乾燥は喉の大敵! 医師に聞いた、不調が和らぐ簡単「喉マッサージ&食事法」

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喉が乾燥して、痛みやイガイガ、声がかすれたり、飲み込みにくかったりなど、不調を感じていませんか。

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喉のエイジングは40代から始まり、「食事中にせき込む」「寝ている間にむせる」など喉の不調があらわれやすくなってきます。

このような風邪に似た喉の不調は「隠れ誤嚥」の可能性も。誤嚥性肺炎は飲食物の誤嚥よりも、唾液を気がつかないうちに誤嚥する「隠れ誤嚥」の方が問題となるのです。

「喉は、話す、食べる、呼吸するというとても大切な器官です。冬に湿度が下がり乾燥すると、口内環境が変化して色々なトラブルが起こります。「隠れ誤嚥」に気が付かないでいると肺炎を起こしやすくなります」と、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫医師は話します。

喉には、加湿器で湿度を50~60%程度にしておくほか、唾液を出やすくするマッサージをしたり、喉にやさしい食べ物をとるなど喉に良い習慣を心がけましょう。

老化も感染症のリスクを高める

また40代からは喉のエイジングが始まります。

「喉の老化は、嚥下機能低下に直結します。嚥下機能低下から誤嚥を生じますので、誤嚥性肺炎のリスクが増加します」と大谷先生。

嚥下とは食べ物を飲んだり、食べたりして飲み込む機能のこと。

年齢とともに喉の不調を感じたら、喉ケアを始めたいですね。

喉をうるおす“喉ケア”

喉をうるおす喉ケア。大谷先生に喉に良いマッサージや食べ物を教えていただきました。

1:マッサージ

唾液が出る唾液線のある3つのポイントをマッサージし、唾液の分泌を促します。

■耳下腺

耳の手前にある耳下腺をマッサージします。

耳の手前に手の平をあてて、前に向かって指全体でやさしく10 回ほどなでます。

■顎下腺

アゴの骨の内側にあるのが顎下線です。

アゴの両端にあるとがった骨の内側に親指をあて、耳の下から顎の下まで3~4か所に分けて順に押していきます。

■舌下腺

アゴの内側にあるのが舌下線です。

アゴのとがった部分の内側のくぼみに両手親指をそろえてあて、 10回くらい上方向にゆっくり押し上げます。

2:食事法

唾液が出づらい場合でも、食べ物を意識することで喉をうるおす効果が期待できます。ガムを噛んだり、飴をなめることでも唾液の分泌量を増やすことができます。

また、喉にうるおいをもたらし、誤嚥を予防するには食事にヨーグルトを取り入れるのも効果的。

「ヨーグルトは、手軽にどこでも手にはいりやすいだけでなく栄養も豊富です。また腸内環境を整えて免疫力アップにも役立ちます。なるべく喉にいい、ねばりの強いものを選びましょう」と大谷先生。

喉の調子が悪いときは?

では、すでに喉の調子が悪いときは、どんな食べ物が喉に良いのでしょうか。

ハチミツ

トロッとした食感が喉をうるおすハチミツ。栄養豊富で風邪の体を元気付けてくれます。

「はちみつは抗炎症作用があり、咳止め効果も高いという医学論文が複数存在します」と大谷先生。

喉の調子が悪いときは、ハチミツをヨーグルトにかけて食べるのもおすすめです。

緑茶

様々な健康効果を持つ緑茶。風邪の時にも喉に良い作用をもたらしてくれます。

「緑茶のカテキンは抗ウイルス作用があり、のどの乾燥予防にもよろしいかと思います」と大谷先生。

毎食の緑茶で喉ケアしていきましょう。

冬は乾燥してカラカラの状態。そんな時は喉もうるおいが肝心ですね。

食べ物でもいいですし、マッサージもいつでもどこでも実践することができます。

喉の不調を感じたら、今回ご紹介した喉ケアを実践してみてくださいね。

監修
大谷 義夫(おおたに・よしお)医師 池袋大谷クリニック院長
1963年生まれ。群馬大学医学部卒業。東京医科歯科大学呼吸器内科医局長、同大学呼吸器内科兼任睡眠制御学講座准教授、米ミシガン大学留学などを経て、2009年より現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医。日本アレルギー学会専門医・指導医。著書に「長引くセキはカゼではない」(KADOKAWA)、「肺炎にならないためののどの鍛え方 (扶桑社ムック)」など。