加藤綾菜 夫の5軒の家を売却「3000点のカトちゃんグッズは倉庫保管」夫婦2人の小さな「終の住処で」変わった夫婦の時間
結婚当時、5軒の家を所有していた加藤綾菜さん。その予想外の維持費を知った綾菜さんは、金銭面や夫の年齢も考え、結婚後に2人の暮らしに見合った家への住み替えを考え始めます。夫の説得、不動産屋との売却交渉を経て、辿り着いた「理想の終の住処」とは。
【写真】「富士山が見え、愛犬とも暮らせる」加藤夫婦が見つけた「理想の家」の全貌(9枚目/全15枚)
5軒の家に毎月高額な維持費「私はおおいに気になった」
── 加藤さん夫婦は2018年に大きな家からあえて小さいサイズの家に住み替えをしたそうですね。まず、引っ越しをする前の家の状況について教えていただけますか?
綾菜さん:居住用として、一軒家とバリアフリーのマンションを、その他にもハワイや地方に家があり、計5軒も保有していました。
結婚してしばらくは、螺旋階段のある3階建てのお洒落な一軒家に住んでいましたが、旦那さんが病気を患ったこともあって、バリアフリーのマンションをメインに住むように。広いリビングに、旦那さんがドラムなどの趣味に没頭できる部屋もあるほか、衣装部屋やトイレ、お風呂も2つずつあって。私もお気に入りでした。
── 一流芸能人とはいえ5軒も。旦那さんは家にこだわりがあるのでしょうか?
綾菜さん:いえ、全然ないですね。旦那さんはずっと忙しかったので、マンションの内覧はマネージャーさんに任せ、自分は家を見ないままマンションを買ったみたいです。私も最初は把握しきれていなかったのですが、結婚してしばらくした頃に、各所から管理費や維持費のお知らせが来て、びっくりして。旦那さんに聞くと「そう!前に買ったんだよ」って。
── 綾菜さんは、結婚してから初めて他に家があることを知ったのですね。
綾菜さん:そうです。しかも、住んでいた家以外は空き家同然の状態で放置されていたので、私も時々掃除だけしに行きました。ただ調べたところ、5軒分の維持費だけでかなり高額だったことがわかって…。
旦那さんはパーキンソン症候群を患ってリハビリをしていた時期があるのですが、家にいない間もその維持費だけがどんどん出ていく。旦那さんはまったく気にしていなかったのですが、私はおおいに気になりました。5軒も必要ないし、年齢を考えて、もう少しコンパクトな家に住み替えをしたほうがいいんじゃないかって。
── 旦那さんは住み替えに賛成でしたか?
綾菜さん:はじめは全然、乗り気じゃなかったですね。「このままいくと、維持費や管理費が大変」と伝えても、「払えるから大丈夫」と言って興味なくて。だからすぐに作戦を変えました。ミニマリストや、実際に住み替えをした人の動画を探して、さりげなく見せるようにしたんです。
売却交渉はすべて1人で「ハワイの別荘が大変で」
── 自分の意見を強く主張せずに、伝え方を変えたんですね。
綾菜さん:はい。家族だからこそ、正論で言われても嫌だと思うので。何度か一緒に動画を見ていると次第に旦那さんも気持ちが変わっていったようで。「俺が急に死んだら、こんなに家がたくさんあっても綾が大変だな」と思うように。それまで、エンディングノートとか自分が亡くなった後について深く考えていなかったと思いますが、終活についても意識してくれるようになりました。
その後2人で話し合って、旦那さんが持っている家を「欲しい」と言ってくれる人に売って住んでもらったほうがいいねとなり、地方の家のひとつを新婚さんに売ることに。相手の方と書面を交わすときに初めて対面しましたが、売主が旦那さんだと知って、「すごく運がいい!ありがとうございます!」と喜んでくれたみたいで。旦那さんも「住みたい人に住んでもらえてよかった」と嬉しそうでした。
── みんなにとって幸せですね。綾菜さんは新しい家が決まるまで、すべて綾菜さん1人で不動産を回って交渉していたそうですが、5軒もあると大変そうです。
綾菜さん:とくにハワイの別荘は大変でした。書類が英語で、契約の際は現地に行かないといけないし、売るまで時間がかかる。今までかかった維持費を考えたら「ホテルで十分だ」と改めて思いましたね。
住み替えた新しい家は、旦那さんが住みたいと言っているエリアの中で探しました。バリアフリーでお風呂やトイレも手すりがついて、でも、介護を全面に押し出すのではなく重厚感があるところがいいなって。最終的に決まった家は、今まで住んでいた家の4分の1の広さになりましたが、日当たりが良くて部屋から富士山が見えて、愛犬と暮らせるので、物件を見つけた瞬間、「ここだ!」と思いました。
あえて低層階を選んだのは、旦那さんが体調を崩したときに階段やエレベーターの移動に時間がかからない場所がいいと思ったから。旦那さんも「今まで住んだ家の中でいちばんいい」と気に入ってくれています。
引っ越しをする際、衣装や旦那さんのグッズなど3000点くらいありましたが、5軒の家からすべて集めて、綺麗に磨いて倉庫を借りて保管しています。
住み替えで生まれた夫婦の「心地いい距離感」
── 引っ越し後の生活はいかがですか?
綾菜さん:すごく快適ですし、家のサイズが2人の生活に合っていると思います。部屋がコンパクトになったぶん、家で顔を合わせる頻度が増えたし、安全面を考えても安心です。
また、前の家よりお互いの友達がよく遊びに来てくれますね。日当たりがいいし、部屋の雰囲気が明るいので、「遊びに行きたい!」とみんな言ってくれて。2人で過ごすこともありますが、旦那さんは井上順さんとか友達を呼んだり、私も鈴木奈々ちゃんや氷川きよしさんを招いたり。旦那さんも交えてみんなでご飯を食べることも多いですね。
── 人が遊びに来たくなる家はいいですね。
綾菜さん:嬉しいですね。2人のときは、リビングで一緒に過ごすこともあれば、ご飯を食べたらそれぞれの部屋に戻って、旦那さんはNetflixを見るなど、お互い自由に過ごしています。私が途中でお茶を飲むタイミングで旦那さんに声を掛けて、「飲む」と言われたら旦那さんの部屋にお茶を持っていくとか。
── ずっとベッタリ一緒でないと?
綾菜さん:そうですね。新婚のときは一緒にいる時間が多かったですが、慣れてきたらお互いのペースを大事にしています。もともと旦那さんは干渉されたり、ベッタリされるのが好きじゃなくて、自分の時間もほしいタイプなんです。私もそれがまったく苦ではないので合っているんだと思います。
結婚して15年になりますが、住まいも変わり、お互いのペースで過ごしながらとてもいい環境で過ごせていると思います。
取材・文:松永怜 写真:加藤綾菜

