「池山ヤクルト」が最下位予想を覆して阪神・巨人と首位争い “イケトラコンビ”の広澤克実さんが「最初の山場は5月26日からの3連戦です」と語る理由
スポニチアネックスは4月16日、「ベンチでの明るい姿が話題 開幕ダッシュに成功 ヤクルト・池山監督が意識する“見られ方”」との記事を配信した。4月20日現在、セ・リーグの首位はヤクルト。14勝5敗で勝率は何と7割3分7厘。記事は開幕ダッシュに成功した理由として池山隆寛監督の“明るいキャラクター”を指摘。《声をからすほど、声を出して鼓舞。ベンチを飛び出し、最前で選手を迎える姿も印象的だ。ピンチでマウンドに行く時もナインを笑顔にする》と描写した。
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当然ながらXでも盛り上がっている。《池山が監督になってベンチが明るくなったのは良い》、《池山さんモチベーターなんかな? 時代に合ってるんかね》、《池山監督明るくて良い。選手ものびのび野球をやっている》──といった具合だ。

池山監督は1965年12月生まれの60歳。1983年に兵庫県・市立尼崎高校の3番バッターとして夏の甲子園に出場。11月のドラフト会議では3球団から2位指名を受け、抽選で交渉権を獲得したヤクルトに入団した。以後、2002年までヤクルト一筋でプレーを続け、通算本塁打304本、通算打率は2割6分2厘。
そして「イケトラコンビ」という名称をご記憶の方も多いだろう。野球解説者の広澤克実氏は1962年4月生まれの63歳。2シーズン連続首位打者や4試合連続本塁打など明治大学野球部の主砲として活躍。84年のドラフト会議で3球団から1位指名を受け、やはり抽選で交渉権を得たヤクルトに入団した。以後、巨人と阪神の3球団でプレーし、通算本塁打は306本、通算打率は2割7分5厘。
1990年に野村克也氏がヤクルトの監督に就任すると、広澤氏が不動の4番を務め、池山監督は主に5番か6番を務めた。池山監督の「イケ」と広澤氏の「トラ」が合体して「イケトラコンビ」が誕生した。ちなみに、なぜ広澤氏が「トラ」なのかは諸説があるが、ここでは割愛させていただく。
スタートダッシュに成功したヤクルトについて広澤氏は「多くの野球解説者・評論家は開幕前に“減点方式”で順位を予想します」と言う。
ロケットスタートを成し遂げた理由
「4月17日現在、2位阪神、3位巨人、4位広島、5位DeNAの順位は、多くの解説者が予想した通りだと言っていいでしょう。番狂わせだったのは1位のヤクルトと6位の中日です。今季の中日はダークホースと目され、それこそ首位でも不思議ではありませんでした。もし今のヤクルトの成績が実力を反映したものならば、予想は過小評価されていたことになります。なぜ過小評価が起きたかと言えば、減点方式だったからです。村上宗隆選手がホワイトソックスに移籍し、山田哲人選手がケガで開幕2軍スタートとなったことが大きなマイナスポイントだと判断されました」(同・広澤氏)
今季のヤクルトは若手選手がスタメンで目立つ。4月16日のDeNA戦を見てみよう。5番・センターの岩田幸宏は28歳、6番・サードの赤羽由紘は25歳、7番・セカンドの武岡龍世は24歳、9番・ライトの丸山和也は26歳──。
「ヤクルトファンはさておき、かなりのプロ野球ファンでも名前を知らなかった選手がいたかもしれません。減点方式の予想では、こうした若手選手の活躍も計算に入りません。さらに特筆すべきはチーム防御率が2・42という素晴らしい数字だということでしょう。これは今のところセ・リーグトップです。とはいえ、なぜ開幕ダッシュに成功したかと言えば、最大の要因はベンチの雰囲気だと思います。序盤で連勝するとチームは盛りあがり、何をやってもうまくいく時期が到来します。特に大きかったのが4月5日の中日戦です。5点を追う七回に7得点をもぎ取って試合をひっくり返してしまいました。あれでヤクルトは完全に勢いに乗ったと思います」(同・広澤氏)
最初のヤマ場は西武戦
昨年まで池山監督はヤクルトの2軍を率いていた。そして昨季の2軍は45勝76敗2分けでイースタン・リーグの最下位だった。
「新規参入したオイシックスより順位が下という屈辱的なシーズンでした。率直に申し上げて、今季のヤクルトが下位に沈むという予想が多かった理由の一つに、池山監督の指導力が疑問視されていた面はあったと思います。ところが蓋を開けると開幕ダッシュに成功し、池山監督は常に笑顔で指揮を取っています。これにスポーツメディアも野球ファンも惹きつけられました。負けで学んだことが多かったのかもしれません。ただしプロ野球のペナントシリーズは長期戦です。どれほど強いチームでも必ず苦しい時期が訪れます。その時、池山監督がどんな表情を浮かべているか、どんな舵取りをしているかが問われるでしょう」(同・広澤氏)
広澤氏は「ヤクルトにとって最初に訪れるヤマ場は5月26日から始まるセ・パ交流戦です」と指摘する。
「今季もパ・リーグが強く、セ・リーグのチームは苦戦すると予想しています。そしてヤクルトの今後に大きな影響を与えるのは対抗戦で最初に戦う3連戦でしょう。つまり神宮球場で26日から28日まで行われる対西武戦3連戦です。もしも西武に3連勝ということになれば、ヤクルトの勢いが本物になる可能性があります。一方、3連敗だと勢いが止まる可能性があります。最悪でも1勝2敗で乗り切る必要がありますが、果たしてどうなるでしょうか。ヤクルトファンならずとも要注目の3連戦だと考えています」
デイリー新潮編集部
