男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。

出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。

-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?

できなかった答えあわせを、今ここで。

今週のテーマは「オンライン飲みをして以降、男がフェードアウトしていったのはナゼ?」という質問。さて、その答えとは?




-あれ?なんだろう・・・

麻友と出会った時、可愛い子だなぁと思っていた。それにデートも盛り上がっていたし、次も会いたいと思っていた。

だが一度画面越しに、いわゆるオンライン飲みをして以降、僕の気持ちは冷めてしまったのだ。

それはオンラインならではの特徴で、浮かび上がってきた“違和感”だったのだ。



麻友と出会ったのは、今年の頭のこと。会社の先輩や同期達と飲んでいたところに、2軒目から麻友とその友達が合流してきた。

「名前は何ていうの?」
「麻友です」
「突然呼び出してごめんね。来てくれてありがとう」

ふわっとした雰囲気を醸し出し、色白で小柄で可愛い麻友。そんな彼女に、僕はあくまで紳士的に話しかけた。

そして早速デートをすることになったのだが、ここから徐々に僕は、なんとも言えない不思議な感覚を抱いていったのだ。


対面vsオンライン。上手くいく人といかない人の差とは?


A1:対面の時は気にならなかったけど・・・


楽しみにしていた麻友との初デートだったが、仕事が押して僕は5分ほど遅れてしまった。

「ごめん麻友ちゃん!お待たせ」
「全然。私もさっき着いたところだから」

慌てて店へ行くと既に麻友は着いていたものの、嫌な顔一つせずに笑顔で待ってくれていた。

「何飲む?1杯目はビール貰ってもいいかな?」
「どうぞどうぞ」

ビールで乾杯し、お互いのことをもっと知るために積極的に話しかけてみる。




「じゃあせっかくだから今日は楽しもう!突然だけどさ・・・麻友ちゃんは、彼氏はいるの?」
「今は彼氏ないよ。駿くんは?」
「僕もいないよー。別れて1年くらいになるかなぁ」
「そうなの?」
「うん。もうすぐ30歳だし、そろそろ結婚しないといけないなぁと思っているんだけどね」

麻友に彼氏がいないと聞いて、分かりやすくテンションが上がってしまう。もうすぐ30歳だし、僕は結婚を視野に入れて交際できる人を探していたからだ。

「麻友ちゃんに彼氏がいなくてよかったぁ」
「本当に?そんな風に言ってくれてありがとう。嬉しいなぁ」

照れたようにビールを飲む麻友と、距離も近くなる。ふわふわとしていて可愛いなぁと思う気持ちは変わらぬまま、僕たちは楽しく食事をしていた。

「麻友ちゃん、次はいつ会えるかな」
「早めに会おうね♡」

この時は、本当にそう思っていた。

だが残念ながらお互い忙しくなり、なかなか会える時間が取れない。そこで僕たちは実際に会えないからこそ、顔を見ながら電話をしようと決めたのだ。

しかしこれがどうも、僕たちには合わなかったようだ。


デートまでは良かったのに・・・オンラインで男が萎えた理由


A2:画面越しだと、盛り上がらない人とは盛り上がらないと悟ってしまった。


-しばらく会えないから、電話で話さない?

そう持ちかけたのは、僕の方からだった。

お互い忙しくて会える時間が取れず、メッセージのやり取りはしていたものの、顔を見て話したくなったのだ。

向こうも快諾してくれ、早速日時が決まった。そして約束の晩、僕は映り込む背景などを気にしながら画面の前でスタンバッていた。

「おぉ。麻友ちゃん、久しぶり」

だが早速お互いの画面がONになり、久しぶりに顔を見て話す麻友を見て一瞬驚いてしまった。

いや、麻友自身というよりは、麻友の背後に映る部屋を見て驚いたと言った方が適切かもしれない。

「・・・ってお家かな?」
「うん、お家だよー。駿くんも?」

麻友の家の背景は、やたらとフワフワ系のクッションや猫足家具などが映りこんでいる。いわゆる“姫系”とでも言うのだろうか。かなりガーリーな部屋で、正直僕の苦手なテイストだった。

「駿くんのお家って、お洒落だね」
「そうかな?ありがとう」

しかし、そこが一番の問題ではなかった。別に部屋の趣味は人それぞれだし、僕がとやかく言う権利もない。部屋は綺麗にしているようだし、清潔感がある事は分かる。

問題は部屋のテイスト云々よりも、実際に会っていると気がつかない、大事な“相性”だったのだ。

「麻友ちゃん、もうご飯は食べた?」

会話のキッカケにと思い、何気なく晩御飯のことを尋ねた時だった。

「うん、食べたよ!」
「何食べたの?」
「・・・」




-あれ??電波が悪いのかな?

一瞬フリーズかと思ったのだが、画面越しの麻友は動いているし、どうやら電波は正常のようだ。

しかし妙な間があって、しばらく沈黙が続く。

「ま、麻友ちゃん?」
「あぁ、ごめん。カレーだよ」

-この間は何だったんだろうか・・・

そう思いながらも、僕は一生懸命話を盛り上げる。

「そうなんだ!俺、カレー大好きなんだよねぇ」
「うん、美味しいよね」

そこからの、また無言である。

会っている時は気がつかなかった。だが今回分かってしまったのが、オンラインで飲むと、話していて楽しい人と楽しくない人の差が顕著にあらわれてしまう、という事だった。

対面だと沈黙など怖くないし、お互いの空気感を感じられる。

その一方で画面越しだと、微妙な間があったりテンポがズレたりする事もある。また“何を話そうか”とひたすら考えなければならない相手は、かなり疲れてしまう。

「最近、何してた?」
「うーん、あまり変わらずって感じかなぁ。駿くんは?」

そして何よりも、盛り上がらない。

これが致命傷だった。

飲食店のように背後に雑音があるわけでもないし、音楽も流れていない。だからなのか、盛り上がらないとただただ気まずい時間となる。

麻友の場合はこちらから会話を振らないと乗ってこないし、とにかく会話のテンポが合わないのだ。

「麻友ちゃん、明日は仕事?」
「うん、そうだよ」
「そっか。俺も明日朝早いから、そろそろ切ろうかなぁ・・・」

本当は、明日はゆっくり起きても大丈夫な日だ。だが耐えきれなくなり、僕は20分そこそこで切り上げることにした。

「そっか、そうだよね。じゃあまたすぐにね♡」
「うん、またすぐに。話せてよかったよ」
「私も!じゃあまたね」

そう言いながらも、何だか一気に冷めてしまった。

一緒にいて楽しく、また波長が合わない人だと、オンライン飲みはキツい。

会話のテンポやお互い話し始めるタイミングなどが合わずにギクシャクするし、空気感を共有できない画面越しの会話は、男女に関しても意外な相性が分かってしまうんだなぁ・・・と悟った飲みとなった。

▶【Q】はこちら:オンラインで、何かをやらかした女。盛り上がったデートの後、男が冷たくなったワケ

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