[11.14 キリンチャレンジ杯 日本 2-0 ガーナ 豊田ス]

 生き残りへの可能性を感じさせる約25分間だった。日本代表MF藤田譲瑠チマ(ザンクト・パウリ)はキリンチャレンジカップ・ガーナ戦の後半23分から途中出場。ボランチの一角で積極的にボールに絡み、前方へのパスでリズムを作るだけでなく、惜しいミドルシュートで得点への姿勢も見せ、一つ殻を破ったようなパフォーマンスを発揮した。

 昨年夏のパリ五輪でキャプテンを担った藤田は同年10月のW杯最終予選以降、22年夏のE-1選手権以来となるA代表で定着を果たしたが、W杯出場権を獲得した今年3月までは出番なし。6月のオーストラリア戦(●0-1)で先発に抜擢されるも、フル出場で不完全燃焼に終わると、9月のアメリカ戦(●0-2)でも先発を任されながら良さを発揮できず、10月はパラグアイ戦(△2-2)での最終盤のみの出場にとどまっていた。

 だが、この日は随所に光るプレーを見せた。まずは後半23分の投入直後、ファーストプレーで相手のアバウトなボールを拾うと、ダイレクトでMF南野拓実に正確なパス。同28分には右サイドへのパスを出した後、DF菅原由勢のクロスが相手にブロックされると、こぼれ球を右足ダイレクトで狙い、惜しくも左に外れる形とはなったが会場を沸かせるシュートとなった。

 さらに後半41分にも左ポケットに走り込むと、DF鈴木淳之介のスルーパスから左足シュートで相手GKの手を弾き、再びビッグチャンスを演出した藤田。中盤では正確なボールタッチと的確な判断の伴ったパスを散らし続け、パス成功率は17/17の100%を記録し、一定のインパクトを残す途中出場となった。

 試合後には「相手のインテンシティも低かったのでそこまで難しくはなかった」と謙虚に振り返ったものの、これまでボランチを担ってきたMF遠藤航が所属先のリバプールで出場機会が少なく、MF守田英正もコンディション不良による出場時間制限が続いているなか、十分にポジション争いに割って入ることを予感させるパフォーマンスだった。

(取材・文 竹内達也)