『気持ちの問題』ではない? 雨天時に頭痛やだるさを感じる“気象病”、症状と予防法【医師監修】
「雨の日になると頭が痛い」「台風が近づくと体がだるくなる」と感じたことはありませんか? 気圧や天候の変化によって起こる体調不良は「気象病」と呼ばれ、頭痛やめまい、だるさなど、日常生活に影響を与えることも少なくありません。気象病について中路先生に聞きました。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
気象病とは?
編集部
気象病について教えてください。
中路先生
気圧や天候の変化によって不調が表れたり悪化したりする状態を、近年では「気象病」と呼びます。特に台風の接近時や梅雨、雨の日など、気圧が低下するタイミングで症状を感じる人も少なくありません。主な症状には、頭痛や吐き気、めまい、倦怠感、肩こり、関節痛、動悸、精神的な不安感、アレルギー症状などがあり、人によって表れ方はさまざまです。
該当する症状が気象病によるものかどうかを見分けるポイントは、「天候の変化に合わせて症状が悪化するか」です。常に体調不良が続いている場合は、別の原因が関係している可能性も考えられます。
現在のところ、気象病は正式な病気として認められているわけではありませんが、異常気象の増加に伴い、天候と健康の関係が注目されています。今後は、気象が心身に与える影響について、さらなる科学的解明が期待されます。
気象病の予防法とは?
編集部
気象病の予防法について教えてください。
中路先生
気象病を予防するためには、まず天気予報や気圧の変化をこまめに確認し、自分が不調になりやすいタイミングを把握することが大切です。最近では、気圧の変化を確認できるスマホアプリもありますので、体調管理に役立てるとよいでしょう。また、睡眠不足やストレス、生活習慣の乱れは自律神経のバランスを崩し、症状を悪化させる原因になるため、規則正しい生活や十分な休息を心がけることも重要です。さらに、軽い運動やストレッチ、入浴などで血行を良くすることで、頭痛やだるさの軽減につながる場合があります。無理をしすぎず、自分の体調と向き合いながら過ごしましょう。
「気象病」への受け止めは?
編集部
「気象病」についての受け止めを教えてください。
中路先生
近年、「気象病」という言葉が広がり、天候変化に伴い不調が生じることは世間的にも知られるようになってきました。それでも「気のせい」「ただの体調不良」と思われてしまうことはあり、つらい症状を我慢してしまう人も少なくありません。体には、気圧の変化を感じ取るセンサーが耳の奥(内耳)にあります。気象病では気圧変化の影響で自律神経のバランスが乱れることで、一連の症状が起こると考えられています。つまり、気象病は「気持ちの問題」ではなく、体に起こっている変化のひとつです。この仕組みを知ることは、自身の不調を理解し、安心するためにも大切です。
ただし注意してもらいたいのは、「気象病だから天気が回復すれば元に戻る」と自己判断してしまうことです。例えば、突然の強い頭痛、吐き気を伴う症状、手足のしびれや言葉が出にくいといった症状、長く続くめまいなどは、脳や耳の病気が隠れている可能性があります。また、天気と関係なく症状が続く場合や、市販薬を頻繁に使わないと生活がつらい場合も、医療機関での相談が必要です。
気象病は、ほかの病気がないことを確認したうえで考えられるものです。気になる症状があるときは我慢せず、早めに医療機関に相談するようにしましょう。
編集部まとめ
気象病は正式な病気ではないものの、実態として多くの人が天候変化による不調の悩みを抱えています。日々天気予報を確認して、天候不良の日は無理な活動を避けたり、睡眠や食事、適度な運動を意識したりすることが予防につながります。日頃から自分の体調の変化を把握し自己管理を心掛けましょう。
