その数800種以上!? 崎陽軒シウマイの″しょうゆ入れ″「ひょうちゃん」の歴史を追った

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今回のテーマは…

<横浜のココがキニナル!>
崎陽軒のシウマイに入ってる「ひょうちゃん」は、なぜひょうたん型になったのでしょう。現在何人ぐらいひょうちゃんがいて、新人ひょうちゃんはどれぐらいの頻度でどのように産まれる?(ドンガバチョさん)

■ひょうちゃんといえば、しょうゆ入れ

崎陽軒のシウマイを買うと、ひょうちゃんのしょうゆ入れがついてくる。ハマっ子には馴染みのひょうちゃん。憎めない顔をしている。

ひょうちゃんは昭和30年に登場したというが、シウマイは昭和3年から発売がスタートしている。当時のしょうゆ入れはひょうちゃんじゃなかったのか?もっとひょうちゃんのことを知りたい!崎陽軒を訪れた。
 

今回は工場見学ができる横浜工場に展示してあるひょうちゃんグッズを拝見しながら、ひょうちゃんについて話を伺うことにした。取材にご協力いただいたのは、広報・マーケティング部の柴田さん。

■ひょうちゃんがついてくる商品は?

ひょうちゃんのしょうゆ入れがついてくる商品は2種類ある。

まずは赤いパッケージが目印の「昔ながらのシウマイ」の15個入と30個入。6個入は一般的な弁当に入っているプラスチック製のしょうゆ入れがついてくる(羽田空港で扱っているものは、すべてプラスチック製)。

そしてもうひとつは崎陽軒のシウマイの味の決めてともいえる帆立貝柱が「昔ながらのシウマイ」に比べてより多く入っている、ちょっとリッチな「特製シウマイ」の6個入、12個入と22個入だ(こちらも羽田空港で扱っているものは、すべてプラスチック製)。

「昔ながらのシウマイ」の6個入(商品名は「ポケットシウマイ」)には、ひょうちゃんのしょうゆ入れがついてこない。これには理由があって、「ポケットシウマイ」は自宅や電車内で食べるケースが多いと想定し、プラスチック製のしょうゆ入れで対応し、6個以上入っている商品は、お土産として持参されることを想定しているからだそうだ。横浜土産ですと先方に手渡して、蓋を開けてみるとひょうちゃんがひょっこり。それだけで場が和むし、印象深い土産になる。

「昔ながらのシウマイ」(15個入と30個入)と、「特製シウマイ」(6個入・12個入・22個入)は、横浜工場で1日に約2万個生産されている。ということは同じ数のひょうちゃんが!すごい数だ。

■偶然から生まれたひょうちゃん

崎陽軒の看板商品である冷めてもおいしいシウマイが発売されたのが昭和3年。当時のしょうゆ入れはガラス製だったという。しかし崎陽軒本社にもそのガラス製のしょうゆ入れは残っていない。残念!

戦後、ガラス製から磁器製になり、今のしょうゆ入れの前身が誕生する。貴重な磁器製のしょうゆ入れが展示されていたので見てみると、あれ?すでにひょうたん型だけど、のっぺらぼうで顔がない。

水筒などがなかった時代、私たちの祖先はひょうたんや竹に水を入れて持ち歩いていた。そこからヒントを得て、しょうゆ入れが磁器になった時から今日に至るまで、ずっとひょうたん型を貫いている。

ちなみにこのしょうゆ入れ、陶磁器の産地で有名な愛知県で製造されているのだとか。

のっぺらぼうのしょうゆ入れに、顔を描き入れたのが、漫画「フクちゃん」の作者として有名な漫画家の横山隆一さん。横山さんはのっぺらぼうのしょうゆ入れを見て「目鼻を描いてあげよう」と、顔を描き入れてくださったようだ。

ひょうちゃんの名付け親も横山さん。こうして昭和30年に48種類の初代ひょうちゃんが誕生した。つまり崎陽軒のキャラクター・ひょうちゃんは、企業のキャラクターを作りたくて生まれたのではなく、偶然の産物であったのだ。
 

初代ひょうちゃんは33年間もシウマイのお供をして、2代目にその役目をゆずる。

オサムグッズで知られたイラストレーターの原田治さんが手掛けた2代目ひょうちゃんは、昭和63年から登場。創業80周年を記念しての代替えだ。

2代目からは、しょうゆ入れに大と小ができるという変化があった。ひょうちゃんの頭に栓がついているのが大で、顔の横に栓がついているのが小だ。

シウマイの数によってついてくるしょうゆ入れの大きさも変わる。絵柄だけで80種類もあるのに大きさの差だけでなく、青・緑・ピンク・茶と計4色あったため合計で640種類もあった。どれだけのシウマイを食べたら全種類揃ったのか……。

そして現在出回っているのが3代目ひょうちゃんだ。平成15年の横浜工場リニューアルに併せて、横山さんが手掛けた初代ひょうちゃんの絵柄を復活させた。絵柄は同じなので48種類だが、初代はサイズが1種類だったところを3代目は大小あるので全部で96種類ある。

2代目の原田ひょうちゃんと、3代目の横山ひょうちゃんが混合されて販売されることはないから、今は3代目しか手に入らない。もちろん購入できるものでもないので、ひょうちゃんを集めるには、シウマイを食べるしかない。

■横浜らしい限定ひょうちゃんも

崎陽軒では、イベントや記念の年に限定ひょうちゃんを登場させている。

平成17、18年には、社内のデザイナーがデザインしたクリスマス限定のひょうちゃん。そして平成20年の創業100周年には、横浜在住のイラストレーター・柳原良平さんのひょうちゃんが登場した。

平成22年には劇団四季のミュージカル「キャッツ」の横浜公演1周年を記念したキャッツひょうちゃんも大人気だったという。

今後も限定品を企画しているそうだが、4代目のひょうちゃんが登場する予定はしばらくなさそうだ。

■取材を終えて

横浜工場で工場見学を終えると、最後にできたてのシウマイを食べることができる。その試食を行う部屋にひょうちゃんグッズが並んでいる。

今は販売されていない珍しいものや、初代・2代目・3代目のひょうちゃんも展示されている。

工場見学は3ヶ月待ちというが、ぜひ足を運んでひょうちゃんの歴史に触れてほしい。特に初代と3代目のひょうちゃんを担当した横山さんが描いたひょうちゃんの大壷や絵皿は、横山さんの流れるような筆遣いが感じられる力作だ。思わずにやりとしてしまうような表情豊かなひょうちゃんは見ていて飽きない。

※本記事は2012年8月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

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