フェラーリ、マラネロに診断センターを開設|従業員と地域住民に向けた予防医療拠点
【画像】フェラーリが従業員と地域住民のための診断センターを開設(写真23点)
開設式典には、フェラーリCEOのベネデット・ヴィーニャ、ロイヤルフィリップスCEOのロイ・ヤコブス、モデナ地域保健所長のマッティア・アルティニが登壇し、プロジェクトの概要を紹介。エミリア・ロマーニャ州知事ミケーレ・デ・パスカーレ、マラネロ市長ルイジ・ジローニ、メド・エックス創業者兼CEOのフレッド・フェルナンドも出席した。
この施設では、地域住民を対象とした予防医療プログラムも展開される予定だ。モデナ地域保健所と3年間の契約を結び、マラネロ、フォルミージネ、フィオラノに住む女性を対象に乳房マンモグラフィー検査を実施する計画で、自治体プログラムでは約8300件の検査が予定されている。検査結果は地域保健所の専門家が提供する仕組みだ。
さらに、メド・エックスがこれまで蓄積してきたデータ収集活動を基盤として、同センターを疫学研究の中核施設とする申請も行われる。イタリアの主要な公的医療センターと連携し、診療情報を分析するセカンドオピニオンの提供も遠隔で実施される予定である。
特徴的なのは、このセンターからフェラーリが直接利益を得ない点だ。地域社会に価値を還元するという理念のもと、施設の運営で生まれる利益のうちフェラーリに配分される分は再投資され、医療・技術スタッフの育成や若い医療専門家への奨学金などに充てられる。
診断センターにはAIと統合されたソフトウェアを含む最新技術が導入され、全身MRI、スペクトラルCT、トモシンセシス機能付きマンモグラフィー装置、デジタルX線撮影装置、骨密度測定装置などの先進機器が備えられる。これらの設備により、迅速で精密な診断を可能にする体制が整えられている。
今回の施設は、フェラーリが長年取り組んできた従業員の健康支援プログラムの延長線上にあるものでもある。同社では福利厚生プログラム「フォーミュラ・ベネッセレ」を展開しており、2024年からは年1回の包括的健康診断も導入された。2025年には4000人以上の従業員が利用しているほか、従業員の子どもを対象とした医療支援プログラム「フォーミュラ・ベネッセレ・ジュニア」も実施されており、同年には1000件以上の利用があったという。今回の診断センター開設により、従業員はさらに幅広い専門家へ相談できるようになり、包括的なヘルスケア体制が一層強化されることになる。
フェラーリCEO、ベネデット・ヴィーニャは次のように述べている。
「診断センターは、共栄の理念を具現化した好例です。企業と公共機関と地域コミュニティーが価値を生み出し、分かち合うため、スキル、リソース、イノベーションを結集したのです。当施設は、新記録となる2カ月足らずで建設されました。これは、官民両分野が手を携え、様々な企業が密接に連携した結果です。新センターは、多くの人々に支えられて、人々のために生まれたプロジェクトであり、その事実が、私たちに多くの大切なことを教えています。この機会に、重要なのはプロジェクトの目標達成よりも、達成する過程で得るものなのだということを、あらためて胸に刻みたいと思います」
