高市早苗首相の公式Xより

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「国会の花形」と言われる予算委員会が27日、衆院で始まった。

この予算委をめぐっては、衆院解散により予算の年度内成立が難しくなっている状況を受け、官邸側が予算委の審議時間を削るよう自民側に求めたことで、党内外で困惑の声が広がっていた。

衆院予算委員会の審議時間は例年70~80時間ほどが目安だが、高市早苗首相側は与党の審議時間を削ることを指示。土日や平日夜の時間を使ってでも年度内成立を目指す案も提示した。

ただ、「勝てば官軍」と言わんばかりの議会軽視ともいえる姿勢に、野党だけでなく与党内からも不満がくすぶる。「予算委の審議は、それに先立つ野党との調整も含め、新人議員にとって貴重な勉強の場。予算委が短くなると、ただでさえ大量にいる『高市チルドレン』の教育がますます手薄になってしまうかも……」(自民関係者)という懸念もある。

それでも「『自分が解散したから予算審議日程がタイトになっているのに、年度内成立をさせろとは何事だ』と思っても、高市首相のおかげで選挙を勝たせてもらったので、何も言えない…」(自民議員)との声が漏れる。

さらに、今回の予算委は衆院選前とは違い、高市首相にとって“援軍”もいる。

「衆院選前は自民の議席が少なく、予算委員長を立憲に譲ったため、枝野幸男委員長に何度も高市首相が指名され、疲れがたまっていました。睡眠時間が1日1~2時間ほどの日が続き、『政権の最大のリスクは高市首相の健康問題』とも言われていたほどでしたが、今回は自民の坂本哲志氏が予算委員長になったので、高市首相が指名される回数も減り、負担も軽減されるのではないでしょうか」(全国紙政治部記者)

一方の野党議員。審議時間の削減に表向きは反対してきたものの、心の中ではほっとしている面もあるという。

「いくら与党が3分の2を獲得したからといって、与党:野党の質問時間は2:8の予定で、野党の質問時間を長く確保する慣例は変わらない。中道議員が衆院選前の3分の1しかいないうえ、岡田克也氏などのベテランも軒並み落選。それなのに持ち時間は長いままでは、中道議員1人あたりの質問準備の負担が重くなりすぎる。中道議員が『働いて働いて働いて…』となってしまうので、予算委のトータル時間が短くなることには正直ほっとしている側面もあるようです」(霞が関の官僚)

そして、ここに来て高市首相側がカタログギフトを自民党衆院議員に総額約1000万円分贈っていた問題も発覚したが…。

「以前の安住淳幹事長時代の立憲なら、予算委でカタログギフト問題の追及に時間を割いていただろうが、安住氏も落選した今、『スキャンダル追及』は控えめになりそう。中道も高市首相の人気を前に、『野党は批判ばかり』と批判を受けるのを恐れています」(中道関係者)

衆院では与党で3分の2を確保したこと、そして野党も恐れる高い支持率を維持していることを背景に、高市首相は強気に前例を壊し、困難とみられていた予算の年度内成立を実現できるか。

文/中村まほ 内外タイムス