CBS MarketWatchによると、米CATV(ケーブルテレビ)大手ケーブルビジョン・システムズの取締役会は16日、創業者一族のドーラン家による同社買収提案を拒否したと発表した。ドーラン家は1株あたり買収額を当初の27ドルから30ドルに引き上げ、総額89億ドル(約1兆円)で買収する提案を再提示していた。ケーブルビジョン側は、この価格を「不十分」としている。

  同社の株価は16日の終値で、28.49ドルで、ドーラン家が提案した1株あたり30ドルの提案のプレミアム(上乗せ額)は5.3%になる。

  ドーラン家は、ケーブルビジョンを完全買収し、非公開企業とすることで、株主への還元よりも設備投資を優先したい考えがあるといわれる。同家は、買収提案への回答期限を17日に設定していた。アナリストは、ケーブルビジョンは、成長力が高いと評価しており、米メディア・娯楽大手タイムワーナーが買収に乗り出す可能性を考慮すると、1株あたり31-32ドルを下回る提示額は低いとしている。【了】