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欧州主力EVが大幅改良

フォルクスワーゲンは、欧州で販売しているEV『ID.3』の改良型として、『ID.3ネオ(ID.3 Neo)』を発表した。デザインやバッテリーを刷新し、名称も変更。商品力を高め、7月より販売開始予定だ。

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ID.3は同社初の専用設計EVで、2020年に欧州で発売された。『ゴルフ』に相当するCセグメントのハッチバックであり、ブランドの電動化を牽引する主力モデルとなっている。


フォルクスワーゲンID.3ネオ    AUTOCAR

フォルクスワーゲンはこのモデルを起点に複数の「ID」シリーズを展開してきたが、現在は名称から数字表記を廃止しつつある。クロスオーバーの『ID.4』は近々大規模なアップデートを受ける際、『IDティグアン』へと名称変更される見込みだ。

ID.3はこれまでに築き上げた知名度を考慮し、数字表記を維持する。ただし、初期の開発コードネームに由来する「ネオ」という名称が追加され、今回の改良が単なるマイナーチェンジ以上のものであることを強調している。

フォルクスワーゲンのトーマス・シェーファーCEOによると、今回の改良(特に内装)は、EVモデル群の弱点を解消するためのものだという。ID.3が大幅改良を受けるのは2回目だ。前回の改良は2023年で、ソフトウェアや使い勝手に関する課題解決が図られた。

目指したのは「真のフォルクスワーゲン」

シェーファー氏はID.3ネオについて、「真のフォルクスワーゲン」車の先駆けになると述べた。

「当社には明確な目標があります。それは、再び真のフォルクスワーゲンモデルを作ることです。フォルクスワーゲンは常に人々の生活の一部となり、信頼でき、きちんと機能し、そして理解できるクルマを作り続けてきました」


フォルクスワーゲンID.3ネオ    フォルクスワーゲン

シェーファー氏は一方で、2022年に自身がCEOに就任した際のことを振り返り、「核心、つまりフォルクスワーゲンが真に体現すべきものを失いつつあることは明らかでした」と語った。

フォルクスワーゲンの自動車開発手法は全面的に刷新され、その影響を受ける最初のモデルがID.3ネオだという。

「かつては、エンジニアたちが機能や要件の長いリストを作成していましたが、なぜ誰もが快適に使えると感じないのかと首をかしげていました」

「しかし、今は違います。わたし達は人からスタートします。実際にこのクルマを運転するのは誰なのか? それが極めて明確になり、開発の進め方が一変しました。より迅速に、より焦点を絞り、より現実に即したものになったのです」

室内の使い勝手と質感を改善

フォルクスワーゲンの技術責任者カイ・グリューニッツ氏によると、インテリアこそが「最大の飛躍」を遂げた部分で、その変更点は「初期のID.3に対する顧客からの多くの批判に対応する」ものであり、「ついに真のフォルクスワーゲンに仕上げた」という。

「ID.3は、広々とした室内空間や走行性能、正確な操作性について非常に好意的なフィードバックを得ましたが、改善すべき点もありました。すでに多くの問題を解決しましたが、すべてではありませんでした。だからこそ、新しいID.3で次のステップを踏み出したのです」とグリューニッツ氏は述べた。


フォルクスワーゲンID.3ネオ    AUTOCAR

インテリアは全面的に見直され、高品質で柔らかな素材と、数多くの物理的な操作スイッチが採用されている。特に注目すべきは、物議を醸したタッチ式「スライダー」に代わって、音量調整ノブや空調スイッチが採用された点だ。

さらに、運転席のドアには各窓専用のスイッチが設けられた。当初は、フロントとリアの窓を切り替えるトグルボタン付きのスイッチが2つあった。ステアリングホイールも新設計となり、従来のハプティック(触覚フィードバック付き)ボタンに代わって物理ボタンが配置され、「VW」ロゴもイルミネーション付きとなった。

横向きに配置された13インチのインフォテインメント用タッチスクリーンと、10.25インチのデジタルドライバーディスプレイも新しくなった。後者は、1980年代のゴルフのインストゥルメントクラスターを模してカスタマイズすることも可能だ。

室内の広さを強調するため、曲線的だったダッシュボードは直線的な形状に変更された。また、顧客のフィードバックを受けてセンターコンソールが大型化され、30インチのタブレットが収まる深さの収納スペースと、スマートフォン2台を同時に充電できるワイヤレス充電パッドが備わる。

航続距離と充電速度も向上

エクステリアの変更点はそれほど多くないが、最も注目すべきは、今後登場する『IDポロ』や『IDクロス』とデザインを統一した新しいフロントエンドだ。新しいファミリー感を演出しながら、「IDポロよりは少し大人びた印象」だとグリューニッツ氏は述べている。

ルーフとテールゲートはこれまでブラック塗装だったが、ボディカラー同色となり、以前よりもフラットでワイドな印象を与える。


フォルクスワーゲンID.3ネオ

パワートレインは引き続き3種類用意されるが、バッテリーは一新されている。50kWhバッテリーと170psのモーター、58kWhバッテリーと190psのモーター、そして79kWhバッテリーと231psのモーターという組み合わせだ。

最も効率の良い仕様では航続距離は630kmとなり、以前より約30km伸びた。最大急速充電速度は、79kWhバッテリー搭載モデルで183kWと、わずかに向上している。

公式にはまだ発表されていないが、326psの高性能バージョン『GTXパフォーマンス』の後継モデルが今年後半に発表される見込みであり、その名称は「GTI」になると予想されている。

車載ソフトウェアも最新版となり、トラベルアシスト(半自動運転)やワンペダルモードといった新機能が追加される。バッテリーにはV2L(外部給電)機能も備わる。また、スマートフォンの新しいデジタルキー機能から車両を操作することもできるようになる。グリューニッツ氏は、この新しいソフトウェアによって「さらなるパフォーマンスと、より優れた顧客体験」をもたらすと述べた。