“辺野古沖転覆” 高校の安全管理「著しく不適切」文科省が調査結果 転覆したもう一隻の船長、国交省の聞き取りに一切応じず
辺野古沖で研修旅行中の高校生を乗せた船が転覆し、2人が死亡した事故で国は22日、死亡した船長を刑事告発しました。
■知華さんの父親「やりきれない思い」

沖縄県名護市の辺野古沖で今年3月、転覆した2隻の小型船。
通報
「船が大きな波にのまれて全員船から落とされた」
船長の金井創さん、高校2年生の武石知華さんが帰らぬ人となりました。
知華さんの父親(遺族のnoteより)
「電話越しに娘の死を知った。なんで。違う。信じるわけない。という心の叫びが声にならない。もし、私が『辺野古・ボート』という単語にもっと敏感に反応できていたとしたら。考えていくとやりきれない思いです」
■必要な事業登録せず 死亡した船長を国が刑事告発

痛ましい事故から、2か月ほど…。22日、動きがありました。国が死亡した金井船長を海上運送法違反の疑いで刑事告発したのです。
国土交通省によりますと、2023年以降、高校から依頼文を受け、6回にわたり生徒らを運び謝礼を受け取っていたという金井船長。海上運送法では、需要に応じて船に人を乗せて運航する場合、料金の有無にかかわらず、国に事業登録をする義務がありますが、金井船長は必要な事業登録をしていなかったということです。
■船を運航した市民団体「厳粛に受け止め峻烈に猛省」

先ほど、船を運航していた市民団体がコメントを発表。
船を運航していたヘリ基地反対協議会
「高校の受け入れは金井氏が実施したものであり、当協議会代表としてその具体的な学習内容は把握しておりません。尊い命を失わせる結果を招いた『安全意識の致命的な欠如』について厳粛に受け止め峻烈(しゅんれつ)に猛省しております」
◇

国交省は運航した市民団体と書面でやりとりをしていて事実関係の確認を進めるとしています。
一方、転覆したもう一隻の船長は国交省の聞き取りに一切応じていないということです。
■知華さんの父親「『抗議船』に乗ることなど全く知りませんでした」

転覆事故が起きたのは高校の平和学習の一環。知華さんらが乗っていた船は、普天間基地の移設をめぐり抗議のために使われていた「抗議船」でした。
知華さんの父親(遺族のnoteより)
「私は当日まで、知華が『抗議船』に乗ることなど全く知りませんでした。『 お友達と綺麗(きれい)な珊瑚(さんご)礁を見る方が楽しそうじゃん』 。彼女にとっては、ただそれだけの純粋な選択でした」
知華さんの父親は。学校側の説明や安全管理が不十分だったのでは、と強く訴えています。
■“多くの教員が抗議船と認識もプログラム実施” 調査結果

文部科学省は先月、「同志社国際高校」を運営する学校法人の現地調査を実施。22日、調査結果を発表しました。
松本文科相
「事前の計画や当日の対応・安全管理・教育活動の状況などの面で著しく不適切であった」
調査では、事前下見が行われていなかったことや、船長への依頼について十分な調査が行われていなかったことなどが明らかに。また高校の多くの教員が抗議船と認識しつつ、プログラムを実施したことなどが指摘されています。
辺野古に関する学習については、政治的活動を禁じる教育基本法に違反するとして指導通知を発出しています。
■「守れなくてごめんね」家族がつづった思い

残された家族がつづっていた思い。
知華さんの母親(遺族のnoteより)
「知華を笑顔で見送りました。当たり前のように元気に帰ってくると思っていました。ともちゃん、ごめんね、守れなくてごめんね」
知華さんの姉(遺族のnoteより)
「私にとって知華は、たった一人の妹で、たった一人の、絶対的な味方でした。その知華が、もういません。そう思うたびに、今でも胸が張り裂けそうになります」
知華さんの父親(遺族のnoteより)
「家族4人で過ごせる幸せな時間はずっと続くものと思っていました。言葉が続けられません」
◇
2人が死亡し、生徒14人がケガをした転覆事故。学校側は外部専門家による特別調査委員会の調査や再発防止に取り組むとしています。