス6よりもクラス10の方が、販売価格は高くなります。
仮にどちらも同じ価格ならクラス6よりクラス10のSDHCカードを買うでしょう。でも、実際使ってみたら速く感じない、といった経験はないでしょうか?
実際にベンチマークソフトで計ってみると、クラス10とクラス6のカードの速度に差がないというケースも少なくありません。それば何故でしょう。
■最低速度の保証と最高速度の違い
前述のように、クラス毎で保証されている速度は“最低速度”であって、“最高速度ではない”からです。
つまり、クラス表示は、「これ以下の読み書き時のデータ転送速度の製品ではありません」という品質を保証するもので、消費者は一定の品質以上の製品を安心して手に入れることができるという訳です。
しかし、市場では、最低保証の読み書き時のデータ転送速度を超える製品が多く流通しており、同じクラス10のSDカードでも、読み書き時のデータ転送速度に大きな差が出るのです。
■高速なSDカードはどこが違うの?
実は、市販されているメモリーカードには、“書き込み方式”が異なる2種類のカードが存在しているといわれています。
具体的には「Single Level Cell」(SLC)と「Multi Level Cell」(MLC)という2つ方式があり、SLCは1つのセルに1ビットの情報を書き込み、MLCは1つのセルに2ビットの情報を書き込みます。
書き込む速度は、“1セルに書き込む情報量が少ないほうが速く書き込める”ので、SLCのほうがMLCのメモリーカードより速く書き込めるわけです。
つまり、同じ価格のクラス10のSDメモリーカードでも、SLCのメモリーカードのほうが、MCLのメモリーカードより読み書き時のデータ転送速度が速くなる可能性があるということです。
こうした書き込み方式の違いがあるため、例えばクラス10のメモリーカードがMLCで、クラス6のメモリーカードがSLCの場合は、転送速度の差がほとんどないといった場合があります。
■SLCとMLCをどうやって見分ければいいのか?
現状では、基本的にメモリーカード自体にSLCやMLCなどの表記はありません。正式に高速性を謳っているカードは価格が高いけれど高速な製品である可能性は高くなります。輸入品などの製品は、製品レビューを参考にするくらいしかないでしょう。
・価格も高いけれど、高速性を正式に謳っているカードを選ぶ
・評価レビューなどでのベンチマークテストで確認する
・実際に購入してベンチマークで調べる
■最高速度は保証対象ではない
SDメモリーカードにおいては、“最大転送速度はメーカーの保証対象ではない”ため、製品がクラス表示の最低速度以下でなければ、製品としての不具合や問題にはあてはまりません。したがって、保証されていない最大速度が自分の希望通りでないと言う理由は、返品や交換の対象とはならないことを理解しておく必要があります。
とは言え、読み書きの転送速度がSDメモリーカード品質の全てではありません。さまざまなメーカーがさまざまなSDメモリーカード製品を製造・販売しているので、耐久性や保証サービスをはじめ、用途や容量、転送速度、価格など、自分が “必要としているポイント”を明確にして、“満足できる製品”を購入することが大切です。
