ベネズエラ主砲アクーニャJr.の“寿司発言”は侮辱なのか 海外紙が問題視した賛否両論の理由「敗れた日本を嘲笑しているように聞こえた」【WBC】

日本からの勝利に歓喜したアクーニャJr.の言動はSNSで波紋を呼んだ(C)Getty Images
日本を撃破したベネズエラの主砲の振る舞いが波紋を呼んだ。
現地時間3月14日、野球日本代表「侍ジャパン」は、米マイアミのローンデポ・パークでベネズエラ代表とのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準々決勝で5-8と敗北。過去ワーストとなる8強で姿を消す形となった。
【動画】日本撃破に大興奮! 試合後のロッカーでアクーニャJr.が叫んだ「寿司を食らったぞ」
球場全体が大きな熱狂に包まれた前回王者の撃破。そのドラマチックな勝利にナインも酔いしれた。特にエキサイトしていたのは、この一戦で先頭打者本塁打を放つなど、大会を通じてベネズエラの最強リードオフマンとして君臨していたロナルド・アクーニャJr.だ。
試合後に自身のTikTokのライブ配信内でクラブハウス内の模様を流した28歳は、「俺たちは寿司を食ったぜ、全員で寿司を食ったんだ」と絶叫。さらに興奮気味に「で、奴ら(アンチ)はどこだ。どこにいるんだよ。プロセスを信じるんだ。信じればいいんだ」と声高に叫んだ。
無論、彼の言う「寿司」が指すのは、日本だ。ただ、試合後の記者会見で「オオタニは本当に特別な存在」「勝てて本当に嬉しい」と敗者への敬意を示していた本人に侮辱的な意図はもちろん、ましてや差別的な想いもおそらくない。前回王者を破った快挙に興奮し、ラテン系の“ノリ”でやったに過ぎない言動ではあったとも受け取れる。
しかし、日本食を用いて文化的に皮肉る言動は一部の人々やメディアの反発を招いた。スペイン紙『Marca』のアメリカ版は「日本を破った時にアクーニャが見せた反応はすぐに文化的な議論の一部となった」と問題視。SNS上で「見ていて恥ずかしい」「なんて品のない野郎だ」「明らかに日本を侮辱している」といったコメントが相次いでいる現状をふまえつつ、「日本はしばしば、尊敬、規律、スポーツマンシップといった強い伝統と結びつけられている」と指摘し、こう続けている。
「たとえ、それが冗談めいた挑発のつもりだったとしても、一部の人々には、そのチャントが敗れた日本を嘲笑しているように聞こえた。問題だったのは、それが尊敬する対戦相手を倒した後に、不必要な挑発に当たるかどうかだった」
一方で同紙は、「『寿司』というフレーズを文化的な侮辱ではなく、競争上の単なるジョークと解釈する人もいた」とも記し、「国際スポーツの世界において、こうした瞬間はしばしば、情熱と挑発の狭間のグレーゾーンに位置づけられる。しかし、賛否が渦巻く議論の中で見落とされがちなのは、そもそもなぜそうした行為が行われたのかという理由である」と論じている。
「一連のエピソードは、WBCという大会が、国家の誇り、文化の違い、そして激しい競争をいかに融合させているかを問われていることを浮き彫りにしている。ある国では無害な振る舞いも、別の国では全く異なる意味合いを持って受け取られることがある。何百万人もの人々が注目する国際大会となったWBCにおいて、祝勝の意図で叫ばれた何気ない言葉でさえ、瞬く間に大きな議論を巻き起こす可能性がある。それを関係者たちは考える必要があった」
落胆する日本でも話題となったアクーニャJr.の言動。本人に侮辱意識がなかったにせよ、いささかの配慮があっても良かったのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
